チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり

ベン・パーマー監督作「マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり」("Man Up" : 2015)[DVD]

中年の男女が人違いで始まったデートを通して、衝突を繰り返しながらも、やがて互いを理解し、恋に落ちていく様を描くロマンチック・コメディ作品。

 

34歳独身ジャーナリストのナンシーは、良い出会いを求めて、友人の催す婚約披露パーティに参加するが、そこで友人に紹介されたのは37歳の冴えない男で、進展を望むべくもなくデートを終える。翌朝、ナンシーは両親の結婚40周年パーティでスピーチを行うべく、ロンドン行きの列車に乗る。予てからナンシーに出会いが無い事を心配する姉エレインは、ナンシーに連絡を入れ、パーティの報告を受ける。ナンシーは列車が工事で目的地に止まらない為に遅れる事を伝える。ナンシーの向かいで相席する事になったジェシカは、ナンシーの会話を聞くと、人生を変える本と謳う「60億人とあなた」を提示し、読む様に促す。ジェシカはその本に基づき、成功を願って何でも試してみるべきであり、希望の無い人生は死だと説くと、共通の友人により紹介された男と、本を目印にして落ち合い、デートする予定を明かす。しかし、ナンシーは皮肉屋でマイナス思考な持論を展開し、ジェシカは呆れる。

寝入ったナンシーは終点で目を覚ますと、ジェシカが「マイナス思考で人生を台無しにしている」という章に印を付けて本を置いていった事に気付き、文句を言うためにジェシカの後を追う。その最中、ジェシカと会う為に待っていたジャックが姿を現す。お調子者のジャックは本を持っているナンシーをジェシカと誤解し、デートに誘う。ナンシーはジャックに好感を抱き、誤解を解かぬま、ジェシカのふりをして誘いに応じる。二人が去った後、駅の書店で新たに本を買い求めたジェシカは、一人待ちぼうけする。エレインはナンシーに再び連絡し、ジャックが代わりに出た事に不安を募らせる。

ジャックは40歳でオンラインマーケティングを営んでおり、絵描きを希望している事を明かす。ナンシーはジャックの話から、ジェシカがシティ勤務の24歳でトライアスロンに挑戦している事を知ると、苦慮しながらも適当に話を合わせる。ジャックは信頼できる友人の紹介を受けてデートに臨んだ事と共に、最近になって離縁した事を明かす。

二人はバーに入り、酒を飲み交わす内に意気投合する。ナンシーは本当の事を打ち明けようとするが、ジャックが好意を示した事で気を良くし、機を逸する。次に二人はボウリングに興じ、更に親密になる。ナンシーはそこで従業員として働く、かつての同級生ショーンと遭遇する。当時からナンシーに強烈な好意を寄せていたショーンは、思わぬナンシーとの再会を甚く喜ぶが、ナンシーがジャックにジェシカと呼ばれている理由を訝る。ナンシーは事情を説明すると、順調なデートの邪魔をしない様に請う。ショーンは黙っている見返りとしてフェラか手コキを要求する。ナンシーがそれを拒むと、ショーンはキスを要求し、ナンシーは已む無く応じる意向を示す。

その後、ナンシーはトイレで待ち伏せていたショーンに捕まり、キスを強要される。そこへ心配したジャックが駆け付け、その様子を目の当たりにする。ジャックはナンシーがショーンに未練があると誤解して落胆する。そこでショーンはナンシーが本名だと暴露し、ナンシーは已む無く全てを白状する。ナンシーは出会いを求めており、衝動に駆られただけだと弁解すると、ジャックはジェシカとは合わないと主張する。ジャックが気分を害して帰ろうとすると、ナンシーは24歳に拘るジャックを詰る。ジャックはそれが子供が欲しい34歳女の僻みだと罵るが、ナンシーはジャックが妻に捨てられて若い女にすがっているのだと応酬する。二人は啀み合いの末に、その場で別れようとするが、ジャックがバーにバッグを置き忘れてきた事に気付く。バッグにはバーで交換したナンシーのノートが入っており、その中にはスピーチ原稿をしたためてある事から、二人はバーに戻る。

ナンシーは負け犬を卒業する意を決し、色気を醸し出してジャックに対峙すると、デートが順調過ぎた為に人違いを言い出せなかったのだと弁解する。そこへ、ジャックがジェシカを連れて会う算段だった元妻ヒラリーとパートナーのエドが現れる。ジャックは咄嗟にナンシーを恋人と紹介し、ヒラリー達に一緒に飲む様に勧める。ジャックはナンシーに借りがあると説き、ケジメをつける為に付き合う様に求める。ナンシーはジャックとのセックスの相性がいかに良く、交際が順調かをアピールすると、離婚の理由はすれ違いでは無いと主張する。ジャックはヒラリーに求められていた、サイン済みの離婚届を手渡す。ナンシーは振られる方は後悔せずに済み、浮気をしたヒラリーに責任が伸し掛かるのだと諭す。ジャックは婚約に大金を投じ、妻一筋だった事を明かすが、ナンシーはそれが結局無意味だったと主張する。ジャックはナンシーが皮肉屋だと詰るが、ナンシーはジャックが夢を見過ぎだと応じる。ジャックはナンシーが高みの見物で持論ばかり展開していながら、勝負をせず、他人の結婚を非難している事を責めると、独身の中年男としてやっていく意向を示してトイレに篭る。

ナンシーはトイレで悄気るジャックに対し、自分は恋愛が上手く続かない為にポジティブさを失い、何でも分析し過ぎた末に判断を間違えてしまうのだと明かす。ジャックはヒラリーが新たな人生を歩んで幸せそうにしているのに対し、自分は未練たらたらで前に進んでいない事を嘆く。ナンシーはそれを否定し、愛情に対する未練に過ぎないと説く。ナンシーは6年間付き合っていた男に突然別れを切り出され、それ以後4年もフリーでいる事を明かすと、ジャックの心がパズルの様にバラバラなだけだと説き、端っこの青いピースから探す様に促す。ジャックはナンシーの協力を得てヒラリーにケジメを付けた後、バーを後にする。

夜10時を回り、ナンシーは実家に向かうべく、ジャックと共に再び駅を訪ねると、ジャックを誘おうとする。その時、ジャックはジェシカから電話とメールがたくさん来ていた事に気付き、ジェシカと会うべきか否か、ナンシーに意見を求める。ナンシーは意に反してジェシカと会う様に勧めると、その場でジャックと別れ、列車に乗る。

ジャックは改めてジェシカと会い、デートに臨むが、いかにナンシーとの相性が一致していたか気付くと、ジェシカに心の内を打ち明ける。ジェシカはジャックの気持ちに理解を示し、ナンシーに会いに行く様に促す。ジャックはナンシーの実家の住所をショーンに聞くべく、再びボウリング場を訪ねる。ショーンはジャックの要望に応じて、車で案内を買って出る。

一方、ナンシーはパーティの佳境で実家に到着する。ナンシーは家族の前で、素直になれずに意中の相手を誘えなかった事を嘆く。そこへショーンがやってくる。家族はショーンがその相手だと誤解し、喜んで招き入れる。その頃、ジャックはショーンに欺かれ、若者達が乱痴気パーティに興じる家に辿り着く。ジャックはナンシーについて彼らに尋ね、かつてナンシーに子守をしてもらっていたという少年と出会う。ジャックはその少年の案内でナンシーの実家を目指す。

ナンシーは集まった親族の前で、スピーチの代わりにその日起こった出来事の一部始終を打ち明けると、両親と姉夫妻の幸せを祝う。そこにジャックが駆け付け、一同の前でナンシーへの真摯な気持ちを伝えると、ナンシーこそが青いピースだと説く。二人は「60億人とあなた」に基づき、互いに過去を捨て去る事を決意する。結ばれた二人を皆が祝福する中、ショーンはその場から退散する。

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