チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

怪獣大戦争

本多猪四郎監督作「怪獣大戦争」(1965)[DVD]

怪獣達を利用して地球を植民地化せんとする、敵性異星人の企てを阻止すべく、連合宇宙局が人智を結集して奮闘する様を描く怪獣作品。

 

地球にどこからともなく怪電波が届く様になり物議を醸す。期せずして、中央天文台により木星に13番目の衛星となるX星が発見され、怪電波の発信源の可能性が示唆される。地球連合宇宙局WSAは、宇宙船P1号により二名のパイロット、富士とグレンを派遣する事でX星の調査に乗り出す。一方、発明家の鳥井は強烈な不協和音を鳴り響かせる小型護身器レディ・ガードを開発するが、買い手が付かずに失意に暮れる。そんな折、鳥井は教育玩具の製作販売で世界に販路を持つという、世界教育社から契約の申し入れを受ける。鳥井は富士の妹で、WSAに勤める恋人ハルノを同伴し、世界教育社の波川との面談に応じ、5000万円を製品化と同時に支払うという条件で契約を交わす。ハルノはレディ・ガードにそれほどの値打ちがあるのか疑義を呈すが、鳥井はハルノとの交際に否定的な富士を見返そうと意気込む。

程なく、P1号は岩山、砂漠、そして水らしき場所を有したX星に到達する。富士は地表が摂氏15度という、太陽からの距離では考えられない温度を訝る。二人が地表に降下して間もなく、大気が無いにも関わらず雷鳴が轟く。富士は旗を立てに行った先の丘で、人の物と思しき足跡を発見し、グレンに無線で報せる。しかし、グレンはP1号と共に忽然と姿を消す。その直後に地中から円筒状のポッドが現れ、X星人と称する人物の声が、富士に危険が迫っており、グレンもP1号も保護している事を明かし、すぐに中に避難する様に強要する。銃を奪われた富士はやむを得ずそれに応じ、地下施設に案内され、グレンと再会する。そこに数名のX星人が現れ、長である統制官は二人に歓迎の意を示し、相談がある事を明かす。その時、X星人が怪物ゼロと称するキングギドラが地表に出現し、怪光線で手当たり次第に襲撃を始める。統制官はギドラのせいでX星人は地表に住む事ができず、地中に隠れている事、総力を尽くしたが敵わない為に過ぎ去るのを待つしか無い事を明かす。ギドラの攻撃により、居住区の一角と酸化水素工場が破壊された事が伝えられた途端、富士とグレンのみ音声が遮蔽され、二人はその真意を図りかねる。

程なく、ギドラが去ると、統制官はギドラを倒す為に、ゴジララドンの借受を要請する。富士達は二体がどこにいて、どうやって宇宙を運ぶのか見当も付かずに困惑する。統制官はゴジラが明神湖、ラドンが鷲ヶ沢にいる事を把握しており、X星人の地球での行動を認めてくれさえすればいいと説くと、協力への見返りとしてガンの特効薬を提供する事を提案する。富士達は要請の応諾に尽力する事を約束し、P1号で帰途に就く。地球では、極めて高度な文明を有するX星人が存在し、彼らが友好関係を求めてきているという報せが、不治の病の根絶への期待も含めて、驚きと共に歓迎をもって受け止められる。また、明神湖と鷲ヶ沢には早速調査団が派遣される。一方、鳥井はレディ・ガードの製品化が企画検討止まりで遅々として進展しない事から、世界教育社に波川を訪ねる。しかし、波川が出張中で不在と知ると、鳥井は社長に会わせる様に求める。社長は製品の設計図を処分し、鳥井を追っ払う様に部下に命じる。

帰還した富士は、鳥井、ハルノと面談し、グレンが同席する。富士は鳥井がハルノを任せるには頼りなく、不適格だと指摘する。間もなく、グレンは待ち合わせをしていた波川を車に乗せて走り去る。鳥井は波川が嘘を付いていた事に憤慨する。富士は自分を納得させるだけの物が無ければ、鳥井とハルノの結婚に反対する意向を示す。鳥井は波川を捕まえて、製品化に漕ぎ着けようと意気込みを新たにする。

明神湖湖底で放射能が検出され、ゴジラの存在が確実視される。その直後、グレンは富士を明神湖の傍へ連れ出す。グレンは波川とドライブした後でバンガローに泊まった際、夢か現か、統制官に会い、準備は完了している、つまらない事は忘れよと告げられた事を明かす。二人はX星人が地球に何らかの野心を抱いており、それが水の欠乏に関わるのでは無いかと推測する。二人はバンガローへ向かおうとするが、湖に張り込んでいる調査団に制止される。程なく、湖の中から三機の円盤が出現する。

夜が明け、WSAを主導する桜井博士らが駆け付けると、一機の円盤が着陸し、統制官率いるX星人が地球に降り立ち、両者は会談に臨む。X星人は厚意の礼を述べ、地球人との友情を希望する。桜井は信頼と理解が必要だと説くと、要請への応諾を前に、湖底に潜んでいた事を非難する。統制官はそれを詫びながらも、X星人の到着が遅れていたら、目覚めたゴジララドンによりどんな被害がもたらされたかも知れないと説く。その後、輸送機と称する二機の円盤が、ゴジラを湖底から、ラドンを岩盤の中から電磁波で引き上げ、搬送の準備が整う。富士とグレン、更に桜井が、約束通りにデータを受領すべく、円盤に同乗してX星に赴く事が決まる。出発直前、波川はグレンを引き止め、すぐに自分と結婚すべきだと請う。グレンは戻り次第、結婚する事を波川に約束し、地球を発つ。鳥井は波川と接触を図るべく、後をつける。

統制官は宇宙船の運航を含む、X星人の決断の全てが、脳波による電子計算機に基づく事を明かす。三機の円盤は休眠状態のゴジララドンを連れて地球を離れ、光速の10分の1でX星へと向かう。一方、明神湖に浮かぶ目倉島に位置するバンガローに戻った波川は、世界教育社の社長により、統制官の命令に反し、グレンと必要以上に親密な関係を結んでいる事を叱責される。世界教育社はX星人の地球基地であり、バンガローはその拠点だったのである。鳥井はバンガローを突き止めると、侵入を企てるが、X星人に未然に察知され、罠に嵌まる。

円盤がX星に到着し、富士達は地下の司令室に招かれる。統制官は酸化水素の吸収作業を部下に指示すると、水が黄金より貴重だと富士達に説く。そこへギドラが再び襲来する。統制官はゴジララドンを覚醒させ、その思惑通りに二体はギドラと闘争を始める。二体の連携によってギドラの撃退に成功するが、その最中に富士とグレンは手掛かりを探るべく、密かに司令室を抜け出す。間もなく、統制官がそれを察知すると、富士達はエレベーターに逃げ込み、大量に金鉱が蓄えられた一室に辿り着く。そこに波川と瓜二つの女が二人現れ、グレンは当惑する。富士達は駆け付けたX星人に捕らえられ、統制官の元へ連行される。富士達は水が黄金より貴重だという意味が分かった事を明かすが、統制官はそれが欠乏という意味では無く、簡単に手に入ると説き、また、X星人の女を同一の美しい容姿で統一している事を示唆する。統制官は、本来規律に則って富士とグレンを罰するところを、国賓と招待している手前、不問に処す意向を示す。統制官は、ガン特効薬のデータを収めたテープを手渡すと共に、忠実に複製したP1号を提供し、富士達に地球への帰還を促す。富士達はゴジララドンを置き去りにする事に一抹の後ろめたさを感じながらも、帰途に就く。一方、鳥井はX星人の地球基地内の檻に囚われる。ハルノは鳥井が消息を絶った理由を探る為に、波川の元を訪ねるが、波川は関与を否定する。統制官は基地の代表に計画を実行に移す様に指示を下す。

程なく、富士達は地球に帰還し、早速データを再生する運びとなる。一同が固唾を呑んで見守る中、音声が再生されると、統制官は地球全員への命令と称して、地球がX星の植民地となる様に要求し、従わねば人類を抹殺すると脅迫する。その一報が伝わるや否や、世界各地では未曾有の大混乱に陥る。その最中、バンガローを訪ねたグレンは、そこでX星人の姿をした波川と再会する。波川は統制官の指令に従い、グレンの監視役を続ける内に、グレンが電子計算機を外れた存在となった事を明かす。グレンは波川を連れ出そうとするが、波川はグレンがX星人となり、自分と結婚する以外に、計算機上では助かる方法が無いと説く。グレンは機械に支配されたままでは幸福などありえず、地球人は良心に従って自由を守る為に最後まで戦うと主張すると、宇宙を平和にする為にも、二人が幸せになる為にも戦いを止めさせるべきだと翻意を促す。波川は自分が地球人にはなれず、もう遅いのだと嘆く。そこに基地代表が現れ、グレンの連行を部下に命じる。波川はそれを制止しようとし、その際にグレンのジャケットにメモを忍ばせる。代表は光線銃で波川を消滅させると、X星人は計算機によって示された行動以外、恋愛も結婚も許されず、それを破れば抹殺されるのが法律だと説く。

米国にギドラ出現との一報を受け、防衛会議では防衛軍が水爆を撃ち尽くしてでも最後の抵抗を試みるべきとの意向が示される。程なく、WSA本部に統制官の乗った円盤が飛来し、襲撃を始める。統制官は、地球人が命令に対して返答しなかった為に拒否と判断し、地球制圧の為にギドラを東半球に配置した事、怪獣達を電磁波でコントロールしており、ゴジララドンも同様に操れる事を明かすと、最後のチャンスと称して、怪獣達に指令を送るまで24時間の猶予を与える。桜井は窮余の策として、電磁波を中断しうる、研究途上のAサイクル光線の開発を富士に命じる。一方、グレンは鳥井と同じ檻に囚われ、そこが完全防音の仕組みになっている事を知る。また、代表は統制官の指令を受け、地球植民地挺身隊を掃討隊へと改組すると、抵抗する地球人を一人残らず抹殺する様に部下に命じ、その開始時刻を20時間後と告げる。

期限が刻一刻と迫り、日本当局は攻撃か降伏かの選択を迫られる。桜井はゴジララドンを取り返す策の存在を明かすと、富士に完成したばかりのAサイクル光線射出装置の準備を始めさせる。一方、鳥井はグレンがジャケットから落としたメモを見つける。その中で、自らが抹殺される事を悟った波川は、X星人がある種の音に非常に弱いという盲点を明かす。鳥井はX星人がレディ・ガードを買った目的をその不協和音に見出すと、持参したレディ・ガードで早速、不協和音を発生させる。見張りのX星人達がたちまち悲鳴を上げて苦悶し始め、不協和音の効果が実証されると、グレン達は鍵を奪ってバンガローを脱出し、船着場に向かう。代表からその報せを受けた円盤上の統制官は、光線で船を爆破する。グレン達は爆破で死んだ様に見せかける事で、首尾良く島を脱出する。

期限まで残すところ5時間となり、統制官は全て計算機通りに進展している事を確認する。一方、WSAに戻ったグレンと鳥井は、レディ・ガードの音響を電波に乗せ、拡大して放出すれば、X星人を撃退しうる事を伝える。富士はAサイクル光線の装置の、グレンと鳥井は音響装置の準備作業に取り掛かる。

統制官は計算機から異常の報せを受けると、直ちに地球への攻撃開始命令を下す。覚醒したゴジララドンは、円盤に操られるままに街を破壊し始める。至急、Aサイクル光線照射装置を搭載した第一次車両隊が派遣され、特車部隊がこれを援護するが、ゴジララドンの前に壊滅させられる。それを受け、富士は第二次車両隊をグレン達の音響装置が完成するまで退避させる。統制官はゴジララドンに加えてギドラも呼び寄せ、破壊の限りを尽くす。

グレン達は不協和音を収めたテープをラジオ局に持ち込み、緊急放送を通じて各戸に最大音量で鳴らす様に要請する。不協和音は直ちにX星人と円盤に作用し、異常を来たし始める。続いて音響射出装置が円盤を、特車隊が地球基地を攻撃する。更にAサイクル光線が円盤の電磁波を遮断し、怪獣達がコントロールから解放される。地球基地は壊滅し、統制官を含む全ての円盤が爆発する。ゴジララドンは協力し、ギドラを海中に引きずり込む。ギドラは退散し、ゴジララドンは姿を消した事で、地球は危機を脱して平和を取り戻す。桜井は富士とグレンに、もう一度X星に飛び、徹底的に調査してくる様に命じる。

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