チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ザ・ギフト

ジョエル・エドガートン監督作「ザ・ギフト」("The Gift" : 2015)[DVD]

転職を機に妻と共に地元の街に戻った男が、高校時代の同級生と偶然再会したのを皮切りに始まった、突然の来訪や贈り物などの、不気味な言動に翻弄されていく様を描くサイコ・スリラー作品。

 

サイモンは大手セキュリティシステム企業への転職を果たし、フリーデザイナーの妻ロビン、愛犬ボージャングルと共にシカゴを離れ、地元からほど近いカリフォルニア郊外の一等地に立つ瀟洒な家に移住する。二人は早速家具を買い求めに行く。そこへサイモンの高校時代の同級生ゴードが現れ、サイモンに声を掛ける。サイモンはすぐには思い出せずに戸惑うが、連絡先を受け取ってその場で別れる。

翌日、住所を知らせていないにも関わらず、ゴードから家の前にカードを添えたワインが届く。ロビンはシカゴで妊娠が不幸な結果に終わって心を病んだ事から、自宅でデザインの仕事に勤しむ。そこへゴードがやってきて、世話を焼くと同時に家を褒める。ロビンはゴードを招き入れて案内する。ゴードは、ロビンの産まれてくるはずだった赤子への贈り物の玩具や、庭の池に気付く。ロビンはゴードを夕食に誘い、サイモンの帰りを待って会食する。ゴードはワインを飲みながら、サイモンの成功を誇ると、高校時代の話を饒舌に語り始め、サイモンが見事な選挙戦を展開して生徒会長になった事を述懐する。ゴードはまた、自らが高校卒業後に軍隊に入り、海外駐留を経て除隊した後はいろんな職を転々としてきた事を明かすと、正しい心を持っていれば悪い出来事も自分への贈り物になるという旨の持論を説き、サイモンの更なる成功を希望する。ゴードが帰った後、サイモンはゴードが昔から風変わりな男だった事を明かし、友達だと錯覚している事への気不味さから関わりを控える意向を示す。

サイモンはロビンを同伴してオフィスの歓迎パーティに出る。サイモンは上司のケヴィンが他社に移った後任ポストが自分に回ってくる見込みをロビンに示すと、再び子供を儲ける為に無理せず仕事に臨む様に促す。帰宅した二人は、家の前にゴードが返礼として贈った魚の餌と、更に池に数匹の鯉が泳いでいるのを見つける。サイモンは無断で家に立ち入ったゴードを不気味だと称する。ロビンは親切心に拠る行いだと理解を示す。サイモンはゴードが高校で変人扱いされ、「不気味なゴード」と呼ばれていた事を明かすと、冷蔵庫のホワイトボードに連絡先と共に記したゴードの名前の上から「不気味」と書き足す。

翌日、サイモンの出勤後にゴードが再びやってくる。ロビンは鯉への謝意を示すと、ゴードを招き入れて茶を勧める。ゴードはテレビのセッティングなどの世話を焼くが、帰り際にボードを一瞥した途端、無言で出ていく。間もなく、ゴードは電話で二人を夕食に招待する。サイモンはその真意を計り兼ねるが、話し合いの好機と捉えてそれに応じる。

サイモン達はゴードに指定された豪邸を訪ねる。ゴードは二人を招き入れると、サイモンに地獄の黙示録のDVDを贈る。その途端、ゴードは電話を受け、急ぎの仕事と称して、二人をその場に残して車で出かける。サイモンはゴードが独身でいるのはロビンに惚れて狙っているからだと邪推し、ゴードに対する悪罵を連ねる。サイモンはロビンを連れて二階へ忍び込むと、部屋の様子を見渡して妻子がいると確信する。間もなくゴードが戻ると、サイモンは豪邸で暮らせる程のゴードの仕事に興味を示す。ゴードは仕事と言ったのが嘘であり、数日前に二人の子供を連れて出ていった元妻と話をしに行った事、やり直せる望みは薄く、動揺していて黙っていた事、豪邸は妻の実家であり、自分には金が無い事を明かす。サイモンは食事を拒否し、ゴードと二人きりになると、自分の問題に取り組むべきだと諭し、家には来ない様に命じる。

翌日、ロビンは池の鯉が全て死に、ボージャングルがいなくなった事に気付く。報せを受けて戻ったサイモンは、ゴードの仕業だと確信し、再びゴードの屋敷に押しかけるが、そこがゴードとは赤の他人のライアン夫妻の家だと知ると、サイモンは警察に通報する。駆けつけた刑事は、ライアン夫妻が送迎サービス用の高級車を多数所有しており、ゴードはそのリースを受けていた為に自由に車庫に入れた事を明かし、夫妻の旅行中に屋敷へ入り込んだと推断する。サイモンはゴードの仕業だと主張するが、刑事はゴードを見つけて尋問すれば、サイモン達が警察を寄越したのだと知られてしまうと説く。

それ以後、ロビンは精神状態が不安定となり、不眠に苛まれる様になる。ロビンは隣人ルーシーの家を訪ねた際に、洗面所で見つけた精神安定剤を密かに持ち出し、服用し始める。その夜、ボージャングルが無事に戻ってくる。翌朝、ゴードからカードが届く。その中でゴードは心からの謝意と、二度と連絡しない意向を示すと共に、過去の事は水に流そうと思っており、悪意は無かったのだと説く。ロビンは水に流すの意味を問うが、サイモンは見当もつかないと一笑に付し、過ぎた事は忘れるべきだと諭す。翌日になってもロビンは不安を払拭できずに心労を募らせる。一方、サイモンはケヴィンの後任を巡るライバルのダニーについて知る。ロビンは何者かの侵入を察知し、様子を見に行く途中で気を失って倒れる。

翌日、サイモンは経営者との面接が上手くいった事で、首尾よくポストに就ける見込みをロビンに示すと、ロビンが寝入っていた事を指摘し、見つけ出した精神安定剤について、克服したはずだと問い詰める。ロビンはゴードを怖れる余り、精神的に落ち着かない事を明かし、ゴードに連絡して和解する様に請う。サイモンはゴードのカードで全て終わった事だと説く。ロビンは何を水に流すのかについて拘り、ボージャングルの誘拐に関して真っ先にゴードを疑った理由を問い質す。サイモンは憤慨するも直ちに落ち着きを取り戻し、時間が解決するのに委ね、過去を振り返らずに子供を作って新しい人生を始めるべきだと諭す。

程なく、ロビンは妊娠し、しばしの月日が流れる。ある時、ロビンはルーシーと買い物に行った際に、店の前で窓越しに見つめるゴードに気付くが、ゴードはすぐに姿を消す。ロビンはベビーシャワーでサイモンの家族を招いた際に、サイモンの妹ジョーンにゴードについて尋ねる。ジョーンは、ゴードが高校を退学になった事、年上の生徒に性的虐待を受けたり、ゲイだと吹聴されて虐められていた事、それを発見して届け出たのがサイモンとグレッグだった事を明かす。

翌日、ロビンはサイモンの書斎の机の鍵を見つけると、引き出しからゴードの身元調査書を発見し、サイモンが自分に内緒でゴードを徹底的に調べていた事を知る。次にロビンは、整体師を営むグレッグの元を訪ねると、ゴードがカードの付箋に引用した、復讐を示唆する意味深長な聖書の一節を伝え、ゴードが何を恨んでいるのか尋ねる。グレッグはゴードへの仕打ちに対する悔悟を示すと、サイモンが昔から意地悪ないじめっ子で、嘘をでっち上げる事でゴードへのいじめを助長し、それが原因でゴードの父親がゴードを焼き殺そうと企て、逮捕された事を明かす。

その頃、サイモンは自宅でケヴィンから、ダニーに不正が発覚した為に、後任がサイモンで決まったとの報せを受ける。そこへロビンが帰宅し、グレッグと会った事を明かすと、サイモンの嘘がゴードの人生を台無しにしたのだと詰り、本当の事を話す様に請う。サイモンは自らが人でなしだと認めて開き直ると、自らも父親から酷い目に遭いながら努力し克服したのであり、それができないのは自分のせいだと説く。サイモンはゴードに謝罪するのを拒むと共にロビンに悪態をつく。ロビンはサイモンを引っ叩くと、調査書を突きつけ、ゴードに連絡して関係を修復する様に促す。サイモンは調査したのがロビンを守る為であり、弁護士を通じて接近禁止命令を出している事を明かすが、ロビンはサイモンへの不信感を露わにする。

サイモンはゴードが芸人として日銭を稼ぐバーを訪ねると、店の外に出たゴードに謝意を示し、受け入れを強要する。ゴードは手遅れだと説く。それに気分を害したサイモンは、ゴードを押し倒し、蹴り飛ばした末に押さえつけ、不幸を自分のせいにするなと命じ、家族に近づいたら殺すと脅す。サイモンは帰宅すると、話を付けてきたとロビンを欺く。

後日、サイモンは自宅にケヴィンを含む友人達を招いてパーティを開き、昇進の祝杯を上げる。その最中、突然投石で窓が割られる。サイモン達は逃げ出したダニーを取り押さえる。ダニーはサイモンが嘘の情報を流して自分を陥れ、ポストを騙し取ったのだと訴える。その矢先にロビンが産気付き、直ちに病院に搬送される。ロビンは無事に男児を出産する。サイモンはケヴィンから連絡を受け、オフィスから出ていく様に命じられる。

翌日、ロビンはサイモンと一緒に家に戻る気が無い事を伝える。サイモンは一旦自宅に引き上げ、家の前に「お祝い」と記されたカードが付された包みを見つける。間もなく、ゴードは花束を携え、病室のロビンを訪ねると、出産を祝う。一方、サイモンは包みに収められたベビーカーの中から、新たに3つの小包を見つけ、それぞれから家の鍵、豪邸に招かれた際にサイモンが放った悪罵と地獄の黙示録を録音したCD、自宅のロビンを盗撮した様子を収めたDVDが現れる。その中で覆面姿のゴードは、気を失って倒れたロビンに忍び寄り、弄ぼうとしたところで映像は切れる。愕然としたサイモンは直ちに病院に戻ると、ロビンが病室にいない事を知り、ゴードの後を追うが見失う。その時、ゴードが電話をかけ、自分からロビンに話す事もできると挑発すると、真実の如何については明言せず、赤子の目を見る様に促す。サイモンは新生児室の外から窓越しにロビンが抱く赤子の目を凝視し、真実を知ると、絶望の余り、頭を抱えてその場に座り込む。ゴードは程近い場所でその様子を見届けると、病院を後にする。

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