チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ウルヴァリンの最新作「ローガン」を観てローは「老」と言わんばかりに老いの悲哀を感じた。

昨日は映画館でジェームズ・マンゴールド監督の新作「ローガン」を観てきた。言わずと知れたウルヴァリン・シリーズの最新作であり、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンの最終作でもある。X-MENシリーズのフランチャイズだが、ほとんど独立した作品で、更に前作ともストーリーにおいて直接の繋がりは無いから、本作だけでも楽しめる様にはできている。10年以上先、ある理由でミュータントが絶滅しかかっているディストピア的な時代の米国が舞台で、これまたある理由で不死身の肉体を失いつつある、ウルヴァリンことローガンが、自分と同じ不死身の体とアダマンチウムの爪を宿す少女ローラを、謎の組織から守る為に奮闘するという、そんな話である。同じくジェームズ・マンゴールドが監督した、日本が舞台のケレン味たっぷりな前作と比べると、今作は全体的にハードボイルドなロードムービー的作風で対照的な出来栄えだった。しかし、アクションはバイオレンス路線に振り切っているので、無双っぷりは痛快だった。今回のヴィランは敵の組織が作り出したウルヴァリンのクローンであり、これもヒュー・ジャックマンが演じているのだが、いつもの様に予備知識ゼロで観ていた私は、その登場シーンに度肝を抜かれた。いわば、若々しくて凶暴なヒュー・ジャックマンVS枯れ気味で悲哀に満ちたヒュー・ジャックマンの闘争がスクリーン狭しと繰り広げられるのである。どうやって撮影しているのかは分からないが、VFXを捏ねくり回しているのだろう。一方、組織に作られたローラも、闘争能力を叩き込まれているので、雑魚を一掃する程には強いのだが、ローガンと違って腕だけで無く、足にも爪が備わっているので、折角だからこちらを活用した戦いぶりがもっと観たかった。悲哀と言えば、プロフェッサーXがアルツハイマーを患い、時に発作を起こして能力を制御できなくなる姿が時の流れを感じさせた。なにはともあれ、ウルヴァリンは最期を迎えてしまった。新作が作られるとして、ヒュー・ジャックマン以外に適役がいるのかしら。それにしても、六月~七月は面白そうな作品が立て続けに公開されるから、限られた予算でどれを観に行くべきか悩ましい。

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