チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

野蛮なやつら/SAVAGES

オリバー・ストーン監督作「野蛮なやつら/SAVAGES」("Savages" : 2012)[BD]

米国で大麻事業を成功に導いた二人の青年が、メキシコの麻薬組織に目を付けられ、血で血を洗う抗争に巻き込まれていく様を描くクライム・スリラー作品。

 

十代の頃から親友同士の深い絆で結ばれた二人の青年チョンとベン。元傭兵の肉体派チョンはイラクアフガニスタンの戦地から大金を手にして帰国する一方、頭脳派ベンはバークレー大学で経済学と植物学を専攻し、卒業する。その後、チョンがアフガニスタンから持ち帰った最高級の大麻種子を元手に、二人はカリフォルニア州ラグーナビーチに会社を起こし、大麻の製造拠点を作る。二人は世界一の品質を誇る大麻を製造し、州内外に流通する事で、多くの顧客の支持を取り付け、開始から6年でビジネスを急成長させる。ベンは人に危害を加えないという方針を立て、犯罪組織とは一線を画す一方、会社の収益をアフリカやアジアに設立した慈善組織に振り向け、人道支援を行う。チョンはベンの意向を尊重し、厄介事からベンを庇護する。そんな二人が深く愛し、等しく共有する女オフィーリア、通称Oは、二人の安らぎとして欠かせない存在であり、三人は濃密な同棲生活を続けている。

ある日、メキシコのバハ・カルテルがチョン達に、7人の独立系麻薬組織を惨殺した映像を送りつけると共に、取引の提案を持ちかけてくる。ベンは取引に応じ、事業を譲渡して撤退すべきだと主張するが、チョンは相手が恐怖心を嗅ぎ付け、襲ってくる野蛮人だと説き、退く事を拒む。ベンは降伏は敗北では無いと説き、変化を受け入れるべきだとチョンを諭す。

チョン達は買収して庇護を依頼しているDEA捜査官デニスに、カルテル側の狙いを尋ねる。デニスはチョン達の扱う大麻が圧倒的に高品質である事が狙いだと指摘すると、近い将来、政府が大麻を合法化する見立てを示し、取引に応じる様に促す。ベンはデニスの末期がんの妻に医療用大麻を提供しており、容体を慮る。

チョン達はホテルの一室でバハ・カルテルの北米地域を取り仕切るアレックスと面会する。アレックスはカルテルと事業提携し、カルテルが有する国際的な販路、広大な土地と労働力を利用する事で、チョン達の事業が飛躍的に拡大すると共に、安全の保証やマネロン、保険やローンが利用できるというメリットを説き、カルテルがチョン達から製造方法や流通経路を学ぶ三年間は利益の八割をチョン達に回す意向を示す。ベンはチョンの反対を押し切り、事業をカルテルに譲渡し、足を洗う意向をアレックスに示す。アレックスは考え直す様に強く促し、24時間の猶予をチョン達に与える。

チョン達は期限までに会社を畳んで、海外へと行方をくらますべく、懇意にしている元大手投資銀行のブローカーのスピンに、当面1年分の活動資金100万ドルをマネロンの上、確保する様に依頼すると、Oを交えてレストランで最後の晩餐に興じる。バハ・カルテルのボス、エレナの側近で、冷酷無比、残虐非道な実働役ラドは、チョン達の行動を監視し、逃走するつもりだと悟ると、ティファナに居を構えるエレナにそれを報告し、二人を殺すべきだと進言する。エレナはチョン達の販売網と知識が必要だと説き、Oに目をつける。

翌日、Oは最後のショッピングへ繰り出す。チョン達は会社を撤収する準備を済ませると、アレックスに連絡し、提案を受けると欺く。Oの帰りを待つチョン達の元に、カルテルからOが拉致され、人質に取られている映像が送信される。ベンは提案を受ける意向を示す。エレナはチョンにカルテルを侮辱した罰として口に銃を咥えさせ、引き金に手を当てる様に脅した後、カルテルへの無条件の服従を強いると、Oの命と引き換えに、チュラビスタまで大麻を150キロ分、五時間以内に届ける様に命じる。チョン達は栽培工場でありったけの大麻をかき集めると、チュラビスタへと向かう。Oは劣悪な施設で監禁される。

チョン達は期限ぎりぎりで指定された場所へ到着すると、大麻を引き渡し、代金と携帯を受け取る。エレナは三年間の業務提携を要求すると共に、Oを一年間預かる意向を示し、提携に問題が生じ次第、Oが悲惨な死に方をすると脅迫する。ベンは金で解決する事をチョンに提案するが、チョンはカルテルは決して取引に応じないと説く。Oは母が自分の失踪を知れば、継父が勤める当局に報せて大騒ぎになると説き、母に生きている事を連絡させる様にカルテルに請う。

ラグーナビーチに戻ったチョン達はデニスを呼び出すと、買収と不正蓄財について暴露すると脅し、カルテルの情報を開示する様に要求する。デニスは難色を示しながらも、かつてエレナの後ろ盾だったエル・アズールが、メキシコ大統領選に出馬する為に手を切った後、バハ・カルテルで一斉検挙を行い、エレナの大麻を押収した事で、捌く大麻も金も減る一方であり、それ故、チョン達に接触してきたのだと説く。ベンはエレナの弱点について問い質す。デニスはエレナの夫と兄弟、更に双子の息子と娘が死亡しており、息子だけが無事という事以外は知らないと明かす。ベンはカルテルの幹部や取引先について収録された捜査資料を要求するが、デニスはデータベースが厳重な監視システムで守られている為に侵入は不可能だと説く。業を煮やしたチョンは、デニスの掌をナイフで刺して脅迫する。それに屈したデニスは、密かにカルテルのデータを不正取得し、チョン達に提供する。データはチョン達の会社のIT部門によって解析され、カルテルの保有する農地や不動産の数々が明らかになる。

チョン達はOの身代金として1000万ドルを支払い、事業を共同体制で行う意向をエレナに伝える。エレナは身代金を1300万ドルに吊り上げ、二週間の猶予を二人に与える。チョン達はデータからアレックスの管轄下にある現金の集積所の位置を把握し、大金を強奪する計画を企てる。Oはヨーロッパを気ままに旅行している体裁を装って、母に無事を連絡させられる。

チョン達は元海軍特殊部隊の用心棒ドク、サム、ビリーと共に、素性を隠す為の覆面とイラク仕込みの重武装を施し、集積所を襲撃して現金を強奪するが、必要な額に200~300万ドル足りない事が判明する。程なく、ラドとアレックスが現場に駆け付ける。アレックスはエル・アズールが元軍人を雇っている事からその関与を疑うが、ラドはチョン達の関与を疑い、証拠を得るまでエレナに伏せる意向を示す。Oは大麻の禁断症状を起こし、エレナに大麻を哀願する。エレナは、カリフォルニアで気ままに学生生活を送る娘マグダと同じ年頃のOに情が湧き、大麻を手配する意向を示す。

ベンはカルテルに呼び出され、アレックス、ラドらと面会する。ベンは集積所が襲撃された件について白を切り、身内を疑うべきだと主張すると、Oが生存する証拠を要求する。それを受け、アレックスはベン達が襲撃に関与していないと推察する。ラドはOをドラッグで昏睡させると、その間にOを陵辱する。

エレナはカリフォルニアに赴く意向をマグダに伝えると、直ちに米国へ密入国し、居留地内の拠点に着く。Oは拠点に連行され、エレナと対面する。エレナはOの拘束を続けながらも好待遇する一方、襲撃の件を伏せていた廉でラドを激しく叱責する。ラドはチョン達の関与を指摘するが、エレナは二人がOを危険に晒す事はしないと説き、最大の敵はエル・アズールだと主張する。エレナは奪われた300万ドルの弁済をラド、アレックスらに要求すると共に、集積所の所在をエル・アズールに教えた裏切り者を見つけ出す様に厳命する。その後、エレナはOを夕食に同席させると、夫が殺されて仕方なくその立場を継いだ事、残った息子と娘を支えにしているものの、息子からは恨まれ、娘からは恥じられている事を明かす。

チョン達は疑いを逸らすべく、スピンの協力を得て、アレックスが裏切り行為を働き、それで得た報酬を秘密口座に蓄財している証拠を捏造する。一方、ラドはティファナでエル・アズールと秘密裏に接触する。エル・アズールはラドと手を組み、ティファナで出直しを図る意向を示し、両者は意気投合する。程なく、ベンもまたティファナにラドを訪ね、調査の結果と称して。アレックスの裏切りを示す捏造証拠を提示する。

ラドはベン達が嵌めようとしていると察するが、その報告を受けたエレナはアレックスをムチ打ちの拷問にかけさせ、ベンとチョンをその場に立ち会わせる。アレックスはエレナとマグダの名の下に命乞いするが、ラドは認めないと家族を惨殺すると脅す。アレックスは已む無く、エル・アズールに連絡した事を認める。オンラインでその様子を見守るエレナは、裏切りを報告した当事者のベンにアレックスを始末させる様に命じる。ラドはアレックスにガソリンをかけた後、ベンに火を放つ様に強要し、ベンはそれに従う。

ベンは罪の意識に苛まれるが、アレックスがマグダの名を口にした事から、デニスの話が嘘であり、マグダが生存している事が判明する。チョン達はマグダを誘拐し、Oと交換する計画を企てる。一方、ラドはデニスが二人の娘と暮らす自宅に押しかけ、カルテルの情報をチョン達に流した事について追求する。デニスはあくまでラドの味方だと主張し、エル・アズールの関与を指摘して白を切るが、ラドがエル・アズールと結託している事を知ると、チョン達にラド以外の情報を渡した事を認める。ラドはカルテルから奪われた300万ドルの弁済をデニスに要求する。そこでデニスは一計を案じ、チョン達が300万ドルをエレナに渡そうとしている事から、マグダをチョン達に売り飛ばしてその金を山分けし、エレナを見捨てる事を提案し、ラドと思惑が一致する。

その後、チョン達はデニスと会い、マグダの居場所を明かす見返りに100万ドル支払う意向を示し、妻を諦めて娘二人を連れて逃げる様に促す。デニスはそれに満足せず、手切れ金として300万ドルを要求する。チョン達は更に裏切り者の名を明かす様に求め、交渉は成立する。

チョン達はアパートにいたマグダを拉致すると、エレナに連絡し、Oとの交換と提携の中止を要求する。チョン達はエレナ一人で指定場所に来る様に命じ、マグダを救いたい一心のエレナはそれに応じる。ラドはOを連れ出すが、その際に昏睡時のレイプを撮った映像をOに見せる。一方、デニスは病臥の妻の元へ赴き、警察学校を卒業して以来、泥沼に浸かってきた半生を述懐する。

チョン達はマグダを連れ、エレナはラドと共にOを連れ、指定された居留地内の荒れ地で落ち合う。両者は互いに狙撃手を配置し、牽制しあう。両者が無事に人質を交換すると、エレナは去り際に裏切り者の名をチョン達に問い質す。チョンはそれがラドだと明かす。エレナは振り向きざまにラドに撃たれる。チョンがラドに発砲したのを機に、双方の狙撃手による銃撃戦が始まる。チョンとベンはラドを取り囲んで銃撃し、重傷を負わせるが、ラドの反撃を受けてベンが致命傷を負う。Oは命乞いするラドに止めを刺すと、ベンの元に駆け寄る。チョンは持参した薬物を投与してベンを安楽死させると、悲嘆するOと自らにも薬物を投与して心中を図る。

という展開になると思いきや、現実はそうならず、人質の交換を前にラドはエレナを置き去りにして逃走する。そこへデニスがDEAの部隊を率いてヘリで颯爽と現れる。エレナはマグダを逃した後、逮捕される。デニスはバハ・カルテル解体の大手柄を上げ、エレナは罪状を認めて30年の刑に服す事になる。デニスが陰で協力し、ラドとエル・アズールは新カルテルのアズラドを立ち上げる。一方、デニスはチョンとベンを秘密情報提供者と証言する事で互いの立場を守り、チョン達は二週間の投獄の後、Oと共に姿を消す。三人は異国の漁村に身を寄せ、原始的な生活を楽しむ。

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