チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

セブン・シスターズ

トミー・ウィルコラ監督作「セブン・シスターズ」("What Happened to Monday" : 2017)[BD]

人工抑制を図る為に第一子以外が認められない近未来で、密かに七つ子として生まれ育った姉妹が、失踪した一人の行方を追い、当局の陰謀を暴く為に奮闘する様を描くSFスリラー作品。

 

近未来の欧州連邦。人類は人口爆発に伴う資源消費量の逼迫と、気候変動に因る深刻な被害に見舞われ、食糧不足に陥った。やがて人類は収穫量の多い組み換え作物を開発する事で食糧不足を解消するが、それは人体に影響を及ぼし、世界各地で多生児の誕生を急増させた事で、人類はまたしても危機に直面した。政治活動家保全生物学者のケイマン博士は、地球を守り、次世代により良い未来を残すべきと主張し、その尽力によって欧州連邦では一家庭につき一子のみを認める児童分配法が施行された。街には検問所が設置され、市民はIDリストバンドの着用が義務付けられた。違法に生まれた子供達はCAB(児童分配局)に収容された後、処置センター内のクライオスリープによって人道的に冷凍保存され、人口問題が解決する日を待つ事になった。

2043年、セットマンは疎遠だった娘が七つ子の女児を産んで死去し、その父親が不明だと知ると、口の堅い医師に全員を生かす協力を求める。セットマンは七つ子をそれぞれ月曜~日曜と命名すると、街の一角にあるアパートで秘密裏に育て上げ、それぞれの個性や能力が生かせる様に教育する。七つ子の幼児学校への入学に伴い、セットマンはカレン・セットマンという共有IDを偽造し、リストバンドを複製すると、各曜日に合わせて順番に外出を始めさせる。セットマンは一日の終わりに報告会を開き、各人が外出時にリストバンドに記録した映像を元に、外で見聞きした出来事を共有させる。七つ子は成長に伴い、優等生タイプの月曜、麻薬依存の火曜、肉体派の水曜、反抗的な木曜、頭脳派の金曜、奔放な土曜、温厚な日曜の様に異なる個性を顕出していく。ある時、木曜は無断で部屋から抜け出し、左手の人差し指を失う大怪我をして戻る。セットマンは全員を危険に晒す行為を戒めるべく、連帯責任を負わせ、全員の指を同じ様に切断する。

2073年、6月。人類は依然として人口問題を抱えており、欧州連邦は児童分配法を継続し、発見された闇の子はCABによって強制連行される。セットマン亡き後、七姉妹は同じアパートで一緒に暮らしながら、曜日毎に代わる代わる同じ姿格好のカレンを装い、メガバンクに勤務する。姉妹はいずれも監禁生活にストレスを抱き、しばしば諍いを生じさせる。ケイマンの選挙への出馬に伴い、街では警備が強化される。

月曜は重要な昇進プレゼンを控え、吐き気を催す不調を来しながらも銀行に出勤する。月曜はエレベーターで折り合いの悪い同僚ジェリーと乗り合わせる。ジェリーは、女を武器にし、人を見下す様なカレンの態度を詰ると、秘密を知っているかの様に仄めかす。その夜、月曜は日付が変わっても帰宅せず、また連絡やGPSによる探知もできない事から、姉妹らは心配する。

翌朝、火曜は月曜を捜すべく出勤する。火曜は部下から、月曜が昨日昇進の決定に伴い、早退して行きつけのバーに祝杯を上げに行った事を聞く。火曜はそのバーを訪ね、バーテンから月曜がジェリーと口論していた事を聞く。火曜はジェリーに事情を質すべく銀行に戻ろうとするが、その矢先にCABの警備主任ジョーが現れ、GPSを切って火曜をCABに連行する。処置センター内の一室で待ち受けていたケイマンは、姉妹が身勝手な行動で資源を奪っている事を非難する。火曜は命乞いするが、ケイマンはジョーに命じて火曜の眼球を抉り取らせる。

残った姉妹は火曜とも連絡が取れなくなり、途方に暮れる。夜、アパートに三人の刺客が急襲し、火曜の眼球でドアのロックを解除する。木曜を除く姉妹は、セットマンが設えた非常時用のシェルターに逃げ込む。木曜は金庫から拳銃を持ち出そうとするが、見つからず、身を潜める。刺客はシェルターを見つけ、姉妹らを外に出す。木曜は咄嗟にノコギリで奇襲を仕掛ける。残りの姉妹もそれを機に攻勢に出る。姉妹は死闘の末に刺客を殺すが、その過程で日曜が流れ弾を受けて致命傷を負い、間もなく息絶える。残った姉妹は悲しみに打ちひしがれる。金曜は刺客の持っていた眼球が火曜のものだと確認する。姉妹は火曜が殺されたと悟るが、CABがいきなり殺しに来る理由を測りかねる。一方、ジョーは残りの姉妹を指名手配してすぐに片を付けるべきだとケイマンに進言する。ケイマンは姉妹を放置しておいた責任を問われるのを恐れて却下し、秘密裏に動き、まずジェリーの排除を優先するよう命じる。

翌日、水曜はそのままの姿でジェリーのアパートを訪ねる。ジェリーはカレンと交わした、秘密をバラさない代わりに昇進を譲るという取引への返事を求める。水曜は刺客から奪った銃でジェリーを脅し、秘密についていつから知っていたのか問い質す。ジェリーはカレンがケイマンと交わした資金移動の契約について明かすと、契約書が傍のタブレットに入っている事を示す。その直後、ジェリーは狙撃手によって射殺される。ジョーはアパートの前から部隊を送り込む。水曜は浴室に逃げ込むと、そこへやってきた刺客を不意打ちで絞殺した後、指を切断して銃の認証を解除し、残りの刺客を排除する。ジョーは直ちに応援を送る。水曜はタブレットをリストバンドに接続してデータを金曜の端末に送信すると、窓から地上のコンテナに飛び降り、逃走する。水曜は金曜の支援を受け、貧困層が暮らす下層セクターに逃げ込む。ジョーは水曜のGPSを追尾する。水曜は追撃を逃れ、工場に潜り込む。その最中、姉妹の部屋にCABのエイドリアンが訪ねてくる。木曜と金曜は身を潜め、土曜がそれに応対する。カレンと交際しているエイドリアンは見違えた土曜の姿に驚きながら、銀行で病欠と聞いたのにCAB内で見かけた為に会いに来たのだと説く。土曜は届け物があったと白を切り、求めに応じてエイドリアンを部屋に入れる。水曜は金曜の支援を失い、身を潜め続ける。

エイドリアンはいつもの様に、土曜の体を求めようとする。土曜は一旦その場を離れ、木曜と金曜に姉妹の誰かが密通している事を伝える。木曜は誰と交際しているか調べに行くよう土曜に促す。金曜は土曜のリストバンドにカップリング装置を仕込み、エイドリアンのリストバンドと繋ぐ事でCABのサーバーへの侵入できるよう企図する。土曜がエイドリアンと出かけると、金曜は直ちに水曜の支援を再開する。金曜は水曜を屋上へ誘導し、隣のビルに跳び移るよう促す。水曜が意を決して跳んだ矢先に、隣のビルに駆けつけたジョーは、水曜を銃撃し、壁際にしがみついた水曜にとどめを刺す。ジョーは水曜の死体を処置センターへ搬送させる。金曜と木曜は端末に届いた契約書のファイルを見て、カレンの昇進が決まった日付で、ケイマンの口座に数百万ユーロが違法に送金される運びとなっていながら、まだカレンの署名がされていない事を知る。土曜はエイドリアンのアパートでセックスに応じる。その最中、土曜は密かにエイドリアンとリストバンドを同期させる事で、金曜の端末とCABのサーバーを接続する。金曜は処置センターの監視カメラを調べ、収容されている月曜らしき姿を見つける。

翌朝、エイドリアンはCABでケイマン支援のイベントがある事を明かし、土曜を部屋に残して出勤する。その際、エイドリアンが月曜日以外にも会う事を希望した為、土曜は月曜が交際していたのだと知り、それを部屋の端末から金曜らに知らせる。一同は月曜を救ってケイマンの正体を暴こうと決意する。その直後、エイドリアンの部屋を部隊が急襲し、土曜を射殺する。同時に姉妹のアパートにもジョー率いる部隊が駆けつけ、催涙弾で襲撃を開始する。木曜と金曜は裏口からハシゴで脱出を図る。金曜は木曜を先に逃がすとハシゴを引き上げて部屋に戻り、端末に保存した姉妹の生きた証たる写真を失うまいと転送する。部隊が部屋に押し入ろうとすると、金曜は部屋にガスを充満させ、レンジでスプレー缶を破裂させる事で爆発を起こし、自らを犠牲にして部隊を排除する。木曜は地上で慟哭する。エイドリアンは姉妹のアパート爆発の報せを受け、直ちにCABの車で駆け付ける。爆発から逃れたジョーは金曜の死体を処置センターへ搬送させる。エイドリアンはそれを見てカレンが死んだと誤解し、直ちにCABへ戻ろうとする。車内で待ち伏せていた木曜は、エイドリアンを姉妹を売り飛ばした廉で非難する。エイドリアンは動転しながらも、カレンに姉妹がいる事に気付く。木曜は七つ子であり、カレンたる月曜が生きている事を明かす。エイドリアンはカレンを売った事を否定する。木曜はカレンを愛しているなら救出に手を貸すよう求める。

エイドリアンは木曜を金曜の遺体に装って処置センター内のクライオスリープ室に搬入する。木曜は職員が少女を装置に入れ、冷凍せず、超高温で瞬時に焼却処分している一部始終を録画する。木曜とエイドリアンは職員を排除し、月曜の収容されている部屋に向かう。ジョーは金曜の死体がすり替えられた事に気付き、直ちに処置センターに向かう。間もなく木曜らは片目を失った囚われの火曜を見つける。一方、イベントの開始を待つケイマンはオフィスに月曜を呼ぶと、人類が自滅の道を歩む失敗した種族だが、月曜の献金と自らの当選によって歩みを止められるのだと説き、契約書へのサインを迫る。木曜はカレンの姿を装ってイベント会場へ潜入する。火曜とエイドリアンはサーバー室に侵入する。そこへジョー率いる部隊が駆け付ける。エイドリアンはこれに応戦する。木曜はトイレで月曜と遭遇する。月曜はアパートから持ち出した拳銃を構え、自分だけがカレンだと説く。イベントが始まり、ケイマンはスピーチの為に登壇する。火曜は会場のスクリーンのジャックを企てる。ジョーは火曜の企てを察知し、会場に向かう。

月曜は自らがずっと忠実であり、家族を守る為に犠牲を払ってきたのだと主張する。木曜はそのせいで姉妹が死んだのだと反論する。月曜はエイドリアンに恋をして全てが変わり、ケイマンに利用される嵌めになり、姉妹が死んだのは想定外だった事を明かすと、カレンは自分だけのものであり、残りの姉妹はおまけだと強弁する。木曜は月曜と拳銃を奪い合う闘争を始める。エイドリアンは部隊を排除する。ケイマンは自らの実績を誇り、条件を満たせば第二子も可能となるように法の改革を目指すなどと訴える。木曜は月曜を銃撃で退けて会場へ向かう。火曜はクライオスリープの焼却の実態をスクリーンに映し出し、会場の支援者らはCABの真実を目の当たりにする。茫然自失したケイマンは、激昂して木曜に掴みかかる。そこに血塗れの月曜が現れ、ケイマンに拳銃を構える。ジョーは月曜を銃撃する。そこへエイドリアンが駆けつけ、ジョーを射殺する。木曜らは月曜に駆け寄る。月曜は腹に宿る子供を守って欲しいと哀願して息絶える。

その後、暴動の拡大により児童分配法は廃止され、収容中の子供らは解放される。ケイマンは死刑判決を下されながら尚、自らの正当性を主張し、希望は消えたと嘯く。火曜、木曜、エイドリアンは新生児室の人工母胎で育つ月曜の双子を見守る。火曜は新たにテリーを名乗り、木曜はカレンの名を継ぐ意向を示す。

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