チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ムーンライト

バリー・ジェンキンス監督作「ムーンライト」("Moonlight" : 2016)[BD]

黒人の少年が自らのセクシャリティに覚醒し、多感な時期に不遇を経験しながらも、困難を乗り越えて成長していく様を描くドラマ作品。

 

マイアミ、リバティ・シティ。ドラッグ・ディーラーのフアンは、治安の悪い麻薬地区の廃屋に、いじめっ子から追われて逃げ込んだ小学生のシャロンを見つける。フアンは問いかけに黙ったままのシャロンをレストランへ連れて行くと、家まで送っていく意向を示す。しかし、シャロンは名前も住所も明かそうとはしない為、フアンはシャロンを自宅へ招き、妻テレサに対応を任せる。シャロンは自らの名に加え、リトルのあだ名で呼ばれている事、母と二人で暮らしている事を明かすと、家へ帰る事を拒む。フアンはシャロンを一晩泊めてやる事にする。翌日、フアンはシャロンが暮らすアパートへ連れていき、母親のポーラに引き渡すと、シャロンを発見して泊めるに至った経緯を伝えるが、心配していたポーラはフアンに嫌悪感を露わにする。

シャロンと同じ学校に通う親友ケヴィンは、頻繁にいじめに遭っているシャロンを慮ると、抵抗しないからいじめられるのだと諭す。シャロンは再びフアンの家を訪ねる。フアンはシャロンを海へ連れていき、泳ぎを教えてやる。フアンはキューバ出身だと明かすと、シャロンの年頃に老女に捕まった際に、月明かりを浴びて走り回っていると、黒人の子供が青く見えると言われ、「ブルー」と呼ばれた思い出を述懐する。フアンはシャロンに対し、自分の道は自分で決めるのであり、周りに決めさせてはならないと諭す。その後、フアンはシャロンをアパートへ送り届け、その際に小遣いをやる。丁度その時、男を連れ込んでいたポーラは、フアンへの敵意を剥き出しにする。

ある日、シャロンはケヴィンやその友達に促され、陰部を見せ合う。その夜、フアンは麻薬地区に停めた男の車内でポーラが大麻に興じているのを見つけ、出て行くよう促す。ポーラはそれに反発し、フアンがシャロン父親の様に振る舞っている事を非難すると、シャロンがいじめに遭う理由を本人に言えるのかと詰る。翌日、シャロンはポーラに罵られて家を出ると、フアンの家に身を寄せる。シャロンはポーラへの嫌悪感を示すと、オカマの意味について尋ねる。フアンはシャロンの心情を慮ると、ゲイであってもオカマと呼ばせぬよう諭し、今は分からずとも分かる時が来ると説く。シャロンはフアンがドラッグを売り、また自らもやっているのかどうか尋ねる。フアンがそれを認めると、シャロンは無言で出ていく。

数年後、高校生のシャロンは、テレルを始めとするクラスメイトにオカマ扱いされ、頻繁にいじめに遭う。同じ学校で親友として交流を続けるケヴィンは、校内で女子生徒とファックしている現場を教師に見つかり、居残りを命じられた事を明かす。その日、シャロンはポーラから男を連れ込む際の邪魔者扱いされ、テレサの元へ身を寄せる。フアン亡き後も親身に接するテレサは、シャロンの憂鬱ぶりを察知すると、俯いておらずに愛と自信を持つよう励まし、シャロンを一晩泊めてやる。シャロンはケヴィンが女子生徒とファックしている姿を覗き見する夢を見て目を覚ます。

翌朝、シャロンが帰宅すると、禁断症状で錯乱したポーラは、シャロンにドラッグを買う金を無心する。シャロンは金など無いと退けるが、ポーラはシャロンテレサから小遣いを貰っているはずだと主張し、半ば強引に金を奪い取る。放課後、シャロンは再びテレサの元に向かう途中で、テレル達と遭遇し、ポーラが売春婦である事や、シャロンがゲイである事を面罵される。シャロンは行く宛も無く夜の街を彷徨い歩いた挙句、ビーチに辿り着く。そこへ偶然、ケヴィンが煙草を吸いにやってくる。二人は潮風を浴びながら語らい合う。シャロンは自らの悲しみを吐露する。ケヴィンはシャロンの心情を慮り、じゃれ合った際に唇にキスをすると、その流れでシャロンの陰部を愛撫し、射精に導く。シャロンは果てた事を詫びる。ケヴィンはシャロンを車で家まで送り届けると、これまでにそういう経験があったのかどうか尋ねる。シャロンは無いと答える。

翌日、テレルは学校で退屈凌ぎの遊びと称して、自分が決めた生徒を殴るようケヴィンに唆す。テレルはシャロンに目をつけると、集まった生徒達の前でケヴィンにシャロンを何度も殴るよう強要する。シャロンは屈っせずに殴られる度に立ち上がる。テレルは仲間と共にシャロンをリンチする。そこへ教員が駆け付け、シャロンを救い出す。校長はテレル達を告発するようシャロンに促すが、シャロンはそれを拒み、救えないのだと悲嘆する。翌日、シャロンは遅れて登校すると、教室に入るなり、椅子でテレルを殴り倒す。シャロンは逮捕された後、アトランタの少年院に収監される。

更に数年後、大人になったシャロンは、アトランタの地で亡きフアンの様にドラッグ・ディーラーとして身を立てる。ある晩、シャロンはマイアミを離れて以来初めて、ケヴィンから連絡を受ける。ケヴィンはテレサから番号を聞いた事を明かすと、高校での一件を詫び、臆病者だったと悔いる。ケヴィンはマイアミで料理人をやっており、店内のジュークボックスでシャロンに似た客がかけた曲でシャロンを思い出し、連絡する気になった事を明かすと、マイアミに戻った際に顔を出すよう求める。その後、眠りに就いたシャロンはケヴィンの夢を見る。翌朝、シャロンは起目覚めるや、夢精している事に気付く。

シャロンアトランタの更生施設で暮らすポーラに久しぶりに会いに行く。ポーラはシャロンが相変わらずドラッグ・ディーラーを続けている事を批判する。シャロンは気分を害し、帰ろうとする。ポーラは不甲斐ない母親だった事を詫び、自分の様にはなって欲しくないのだと説くと。シャロンが自分を愛さなくても自分はシャロンを愛していると涙ながらに訴える。 シャロンもまた落涙する。ポーラは自らの至らなさを心から悔やみ、シャロンはその気持ちを受け入れる。シャロンはマイアミへと車を走らせる。

夜、シャロンはケヴィンが営むレストランを訪ねる。ケヴィンはシャロンとの再会を喜ぶと、自慢の料理とワインで饗す。ケヴィンは同級生だった女との間に若くして息子を儲け、その後、別れた事を明かすと、シャロンが何をしているのか尋ねる。シャロンは少年院の仲間に仕事を世話され、売人としてのし上がった事を明かす。ケヴィンは落胆する。シャロンは電話した理由を尋ねる。ケヴィンはジュークボックスでシャロン似の客がかけたという、バーバラ・ルイスの"Hello Stranger"をかける。

閉店後、シャロンは路線バス通いしているというケヴィンを車で送っていく。ケヴィンは思い出のビーチ沿いに立つアパートにシャロンを招く。ケヴィンはシャロンの予想外の変わりぶりを改めて指摘すると、最後に会った時の事について覚えているか尋ねる。シャロンはそれを忘れようと克己し、アトランタで生まれ変わった事を明かす。ケヴィンはやりたい事は何もせず、周りの言いなりになって流されてきた過去を卑下すると、現在は保護観察中でありながら、息子がいて仕事もある為に、当時の様な不安は無く、それなりに充実した人生を送っている事を明かす。シャロンは自分に触れたのはただ一人、ケヴィンだけだと明かす。ケヴィンはシャロンの慕情を理解し、そっと抱き寄せる。シャロンは安らぎを得る。

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