チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

地球防衛軍

本多猪四郎監督作「地球防衛軍」(1957)[DVD]

故郷の星を失い、地球侵略を目論む異星人を撃滅すべく、人類が地球防衛軍を組織し、総力を挙げて戦いに挑む様を描くSF特撮作品。

 

科学者の渥美は、友人で天体物理学者の白石とその妹の江津子、白石の恋人の広子と共に、東京から富士の田舎村で催される盆踊りに訪れる。渥美はどこか気もそぞろな白石に、急に広子との婚約解消を言い始めた理由を問い質す。白石は誰とも結婚せず、しばらくその村で暮らす意向を示す。その時、村からほど近い山腹で火事が発生する。白石は渥美らを残して一人で現場へ向かう。地元の消防団は、自然現象とは思えぬ激しい火の勢いに為す術無く退散する。

翌日、渥美は天体物理学の権威で白石を良く知る安達博士の研究所を訪ねると、白石から預かった「ミステロイドの研究」と題された報告書を手渡す。安達は、火星と土星の間に存在する小さな星の群れが、昔は一つの大きな遊星だったというのが白石の持論であり、白石がそれを「ミステロイド」と呼んでいていた事を明かすと、白石にしては珍しく報告書が途中で投げ出したままになっている事を指摘する。その時、渥美は東京の大学から、白石がいる村に大きな山崩れが起きたとの報せを受ける。安達の下で働く広子は白石の身を案じる。

渥美は早速、警察に随行して一部落に壊滅的な被害をもたらした山崩れの現場を訪ねる。隊員は昨日まであったはずの放射能の反応が消えている事に気付く。渥美は現場の状況から白石の生存を絶望視する。渥美はその足で山火事の跡を見に行く。道中、渥美は川上から大量の魚の死骸が流れてくるのを目の当たりにする。更に山道から高熱と放射能反応が確認される。その時、傍の山腹からモグラ然とした怪獣が出現する。怪獣は警察官らの銃撃を物ともせず、口から発する光線で車を破壊する。渥美らはその場から離脱し、警察署に逃げ帰る。

夜、怪獣は山麓の町に接近する。渥美は旅館に江津子を迎えに行く。怪獣は見境なく町の破壊を始める。渥美と江津子は住民らと退避し、町外れにある防御線の鉄橋を渡る。急遽出動した防衛隊は、対岸から通常兵器で迎え撃つが、怪獣はそれを物ともせずに侵攻を続ける。渥美はその最中に、上空を飛行する三機の円盤を目撃する。防衛隊は鉄橋に仕掛けた爆弾で怪獣の撃滅に成功する。

翌日、渥美は国会に赴き、山火事、山崩れ、怪獣のいずれも人工的である事が明らかであり、爆破された怪獣の破片を分析した結果、それが地球外の合金であり、怪獣がロボットだと判明した事を報せる。一方、安達は望遠鏡により、月の裏側を行き交う円盤の姿を観測する。安達は白石の報告書にある通り、月から人工衛星人工衛星から地球へ何者かが往復していると推定する。渥美は昨夜円盤を見た事を明かす。安達は直ちに報告書を世界に公表する。

翌日、安達と渥美は他の研究者を率いて、白石が円盤の発着場と考えた湖へ視察に訪れる。間もなく、湖の傍の地中からドームが出現する。ドームの主は無用な争いを避けるよう促すと、安達、渥美を含むその場にいる五名の科学者を指名し、会談を要求する。安達はそれに同意し、ドームの中へ向かう。防衛隊は攻撃態勢にて待機する。スーツとマスクを着用した人型の異星人ミステリアンの総統は五人を歓迎する。総統はロボットによる襲撃について、理屈抜きで攻撃してくる人類との戦争を避ける為の小さな犠牲に過ぎず、こちらの科学力を示す事で戦う事の愚かさを知ってもらいたかったのだと主張する。総統は自分達がミステロイドこと第五遊星からやってきた事、その星は10万年前に同志の大原子兵器戦争で壊滅したものの、その直前に祖先の一部が脱出して火星に移った事、人類の石器時代に既に水爆を保有している事を明かすと、人類が水爆を使えば水爆で応戦すると脅し、防衛隊に攻撃を止めさせるよう求める。更に総統は、ドームを中心に半径三キロの土地と地球人との結婚の自由を要求する。総統はその理由として、ミステリアンの肉体がストロンチウム90に汚染されており、生まれる子の80%が異常児である事を明かし、人口増加を図り、優秀な子孫を残す為に地球人との結婚が必要だと説く。総統は江津子、広子を含む五人の女を指名して要求し、その二人以外は既に入手済みである事を明かすと、会談を一方的に打ち切る。

安達は防衛庁を訪ね、長官にミステリアンの要求について報せる。長官は要求を却下すると、緊急ミステリアン防衛対策を発令する。間もなく、防衛隊が富士山麓に集結する。渥美は広子の家を訪ね、広子と江津子にミステリアンの要求について伝える。その時、テレビの電波がジャックされ、白石がドームの中から話しかけてくる。白石は人類の科学はミステリアンのそれにまるで及ばず、結果は自明だと説くと、渥美に防衛隊の攻撃を中止させるよう促す。渥美は直ちに防衛庁に安達を訪ね、白石のメッセージを伝える。間もなく、防衛隊は陸と空からドームに対して総攻撃を開始する。ミステリアンはドームから発する強力な光線と、円盤による攻撃で応戦し、防衛隊を容易く壊滅に追いやる。ミステリアンは人類に無謀な戦いを中止するよう勧告する。

防衛隊司令はドームへの対抗策を模索する。隊長は若手が目下開発中の兵器、電子砲の存在を明かす。安達は会見に臨み、ミステリアンが地球に移住する見通しが付き次第、大挙して押し寄せるはずだと説き、世界が一丸となってミステリアンに対処すべきだと訴える。一方、ミステリアンの総統は、同志となった白石に建設中の地下要塞の全貌を見せると、完成すれば東日本が意のままになると意気込む。白石はそこで総統に騙されていた事に気付く。

程なく、国連から二人の博士が防衛庁にやってくる。二人はかつて世界宇宙物理学会議で白石と会った事を明かす。渥美はテレビで白石を呼び出し、二人と会話させる。白石はミステリアンの目的の一つが、人類が原水爆で地球を破壊するのを防ぐ事にあり、また上空42000キロを飛んでいる宇宙ステーションからいつでも世界中の都市に円盤を送る事ができ、既に制空権を握っている事を明かすと、地球を支配するのは人間でもミステリアンでもなく科学だと説く。それを受け、二人の博士は主戦論を示し、直ちに地球防衛軍が組織される。

地球防衛軍本部に各国から集った要人らは、ミステリアンの弱点分析を始める。ドームには機動性が無く、発せられる光線は遠距離で効果が薄れ、またミステリアンの肉体は熱に対する抵抗力に乏しい点に鑑み、彼らの弱点を突く強力な熱線を用いた作戦の実行命令が下される。渥美はドームを望める坑道から防衛隊と共に作戦の様子を窺う。防衛軍の爆撃機二機は、上空3000メートルからドームに対して高熱の爆撃を開始する。ドームが光線で一機を撃墜すると、もう一機は帰投する。司令はドームの光線を撥ね返す術を模索する中、電子砲が既に完成しており、あとは飛行機に搭載する術を検討する段階にある事を知り、準備を急がせる。

ミステリアンは半径120キロの土地占領と、その範囲に侵入した者を実力で排除する意向を人類に通告する。地球防衛軍では原水爆の使用が検討されるが、安達はそれを批判し、退ける。そこへ国連の博士が光線の対抗策として、MF(マーカライト・ファープ)なる兵器の使用を提案する。直径200メートルのレンズでドームの光線を反射すると同時に、中心から熱線を反射するMFは有効射程が1.5キロであり、いかにして搬送するかの検討が始められる。一方、広子の家に円盤でミステリアンが襲来し、警備の目を盗んで広子と江津子を連れ去る。

地球防衛軍は要塞の完成を阻止すべく、電子砲の爆撃機への搭載準備を待たずして、MFのみで攻撃を始める決断を下す。それを受け、120キロ圏内の都市の住民は一斉に避難を開始する。安達は人類の為に広子達の犠牲が避けられぬ見通しを示すが、渥美は先に坑道に訪れた際に要塞に通じる洞窟を見つけていた事から、広子達を救うべく、単身要塞へ向かう。三機のMFは上空からドームの周辺に投下されると、熱線を放射しながら接敵する。渥美は洞窟から要塞に侵入する。一方、白石は監禁されている女達を要塞から連れ出すべく誘導する。

MFは首尾よくドームを追い詰め始めるが、やがて出力の限界に近づく。ミステリアンは即時攻撃中止しなければ報復すると通告するが、地球防衛軍は地球外退去を条件に課す。ミステリアンはそれに応じず、ドームの傍の湖から洪水を起こし、麓の村を襲撃する。渥美はミステリアンから奪った銃で要塞内の破壊を始めるが、間もなく駆けつけたミステリアンに捕らえられる。ミステリアンに扮した白石は、要塞内のパニックに乗じて渥美を洞窟で待たせている広子達の元へ連れて行く。白石は渥美に女達を連れて逃げるよう促し、また完成した報告書の続きを安達に渡すよう請うと、自らは要塞に留まる意向を示す。白石は要塞が完成するとボタンひとつで東京が灰になる事を明かし、要塞に戻っていく。その際に白石は、高度な科学も使用を誤ると悲惨な結果を招くという、ミステリアンの悲劇を教訓にし、人類はそれを繰り返してはならないと渥美らに訴える。

ミステリアンは新たなロボットを地中からMFに接近させ、熱線を阻止する。その時、電子砲を搭載した爆撃機が上空に到達し、ドームに攻撃を開始する。白石は内部から要塞を破壊する。ミステリアンは要塞の壊滅直前に、円盤で要塞を離脱する。爆撃機はその内の数機を撃墜するが、逃れた円盤は宇宙ステーションに逃げ果せる。宇宙ステーションは地球軌道から遠ざかっていく。安達はミステリアンが永遠に宇宙の放浪者であり、人類は同じ轍を踏んではならないと説く。

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