チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

シグナル

ウィリアム・ユーバンク監督作「シグナル」("The Signal" : 2014)[DVD]

ハッカーを突き止めた先でアブダクトされ、謎の施設に監禁された少年達が脱出を図る様を描くSFスリラー作品。

MITの学生、ニック、ジョナ、ヘイリーの3人は、ヘイリーのCIT転入に伴い、車で寄り道をしながらカリフォルニアを目指す。筋ジストロフィーの進行により両足が不自由なニックは、ヘイリーの重荷になる事を拒み、旅の途中で別れを切り出す機会を覗う。

道中のモーテルで深夜、MITのシステムに侵入したハッカーNOMADノーマッド)から、ニックにメッセージが届く。ニック達はノーマッドと疑われた挙句、退学の恐れもあった事から、正体を暴くと返信し、ノーマッドを挑発する。その直後、ノーマッドはヘイリーのPCカメラをハッキングして見せる。ニックとジョナはメッセージの経路を辿り、発信元のIPアドレスを特定し、ノーマッドの潜伏先がネバダ州にあり、奇しくもカリフォルニアへの通り道だと判明する。道中、ノーマッドは3人の車を道路の監視カメラで撮った画像を送りつけてくる。ニックは挑発されていると感じながらも、ノーマッドの追跡に消極的で、ヘイリーを送り届ける事を優先する意向を示す。

ヘイリーはニックの素っ気ない態度から、異変を察知し、ニックに問い質す。ニックはいずれ車椅子生活を余儀なくされる事に触れ、ヘイリーに振られる事を恐れており、引き留める資格が無いと告げる。ヘイリーはニックから貰ったペンダントを崖から投げ捨てる。

ニックはノーマッドの追跡を決意し、ヘイリーも同行を決める。深夜、3人はノーマッドの潜伏先と思しき、人里離れた荒野に佇む廃屋に辿り着く。ヘイリーを車内に残し、ニックとジョナは屋内に侵入する。荒れ果てた部屋を抜け、地下室に降りた2人は、そこで場違いなサーバーラックを発見する。その時、ヘイリーの叫び声が聞こえ、2人が車に戻ると、ヘイリーが宙に浮き、アブダクトされる様子を目の当たりにする。その途端、ニックは意識が途絶える。

謎の施設で目を覚ましたニックは、防護服を纏った職員に車椅子で搬送される。施設の代表と思しきデイモンがニックの前に現れ、尋問を始める。デイモンはニックの身に何が起きたか解明したいと告げ、シグナルに初めて遭遇したのがいつか尋ねる。困惑するニックに、デイモンは地球外生命体と接触した可能性を告げ、エイリアンによる汚染から防護する必要性を説く。ニックが鼻血を出した事で尋問は中断され、再び個室へ隔離される。

通路を搬送中、ニックは施設内の部屋を観察し、その一室のベッドで眠るヘイリーを発見する。デイモンはヘイリーに心配が無い事を告げ、ニックに協力を請う。デイモンの尋問は続き、シグナルとの遭遇についてネット上でのノーマッドとの接触を挙げる。デイモンは廃屋でニック達が撮ったビデオを再生し、そこにエイリアンが映り込んでいる事を提示する。

個室の通風孔からジョナの声が聞こえ、ニックはジョナの無事を知るが、ジョナは体の不調を訴える。それ以降もニックに対する尋問とテストは続き、うんざりしたニックはヘイリーに会わせないと応じないと突っぱねる。デイモンはニックをヘイリーの部屋まで連れて行くと、ヘイリーが昏睡状態から回復次第、会わせると約束する。

ニックは食料として与えられたクラッカーを粉々にし、部屋の暗証キーに振りかけ、配列を探ろうと企む。通風孔越しのジョナは、自分達が感染者で、施設が感染拡大を防ごうとしているのだと主張する。ニックはジョナに協力を求め、暗証の配列が判明する。ジョナは腕の感覚が無いと告げる。

施設内での実験中、収容者が脱走し、緊急事態が生じる。その後、ニックは通路に生じた異形の傷跡を発見する。尋問中、ニックは施設が政府の助成金で時代遅れの研究を行っているのだとデイモンを詰る。デイモンはジョナが施設に収容されていた事は無いと告げる。その直後、ニックは部屋から脱出し、ヘイリーをベッドに乗せたまま運び出し、施設からの脱走を図る。しかし、出口のキーパッドに手が届かず、職員に取り押さえられる。

目覚めたニックは、自分の足が人工物とは異なる義足に取り替えられている事を知り、驚愕する。パニックに陥るニックに、デイモンは特異な状況で驚かせたくなかったと宥める。ニックは強力な義足でドアを蹴破ると、ヘイリーと共に再び脱走を図り、エレベーターに乗り込む。そこへデイモンが駆け付け、治療に手一杯で足の事を伝えられなかったと打ち明け、地上が非常に危険であり、自分だけが彼らから守ってやれると告げる。

ニックはヘイリーと共に、エレベーターの着いた先のトンネルを抜け、荒野に出る。そこへ老婦の運転する車が通りがかり、2人の同乗を快諾する。ニックは意味不明な言動に終始する老婦に困惑する。老婦にバーの前で降ろしてもらうと、ニックはヘイリーを外に待たせ、助けを求めるべく電話をかけに行くが、不通である事が分かる。ニュース番組では、感染者が医療研究施設から逃走し、発見次第通報する様に報じられる。

外に出たニックは、ヘイリーがトラックで攫われた事を察知すると、義足の力でトラックに追いつき、止めようとする。隙を見てヘイリーが運転手の男から銃を奪うと、トラックを止めさせる。2人はトラックを奪って逃走する。一方、デイモンは老婦を確保すると、尋問の末に感染者と判断し殺す。

ニックとヘイリーは通ってきたはずの道路が断絶している事を知り、無人のビジターセンターに身を寄せる。夜、2人はセンター内で防護服を纏ったジョナと遭遇する。その頃、デイモンはトラックの運転手を発見し、感染者と判断すると射殺する。

ニックはヘイリーの背中にインプラントの痕跡を発見する。ジョナは互いに刻印されているタトゥー"2.3.5.41"を見る様にニックに促すと、それがエリア全体のID番号で、2+3+5+41=エリア51だと主張する。更にジョナは自分達が実験台であり、体の中を何かが蝕んでいる様な違和感を訴えると、義手に換えられた両腕を見せる。

翌日、3人はトラックで一本道を走行中、検問で強制的に停止させられる。ジョナは警備員から銃を奪うと、詰め所に逃げ込むが、義手ではPCを扱えない事を悟る。その時、グレネードが打ち込まれ、ジョナは外に出たところを銃撃され、致命傷を負う。ニックはジョナを救出するが、ジョナは身を挺してトラックの車止めを破壊し、ニックとヘイリーを逃走させると、義手の強大な力で警備員達を退ける。

トラックが鉄橋に差し掛かると、デイモンが警備員達と共に待ち受けており、トラックは横転させられ、2人は負傷する。ヘイリーは捨てずに持っていたペンダントをニックに手渡し、ヘリで搬送されていく。デイモンは追っても無駄だとニックに諭し、ニックが人間の精神とエイリアンの技術の完璧な融合体だと告げる。その時、ニックはDAMON=NOMADだと気付く。デイモンはニックを呼び寄せた事を認めるが、自分を探していたのはニック自身だと告げ、探しものが見つかったかと尋ねる。ニックは義足の能力を最大限に発揮し、超高速で橋を渡り、ヘイリーの行方を追い始める。その時、ニックはガラスを突き破り、別の空間に抜け出る。デイモンは自らがサイボーグである事をニックに明かす。ニックはエイリアンの宇宙船の中におり、まさに今、巨大な母船に着艦しようとしている事を知る。

 

 

ツタヤだけ作品にありがちな低予算系SFで、可もなく不可もなくといった出来。結局のところ、何がどうしてどうなったのかがよく分からない様なストーリーで、あるいは意図的にそういう作りにしているのかも知れないが、作品からテーマ性が感じ取れない。ニックの脚が義足に取り換えられていたのは、確かにサプライズだが、そのために取ってつけた様に障害を持たせたとしたら萎える。翻ってジョナの両手が義手に取り換えられているのもイミフ過ぎる。とは言え、他であまり見たことが無い造形だったのは面白かった。義手や義足が遥か未来のテクノロジーの様に見えて、施設は現代よりもレガシーな感じでそのアンバランスさに戸惑う。そもそもエイリアンの目的が分からないし、デイモンの立ち位置もどうにでも解釈できてこれまた良く分からないし、いろいろとフワッとしすぎ。雰囲気だけを堪能する作品かな。

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