チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ヴィクトリア

バスティアン・シッパー監督作「ヴィクトリア」("Victoria" : 2015)[DVD]

来独して間もない女が、ベルリンのナイトクラブで出会った四人組の男達に誘われ、思いも寄らぬ事件に巻き込まれていく様をノーカットで描くドラマ作品。

 

マドリードからベルリンに移り住んで三ヶ月、ヴィクトリアはドイツ語を話せない代わりに英語を駆使してカフェで働いていた。ある夜、ヴィクトリアは単身ナイトクラブに訪れ、午前四時まで酒を飲んで踊りに耽った後、自転車で帰ろうとする。そこへクラブを追い返された陽気な四人組ゾンネ、ボクサー、ブリンカー、フースが現れ、ヴィクトリアに声をかける。フースの誕生日を祝う為に集まった四人は、路上に停まった他人の車を我が物顔で弄って遊び始める。そこへ持ち主が現れ、ヴィクトリアは四人と一緒にその場から逃げ出す。英語が話せるゾンネは、自分達の世界を見せてやると説き、パーティに付き合うようヴィクトリアを誘う。ヴィクトリアは翌朝カフェを開ける必要を説くが、根負けして四人に付いていく。ゾンネとヴィクトリアは途中のコンビニで店主が寝入っている隙に乗じてビールを盗み出す。家族同然の親友同士だという四人は馬鹿騒ぎしながら、四人だけの場所と称する、街並みを見渡せる高さのアパートの屋上へヴィクトリアを招く。ヴィクトリアは四人と酒を飲み交わしながら、しばし談笑に興じる。ヴィクトリアは7時にカフェを開ける必要があり、家に帰らずにカフェで休む意向を示す。ヴィクトリアはゾンネにカフェまで送ってもらう事にし、三人に別れを告げてアパートを離れる。

程なくカフェに着くと、ヴィクトリアはゾンネに寄っていくよう促し、ゾンネはそれに応じる。ヴィクトリアはゾンネが好むココアを淹れる。ゾンネは店内に置かれたピアノを開くと、いたずらに弾いてみせた後、ヴィクトリアに弾くよう促す。ヴィクトリアはプロ並みの見事な腕前でメフィスト・ワルツを披露する。ゾンネは感銘を受け、ホールで演奏すべきだと説く。ヴィクトリアは16年以上に渡って毎日厳しい練習を続けてきたが、通っていた音楽院で才能が無いと言われてキャリアを断念した事、ピアノ以外に自分には何も無く、友達さえもいないが、ピアノを止めて良かったと考えている事を明かす。ゾンネは感傷に浸るヴィクトリアを励ます。その時、ボクサーから連絡が入る。ゾンネは急用ができた事を明かし、ヴィクトリアに再会を約束して店を出ようとする。そこへボクサー達が迎えにやってきて、ゾンネを急かす。四人は店の前に停まった車を盗んで走り去り、ヴィクトリアはそれを見送る。

間もなく、四人はカフェに戻ってきて、泥酔して動けなくなったフースを店内に運び込む。遅れが生じている事に苛立つボクサーは、目的の為には四人が必要であり、約束した以上は中止できないと説く。ゾンネは延期を伝えるよう促すが、ボクサーは三人と運転手役が必要だと説き、ヴィクトリアにそれを任せる事を提案する。ゾンネは不本意ながらも、ボクサーが刑務所にいた時に世話になった男から頼まれ事を引き受けている事を打ち明けると、それが済み次第カフェに送り届ける事を約束し、ヴィクトリアに協力を求める。ヴィクトリアはそれが悪事だと察しながらも快諾する。ゾンネ達はフースを店内に置いていき、ヴィクトリアの運転する盗難車で出発する。

ボクサーの案内で、一行は街中に建つビルの地下駐車場に入ると、銃で武装した男に指示され、ギャングのリーダーのアンディが待つ場所へ辿りつく。アンディはボクサーら三人に拳銃と目出し帽を手渡すと、銀行の貸金庫から現金5万ユーロを強奪する計画を指示し、4万を報酬として支払う意向を示す。ボクサーは難色を示すが、アンディをはボクサーに1万を貸している恩義を説く。ボクサーは返済に一週間の猶予を求める。アンディは金ができるまでヴィクトリアを人質に取る意向を示し、ボクサー達はやむを得ず計画を応諾する。三人はその場に準備されたフロア配置に従い、支店長を脅して貸金庫に通じる防護ドアを開けさせるまでの、通り一遍の予行演習をさせられる。アンディは気分を高揚させる為のコカインを四人に吸引させると、事が済んだら家で待機するよう命じる。一行は再びヴィクトリアの運転で指示された銀行を目指す。道中、ブリンカーが突然発作を起こし、一行はやむを得ず車を停める。ブリンカーは死を恐れてパニックに陥る。ヴィクトリアはブリンカーを介抱する事で落ち着きを取り戻させる。四人は改めて決意を固め、銀行へと出発する。

銀行の前に到着すると、ボクサーら三人は支店長の出勤に合わせて行内に押し入る。ヴィクトリアは車を反転させて待機し、逃走に備えるが、その直後にエンジンが突然停止する。盗難車故に、ヴィクトリアはエンジンを掛け直せずに当惑する。そこへ三人が現金を奪って戻ってくる。ボクサーがエンジンを掛け直し、四人は直ちに逃走する。四人は人通りの無い建物の間に車を乗り捨てると、現金強盗をやり遂げた解放感に浸る。四人はその足でナイトクラブを訪ね、成功を祝う。ヴィクトリアとゾンネは熱烈なキスを交わす。ボクサーとブリンカーは裸になって踊り狂う。四人ははしゃぎ過ぎて用心棒に追い出される。車に戻ろうとした四人は、警察の捜査が及んでいるのを目の当たりにして我に返ると、一目散にその場から逃げ出す。

間もなく、四人は集合住宅の傍で警察に発見され、敷地内に逃げ込むが、銃撃を受けてブリンカーが倒れる。警察の投降命令に応じず、ゾンネとボクサーは銃で反撃する。その内、ボクサーも被弾し、重傷を負う。ボクサーはゾンネに金を持ってヴィクトリアと逃げるよう促す。ゾンネはそれに従い、ヴィクトリアと建物に逃げ込むと、若い夫妻が住む部屋に押し入る。建物の周辺は警察に制圧され、二人は為す術もなく途方に暮れる。二人は服を夫妻の物に着替え、夫妻から赤子を奪って連れ出すと、住民を装って脱出を企てる。二人は首尾よく警察をやり過ごし、集合住宅から離れると、赤子を置き去りにしてタクシーに乗り込む。二人はホテルの一室に身を寄せるが、ゾンネは銃撃戦で腹に重傷を負っており、失血で衰弱していく。ヴィクトリアはゾンネをベッドに休ませ、傷の状態を確認すると、すぐに病院に行くべきだと諭すが、ゾンネはそれを拒む。ニュースでは銃撃戦で一人が死に、一人が病院へ搬送され、尚も二人の男女が逃走を続けている事が報じられる。ゾンネはヴィクトリアに金を持ってスペインへ戻るよう命じる。ヴィクトリアは救急車を呼ぶが、その直後にゾンネは息を引き取る。ヴィクトリアはしばし慟哭した後、ゾンネの意を汲み、金を持ってホテルを出ると、早朝の街の彼方へ歩いていく。

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