チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

春こそネガチブ。

4月に入り、新年度らしい光景をチラホラ見かける。特に馴染みのスーパーなどにおける、「研修中 ◯◯」的な名札を付けたバイトさんはその最たるモノで、丁度昨日も近所のロー◯ンで出会したところだ。僕より一回り近く若い、見るからに冴えない感じの青年で、おそらく勤務初日だったのだろう、彼と年端は変わらなそうだがベテランの女子バイトさんが寄り添い、手取り足取り教えてもらっていた。そこへ僕が精算してもらうコトに相成ったワケだが、彼がもう気の毒なくらい手を震わせているのが分かり、非常に居た堪れない思いをした。もちろん最初は誰しも、程度の差こそあれ、そんな感じなのかも知れない。別に彼がどうこうというハナシではなく、僕が対人恐怖や視線恐怖のおかげで、対面式の接客において過去に何度も同じような経験をしてきたが故に、彼の様な青年に昔の自分を投影してしまうのである。

接客に限らず、僕は「見つめられているなぁ」という状態が苦手であり、そういうシチュエーションは非常に堪える。(昔に比べれば随分マイルドにはなったが)その際、実際に見られているか否かは余り問題ではないので、自意識過剰と言えばそれまでかも知れない。以前、勤めていた職場では、僕のデスクの真後ろに上司のデスクが陣取る配置となっており、僕の一挙一動を常に監視される様な状態だった。仕事の進め方に関して、少しでも彼の意向に沿わないと怒声が飛んできて、その都度仕事が止まり、面罵される。それこそ箸の上げ下ろしの様な瑣末なコトまで指摘は及び、息抜きの僅かな休憩すら憚られるようになった。始業から終業までそんな風に過ごしていると、職場に仕事をしに行っているのか、彼に怒られに行っているのか、いよいよ分からなくなり、僕は退職した。実に情けないハナシなのだが、あのままだと僕はアイツをどうにかしていたかも知れない。少なくともあの時はそんな感情を抱いていたのは確かで、退職したコトは後悔していない。以来時々、夢にアイツが出てきて随分と悩ましい思いをしたが、最近はそんなコトもなくなった。ようやく解放されたのだろうか。

なんかそんな愚にもつかないコトを連々と考えさせられた新人バイト君の震えだった。およそ春らしからぬネガチブぶりを発揮してみたわい。フヒヒ。

 

映画鑑賞記

ラッセ・ハルストレム監督作「砂漠でサーモン・フィッシング」("Salmon Fishing in the Yemen" : 2011)

砂漠に鮭が遡上できる様な川を作るという、大プロジェクトの任を受けた男と女の奮闘を描くドラマ。といっても、まぁ恋愛映画ですわ。イエメンの大富豪シャイフは、5千万ポンドという巨額資金を投じて、砂漠で鮭釣りができるような環境を作るというプロジェクトを、英国コンサルのタルボット(エミリー・ブラント)に依頼する。タルボットにより打診を受けた水産学者のジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)は、荒唐無稽な計画だと一蹴するも、半ば強引に担当させられることに。一方、英国政府は、アフガニスタン戦争で悪化した対イスラム圏とのイメージを改善しようとしていた折に、そのプロジェクトの存在を察知、これを好機と捉え利用を目論むと。大富豪シャイフは強突張りな感じではなく、思慮深い優男な印象で、それがためにジョーンズもプロジェクトに乗り気になるワケです。ときに、ジョーンズは妻との関係が冷え込んでおり、またタルボットは恋人を失いかけていたところで、そんな二人が寝食を共にしていたら、そりゃ芽生えますわな、恋心。いや、知らんけど(笑)プロジェクトの帰趨も、二人の恋の行方も、一難去ってまた一難って感じのおハナシで、マッタリ楽しめます。

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