チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

天国からの奇跡

パトリシア・リゲン監督作「天国からの奇跡」("Miracles from Heaven" : 2016)[DVD]

原因不明の胃腸の難病を患った娘を救う為に奮闘する両親が、神への信仰を維持し続け、奇跡的な現象に遭遇する様を描くクリスチャン・ドラマ作品。

 

テキサス州バーレソンの牧場に住むビーム一家は、獣医の父ケヴィンと母クリスティ、仲良し三姉妹の長女アビー、次女アナ、三女アデリンからなる五人家族。クリスチャンの一家は毎週日曜に教会に通い、牧師スコットの説法を聞く事で、信仰を重んじながら幸せに暮らしていた。ケヴィンは全財産を投じてテキサス最大の動物病院を開業し、一家は新たな生活を始める。その矢先にアナは突然、胃腸の不調を訴え、嘔吐を繰り返す様になり、更に腹部が腫れ上がり始める。夫妻はアナを連れて病院を周るも不調の原因は明らかにならず、フォートワースで一番という消化器系の専門医の診断を仰ぐ。夫妻はアナが常に痛みに見舞われ、何週間も嘔吐を繰り返し、薬が効かない事を伝えるが、医師は乳糖不耐症と診断し、治療を楽観視する。その後、アナは乳製品の摂取を禁じられる。一家はアナが治るまで大好きなピザを絶つ事を決意する。

それでもアナの症状は好転せず、夫妻はアナが腹の激痛を訴える度に病院へ連れて行くが、その原因は判然としない為、クリスティはいよいよ耐えかね、更なる検査をして原因が分かるまで帰らないと病院に訴える。それを受け、アナを診察した小児科長の医師ブルギは腸閉塞と断定し、直ちに手術を実施する。術後、ブルギはアナに深刻な機能性胃腸障害が見つかった事を夫妻に伝えるが、治療法が無い事からボストン小児科病院に勤務し、世界中の患者を診ているという専門医ヌルコに紹介する意向を示す。

アナは経管栄養の摂取と、症状を抑える為の大量の薬を服用し、通学しながら療養を続ける。クリスティは多忙を極めるヌルコに便りを送り続けるも返事は来ず、順番がいつ回ってくるのか分からないと知って途方に暮れ、次第に信仰心が揺らぎ始める。そんな折、クリスティは教会の日曜集会で常連信徒から、アナが快方に向かわないのは罪を犯したからでは無いかと、心無い批判を受けて気分を害し、教会に通うのを止める意向をケヴィンに伝える。

クリスティは待てど暮らせど事態を打開できない事に痺れを切らし、予約が無い状態でアナと二人でボストン小児科病院を訪ねる。クリスティは受付の女に、担当医からヌルコを紹介されて何度も連絡している事を伝えるが、女はヌルコの予約は九ヶ月先まで埋まっている事を伝える。クリスティはアナがいかに深刻な状況に置かれているか訴え、ヌルコへの取り次ぎを哀願するが、女は自らの立場ではどうする事もできないと答える。クリスティ達はその足でレストランに入る。アナはそこでウェイトレスのアンジェラに親切に対応してもらう。気さくなアンジェラはボストンがいかに素晴らしい街か語ると、明日の休みに二人を案内すると申し出る。翌日、アンジェラはクリスティ達を古びた愛者に乗せ、ボストンの名所を案内して回った後、水族館と美術館に連れて行く。その最中、クリスティは病院からヌルコに空きができたとの報せを受ける。

翌朝、アナはヌルコによる精密検査と診察を受ける。ヌルコはアナが偽性腸閉塞症を患っており、腸が脳の送る信号に反応せず、麻痺した様な状態になっていると診断すると、治療法は無いものの、痛みを抑える事で生活しやすくできる事を伝え、快方への希望を示す。ヌルコは食物の消化を促す特別な薬を処方する意向を示すと、重い副作用のリスクがあるものの試す価値はあると説き、六週間毎の診察で経過観察を行う方針を定める。

帰宅後、クリスティは動物病院の開業に財産を費消した為に、飛行機代、保険金の増額分、保険適用外の治療代と新しい薬代などを賄い切れないとケヴィンに訴える。ケヴィンは信仰があると楽観視するが、クリスティは今は何も信じられないと答える。ケヴィンは休まずに働き、必要ならバイトもして賄う事を約束する。クリスティは教会にスコットを訪ね、相談する。スコットは批判する人をも愛すべきだと説くと、教会に通うよう促す。クリスティはアナを苦しめる神の意図を教えてほしいと請う。スコットは分からずとも神は否定できず、自らの経験に鑑みても神に背を向けるより、神を信じる方が良いと諭す。

その後、クリスティとアナは回復を信じてボストンに通い続け、アンジェラとも親交を深める。ケヴィンは懸命に働き、またお気に入りのバイクを売るなどして費用を工面する。しかし、期待した様な薬の効果は現れない為、ヌルコはアナを一旦入院させ、より注意深く検査と観察を続ける方針を定める。アナはルームメイトで癌を患うヘイリーと親しくなる。ヘイリーはアナに死への恐れを打ち明ける。アナは神が一緒だから怖がる必要は無いと説き、お守りの十字架のネックレスをヘイリーに譲る。それを受け、ヘイリーを男手一つで育てる父ベンは、アナに悪気は無くとも宗教的な話をする事で、ヘイリーに無駄な期待を持たせぬようクリスティに頼む。

程なく、ヘイリーが病室を去ると、痛みで苦悶し続けるアナは帰宅を希望し、更に、痛みの無い天国へ行きたいと泣きながらクリスティに訴える。ケヴィンはアビーとアデリンを連れてアナの見舞いに行こうとするが、返済の滞納でカードを停止させられ、空港の受付で足止めを食らう。スタッフの男はアビーとアデリンの会話からアナの窮状を慮り、システムエラーとして扱う事で会計処理する。アナは見舞いに来たケヴィン達と会うと、痛みを忘れるほど甚く喜ぶ。ヌルコは家族と一緒にいる事が一番の薬だと説き、アナの退院を認める。

帰宅後、アナは屋内に篭って憂鬱に過ごす。アビーはアナを励ます為に遊びに連れ出すと、庭に立つ古い大木に、昔の様に一緒に登るよう勧める。アナはアビーと共に樹上に登って間もなく、樹洞に転落する。通報を受けて駆け付けた救急隊は、はしご車を用いた大掛かりな救助活動を始める。周囲にはマスコミや近隣の住民らが集まって固唾を呑んで行方を見守る。クリスティは為す術無く、大木の傍で神に祈りを捧げる。それに倣って家族や友人達も祈る。日が暮れた後、頭部を負傷して気を失ったアナはようやくハーネスで吊り上げられ、ドクターヘリで救急搬送される。クリスティとケヴィンは病院でアナの無事を信じて待つ。アナを診察した医師は、アナが軽い脳震盪を起こしただけで、奇跡的にも骨折、手足の怪我、内出血、痣のいずれもない事を夫妻に報せ、驚きを露わにする。

病院から戻って程なく、クリスティはアナの胃腸の症状が収まっている事に気付き、ケヴィンに報せる。アナは樹洞に落ちた際に不思議な経験をした事を夫妻に明かす。暗闇の中で体から抜け出したアナは、蝶に誘われる様に天国へ行き、元の世界に戻ったら体が治っていると神から伝えられたのだという。アナは改めてヌルコの診察を受ける。ヌルコはアナの症状が消え、胃腸が正常に機能している事を確認すると、アナが頭を打った時に中枢神経系が再起動し、自然寛解したと推察する。クリスティとアナは、ヌルコやアンジェラを始めとする世話になった人達に謝意を告げて帰路に着く。

後日、一家は教会の集会に出席し、クリスティはスコットにスピーチを依頼される。クリスティは希望を失い、孤独に苛まれ、祈りへの応えが無い事に怒りを感じる余り、神を疑い、周りが見えていなかった事を振り返ると、人生は奇跡が無いと思って生きるか、全てが奇跡だと思って生きるかの二通りだと説き、自らは奇跡が溢れているのに見逃していたのだと悔やむ。クリスティは奇跡とはたまたま出会った人達の親切や、いつでも助けてくれる友人達による愛であり、神は全てを赦してくれるのだと説く。更にクリスティは、アナが治った理由は分からずともその経験で独りでは無いと分かった事を明かし、皆も何があろうとも独りでは無く、奇跡を通じて神はその存在を伝えているのだと説く。その時、先にクリスティ達に罪があると指摘した信徒が立ち上がり、アナが難病では無かったか、或いは目立ちたかった可能性を指摘する。すると、アナの奇跡を知って会場にやってきていたベンが立ち上がり、クリスティの話を信じると主張する。ベンは最近亡くなったヘイリーが、アナと出会って最後の数週間は安心と愛、神の存在を感じていた事を明かすと、信じる事と平安を教えてくれたアナとクリスティにお礼をしに来たのだと説く。集まった信徒達は拍手喝采する。その後、一家はピザを解禁し、アナの回復を祝う。

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