今朝は今シーズン一番の冷え込みになったらしいが、ゴミ出しの日では無かったので外には出ず、実際にどの程度冷え込んだのか分からない。軽く風邪っぽい諸症状が出てきたので、昨夜は少しだけ早く眠りに就いた。6時間以上眠ったのに、今朝、朝食を摂り、マッサンを観終わると、どうにも抗しがたい睡魔に再び襲われ、倒れ込むように横になり目覚めた時にはもう正午前だった。結局10時間以上眠ったのだが、まだ睡魔が晴れない。起き抜けに眠気を吹き飛ばそうとアクビと同時に奇声を発してしまった・・・様な気がする。隣人Xにはキ印染みて聞こえたことだろう。
さて衆院選は来週公示の予定だが、昨日の昼間、諸用で外をほっつき歩いていたら、もう選挙カーが街中を走り回っているのを見かけた。公示前だと活動が限定されるらしいが、党単位としての戦いは当地でも始まっている様だ。それにしても、立候補者などがよく口にする「お訴え」とかいう言葉はなんとかならないだろうか。この「お訴え」を耳にする度に、なんだかとても残念な気持ちにさせられる。どれだけ高邁な政治信念と具体性に富んだ政権公約を熱弁されても、この「お訴え」が登場した段階でまるで台無しである。
いつから「お訴え」が使われ始めたのか分からない。「お訴え」には日本語として違和感を禁じ得ないばかりか、語感としてもおバカさが際立って仕方ないのだが、若者言葉ならともかく、それなりの学歴や肩書を携えた一角の人物が、当然の様に使用しているのはどういう了見なのだろう。そりゃ僕だって自分の日本語が完璧だなどとは到底言えないし、大多数の有権者はひょっとしたら「お訴え」に肯定的かも知れないから、揚足取りですらないかも知れない。しかし僕は、公然と「お訴え」してくる候補者には、一票を投じない事をここにお訴えさせていただきたいのでひとつヨロシク。
映画鑑賞記
スティーヴン・ナイト監督作「ハミングバード」("Hummingbird" : 2013)
脱走兵として世捨て人の様に生きていた男が、親友の女の復讐を果たす為に克己するクライム・サスペンス作品。
アフガニスタンで特殊部隊の任務に就いていたジョゼフ(ジェイソン・ステイサム)は、部下を失った事の義憤に駆られる余り、軍法違反の殺人を犯してしまう。軍法会議に掛けられる前に収容施設から脱走したジョゼフは、ロンドンのホームレス街に身を寄せ、世捨て人同然の生活をしていた。戦争ストレスに苛まれ、酒浸りのジョゼフと共に生活し、癒しの存在となっていたのが、ドーンという若い娼婦だった。ある夜、ホームレスの集まりがゴロツキ達に襲撃される。反抗したジョゼフは逃れる途中、ある高級なアパートの一室に押し入り、身を潜める。家主が長期間部屋を空けている事を知ったジョゼフは、人生を取り戻す足掛かりを得るべく、身分を偽りその部屋で生活を始める。中国人の闇組織に便利屋として雇われたジョゼフは、犯罪行為に手を染めながら、大金を手にしていく。ある時、ジョゼフは襲撃の夜以来消息を絶っていたドナが、何者かに殺害された事を知らされる。ジョゼフは犯人を探し出し、復讐する為に動き出すのだった。
ジェイソン・ステイサムの主演作にしては、アクションシーンは控えめというかほとんど無く、それどころか結構鬱々とした悲哀に満ちた内容のサスペンス。軍で殺人兵器の様に扱われ続け、戦争ストレスを抱えた脱走兵が、手配中の身となり、身を潜めるようにホームレス生活していたのに、見知らぬアパートの留守宅に押し入った挙句、何食わぬ顔で生活を始めちゃう。その部屋ってのがいかにもブルジョワって感じなワケですな。部屋の主が数ヶ月帰ってこないのを良いことに、高級な服やら車やら使い放題。中華料理屋でバイトしていたら、ひょんな事から腕を買われ、中国人の闇組織にヨゴレ仕事代行として雇われると。元特殊部隊兵だから当然腕っぷしは確かで、あれよあれよとカネを稼いでいく。んで、離婚した妻と娘に恩返し、生活を共にしたホームレス達に恩返し、世話になった修道女に恩返し。そうこうしている内に、脱走後のジョゼフの拠り所となっていたドナが殺された事を知り、怒りに燃える彼は再度殺人兵器として復讐を誓うと。何故軍法会議に掛けられているのか、彼が犯した軍法違反が何なのかは終盤になるまで明らかにされないから、今ひとつ感情移入できずにモヤモヤするし、勝手に他人様の部屋で生活始めて、いきなりやる気が出ちゃう辺りに必然性を感じ取れないのだけど、この絶妙なニュアンスがイギリス映画なのかしら。