チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

デビル・インサイド

ウィリアム・ブレント・ベル監督作「デビル・インサイド」("The Devil Inside" : 2012)[BD]

悪魔祓いを受けている最中に聖職者3人を殺した母に関する真相を知る為、娘が司祭の協力を得て、母に対する悪魔の憑依の可能性を探る様を描くファウンド・フッテージ型スーパーナチュラル・ホラー作品。

 

1989年10月30日の夜、サウス・ハートフォード内の住宅で、マリア・ロッシが2人の司祭と尼僧を惨殺し、自ら警察に通報する。駆け付けた警察は屋内で3人の遺体と、隠れていたマリアを発見する。事件から2年後、心神喪失を認められたマリアは無罪が確定し、イタリアのセントリノ精神科病院に収容される。事件からおよそ20年後、イザベラは父からマリアが悪魔祓いを受けている最中に3人を襲った事を聞く。父はその3日後に死去する。イザベラはマリアに何が起こったのか、その真相を探る為、ドキュメンタリー作品を手がける映画監督マイケルと共に、事件に関する取材を開始する。イザベラは事件についてローマ司教区に問い合わせるが、司教区はマリアに対する悪魔祓いについて否定する。イザベラはイタリアに赴き、マリアに会う決意をする。

2009年11月。イザベラはマイケルと共にローマに到着すると、ローマ使徒アカデミーを訪ね、公式エクソシストとして教鞭を執る神父ガロの講義に参加し、憑依と精神障害の判別に関する議論を聴く。講義の後、イザベラは聴講者達と交流し、講義は理論だけで実際の悪魔祓いは行わない事を知る。

数日後、イザベラ達はセントリノ精神科病院を訪ねる。施設責任者のコスタ医師は、現在は解離性同一性障害と診断され、過剰な薬漬けにされてきたマリアが、数年間は暴れる等の激しい発作を起こさなくなっている事を明かし、特異な事例ではありながら、憑依では無く、脳の機能の問題だと説く。イザベラはマリアがイタリアの病院に収容された理由について訝りながらも、厳重な管理下に置かれた病室でマリアと面会する。イザベラは久しく会っていなかった娘だと明かすが、マリアは虚ろな様子で「傷を繋げて」と繰り返し呟いた後、腕や唇に付けた無数の逆十字傷を見せる。更にマリアは自分には娘はいないと告げると、イザベラになぜ子供を殺したのかと問い詰め、それが神の意志に反する事だと囁いた後、突然絶叫する。それを以って、面会は中止される。

イザベラは4年前に中絶した事をマリアに言い当てられて当惑するも、気を取り直すと、聴講後の交流で知り合った神父ベンとデヴィッドに、面会の映像を見てもらうべく、2人が暮らすアパートを訪ねる。司祭で公式エクソシストのベンと、司祭で医師のデヴィッドは、イザベラ達の要請に応諾する。ベンは憑依の4つの基本要素として、異常な怪力、聖なる物への嫌悪、未知の言語や出来事を語る、超自然的な動きを挙げ、マリアに該当しうるのはイザベラの中絶の件だけと指摘する。ベンとデヴィッドは教会が悪魔祓いを拒否した者達に対し、教会に無許可で悪魔祓いを行っている事を明かすと、マリアを救う為には悪魔祓いを真に理解する必要があると説き、イザベラに実際に悪魔祓いを見てみる様に促す。

程なく、イザベラとマイケルはベンとデヴィッドが依頼を受けた女ローザの元へ同行し、ベン達による儀式に立ち会うと同時に一部始終の撮影を決行する。ベンとデヴィッドは、両親により地下室に監禁されたローザをベッドに縛り付けると、心拍、血圧、瞳孔をモニターする装置を準備し、儀式を始める。ローザに憑依した悪魔ベリトは、イザベラの名を言い当てた後、凶暴化すると共に超自然的な挙動を示し、一同を翻弄する。ベン達はローザを総出で押さえつけて儀式をやり遂げ、ローザは落ち着きを取り戻す。

程なく、イザベラはローマ司教区から連絡を受け、無用な干渉がマリアの回復を妨げると釘を差される。ベンは悪魔祓いを行い、マリアの身に起こっているのが憑依か否か確かめるべきだと主張する。デヴィッドは教会に関与を知られ、逮捕された後、職を追われる事を恐れる。イザベラはプライバシーを主張し、医師を退けた上で儀式を行う事を提案する。

後日、ベン達はコスタに時間をもらうと、処置室を借り、マリアに対する儀式を始める。ベンはマリアに呼びかけるが、マリアは眠ったままで、モニターは正常を維持する。ベンとデヴィッドが憑依では無いと判断しかけたその矢先に、マリアは突然絶叫して豹変する。マリアは押さえつけるベンに激しく抵抗し、自分の行為を思い出せと告げると、異言と超自然的な挙動で一同を翻弄する。マリアは自らをアスベエルと称し、ベンを怪力で殴り飛ばし、イザベラを子守唄で洗脳しようとする。ベンは神の名の下にマリアに語りかけ続け、イザベラは悪魔にマリアを解放する様に懇願する。マリアはイザベラに対し、永遠の炎で焼かれると告げた後、落ち着きを取り戻す。

その後、ベンは撮影した映像を分析し、マリアの発した声が4種類で構成されていた事を突き止め、悪魔と弟子による多重憑依だと主張すると、事実を教皇庁に伝える意向を示す。イザベラはマリアの件が片付くまで伝えるのを待つ様に請う。デヴィッドは自分を心配するガロから、正しい判断を手伝うと連絡があった事を明かす。ベンはそれが教会の言いなりだと説き、異議を唱える。その矢先に、デヴィッドが鼻血を流し、頭痛を訴える。ベンはそれが多忙によるストレスだと推察する。

後日、イザベラはコスタにマリアの退院を拒否され、コスタがマリアの回復を信じたくないのだと憤る。次第に4人それぞれの思惑の違いが露見し、関係が悪化する。その最中、デヴィッドが不審な挙動を示す様になる。ベンはマリアに対する儀式中に、映像が一斉に途切れた瞬間について、不可解だと指摘する。程なく、デヴィッドは教会で赤子に対する洗礼を行う事になり、マイケルが撮影に同行する。その最中、デヴィッドは正気を失い、抱き上げた赤子を溺れさせようとする。デヴィッドは居合わせた関係者に取り押さえられた後、アパートに戻り、部屋に篭もる。間もなく、デヴィッドは暴れ始め、その直後に停電する。部屋に押し入ったベン達は、腕を自傷し、眼球に異常を来したデヴィッドを目の当たりにし、その場から退く。そこへ教会からの通報を受けて駆け付けた2人の刑事が突入する。刑事達はベンの危険だという警告を無視して部屋に入るが、デヴィッドの抵抗に遭い、銃を奪われる。デヴィッドは銃口を咥え、一同の前に姿を現す。ベンは操られているのだと諭すが、デヴィッドは神に祈りを捧げた後、「奴がありがとうと言っている」と告げ、頭部を撃ち抜く。その途端、イザベラが発作を起こして倒れ、救急搬送される。

ベンとマイケルは直ちに病院に駆け付ける。ベンはガロに連絡を取り、悪魔が4体おり、転移が発生している事を伝え、助けを求める。看護師はイザベラが落ち着いて眠っている事を明かし、入院を勧めるが、ベンは危険だと警告し、ガロの元へ連れて行く意向を示す。その時、処置室のイザベラが凶暴化し、看護師の一人を殺す。ベン達は異常な挙動を示すイザベラを取り押さえると、鎮静剤を打って病院から連れ出し、車に乗せてガロの元へ向かう。間もなく、イザベラが目覚めると、ベンはイザベラに憑依した悪魔を制圧しようと苦闘する。イザベラが運転するマイケルに襲いかかった途端、マイケルが不調を来す。マイケルは車を暴走させ、対向車に正面衝突させる。ロッシ事件の真相は未解明のままとなる。

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