チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

リトル・ランボーズ

ガース・ジェニングス監督作「リトル・ランボーズ」("Son of Rambow" : 2007)[DVD]

映画「ランボー」に触発された二人の少年が、テレビ番組に応募する映画の撮影に奮闘しながら、絆を深めていく様を描くコメディ作品。

 

11歳の内向的な小学生ウィルは未亡人の母メアリー、妹ジェス、認知症の祖母と一緒に英国の田舎町に暮らしている。プリマス・ブレザレンの敬虔な信徒であるメアリーは、ウィルとジェスに対しても信仰への参加と、俗世との断絶を強要している。ウィルはその反動から空想癖を宿す様になり、絶えず持ち歩く聖書に色鮮やかな落書きを描いている。一方、ウィルと同学年の問題児リーは、父が生前に家出し、母が家業の老人ホームを放り出して恋人のいるスペインに行ったきりの為、兄ローレンスと二人で暮らしながら、ローレンスの小間使いを担っている。

ある日の授業中、 テレビを観る事が禁じれられているウィルは廊下で自習していると、隣の教室を罰として閉め出されたリーがやってきてノートを取り上げる。ウィルはノートを取り返そうとしてリーと争う内に金魚鉢を割ってしまい、二人は校長室に呼び出しを受ける。リーは罪を被る代わりにウィルの着けている父の形見の腕時計を要求し、さもなくば校長に拷問を受けると脅す。ウィルはそれを真に受け、腕時計をリーに譲ってその場を後にするが、リーもまたその直後に逃げ出す。時を同じくして、学校にフランスからの交換留学生一行が到着し、その中でも奇抜な風貌で容姿端麗なディディエが人気を集める。

リーは脚に拷問を受けた体を装いながら、荷台付き自転車を盗み、早退を企てる。ウィルは自分の代わりに拷問を受けたリーを慮り、代わりに運転を買って出ると、老人ホームに併設されたリーの家の倉庫を訪ねる。リーは腕時計は拷問の代償でしか無いと説き、罪を被って嘘をついた分を要求すると、スクリーンテストという番組に送る映画をローレンスのカメラで密かに作っている事を明かし、ウィルにそのスタントを演じるよう命じる。リーはローレンスに頼まれていた、映画館で盗撮してきたランボーのダビングを始めて倉庫を離れると、ローレンスに誕生日祝いと称して腕時計を贈る。ウィルは初めて観るランボーの勇姿に甚く感銘を受けると、ランボーの息子になって、悪者に囚われた父たるランボーを救出する物語を空想しながら、興奮状態で帰路に着く。

翌日、ウィルはリーに明日の10時に家に来るよう命じられる。ウィルはメアリーからその時間に教会に行くよう命じられるが、友達が事故で大怪我をして手伝う約束をしたと嘘を付き、リーの家を訪ねる。ウィルはランボーの息子になりきり、いろいろなシチュエーションでスタントに挑み、リーはその様子をカメラで撮影する。その翌日もウィルは祈祷会への参加を命じられるが、自ら靴を壊して修理屋に寄っていくと欺く事でリーの撮影に応じる。リーはウィルが絵に描いた「悪者のカカシがランボーを牢屋に閉じ込めており、空飛ぶ番犬が見張っている」というプロットを気に入り、それに従って作品名を「ランボーの息子」と名付け、自らはトラウトマン大佐を演じ、ホームの老人フランクに囚われのランボー役を任せる事で、正式に撮影を開始する。撮影は順調に進行するが、ウィルは川に飛び込むスタントの際に泳げずに溺れる。リーは咄嗟に飛び込んでウィルを救出すると、互いの掌をナイフで切って、傷口を繋ぎ合わせ、血の絆を結ぶ。一方、ウィルとジェスの父親代わりを自認して家族の面倒を見ているプリマス・ブレザレンのジョシュアは、ウィルが嘘をついて祈祷会に来なかったと見抜き、そのままでは家族が不幸になるとウィルに諭すようメアリーに命じ、翌日の信徒会が改心させる良い機会だと説く。メアリーは必ず行かせると約束する。

翌日、ウィルはジョシュアに連れられ信徒会に参加し、リーと交際せぬよう厳命される。一方、リーはスーパーの前に設置された盲導犬募金のオブジェを盗み出し、撮影に備えるが、ウィルがやって来ない為に待ちぼうけを食らう。その翌日、リーは撮影に来なかったウィルを咎める。ウィルは事情を伝え、映画作りに協力できなくなった事を明かす。リーは空飛ぶ犬に仕立て上げたオブジェを披露し、ウィルを喜ばせる。二人は早速オブジェをカイトで上げ、撮影を始めるが、カイトは風に飛ばされて制御不能に陥り、校舎に突っ込んで非常サイレンを鳴らす羽目となる。リーは自分に任せてカメラを片付けるようウィルに命じる。その最中、ウィルの聖書がディディエの子分達に盗まれる。

リーは一週間の停学処分を下される。ウィルはディディエに呼び出される。ディディエは映画スターが夢であり、ウィルの聖書の落書きを甚く気に入った事を明かすと、主役で出演する事を希望し、子分を好きに使うよう促す。ディディエはウルフと称する強力なヒーローに扮し、ランボー探しに協力する役どころを演じる事になり、ウィルはリー抜きで撮影を始める。気を良くしたディディエは高学年が集うコモンルームにウィルを招く。ウィルはこれまで経験した事の無い交流に興じる。一週間後、ウィルは復帰したリーにディディエと撮影している事を明かす。ウィルはリーを連れてコモンルームに行くが、ウィルに反してリーは交流に興味を示さず、不快感を露わにして抜け出す。

夜、メアリーは俗物に傾倒するウィルに対し、自らの子供時代を述懐し、俗世の娯楽を忘れるよう促す。ウィルは二度と教義に背かないと約束するが、その直後に家を抜け出し、撮影に行く。撮影の規模はリーの意図に反して、ディディエの子分達を交えて大所帯となる。リーは本番中にカカシを倒す為に振り回した棒をディディエにぶつけ、気絶させる。ウィルはそれに反発するが、リーは自分の映画だと主張する。明け方、ウィルが帰宅すると、リーが謝りにやってくる。ウィルはメアリーに気付かれる事を恐れる。リーは二人だけで撮影する事を希望するが、ウィルは自分の映画を最終日にぶち壊したリーを非難する。リーは憤慨し、ウィルに贈る為に持参した小包を投げつけるが、ウィルはそのまま投げ返す。メアリーはウィルがリーと交際している事に気付くと、ジョシュアを呼んで、数日間、ウィルを家から連れ出してもらおうと企てる。駆け付けたジョシュアは家族が恥をかくと説き、一緒に来るようウィルに命じるが、ウィルは信仰を真っ向から拒絶して逃げ出す。

その後、ウィルはディディエとその取り巻き達と一緒に発電所の敷地で最後の撮影を始める。リーは自分の出番がディディエに奪われた事に気分を害し、カメラを引き揚げる意向を示す。ウィルはリーが血の絆を反故にした事を詰る。リーはそれに反発し、ウィルを突き飛ばす。ディディエの取り巻き達は一斉にリーを非難し、石を投げつける。ウィルもそれに加わり、ローレンスの事を悪罵して石を投げつける。リーはその石が当たって顔を負傷し、カメラを置いたまま逃げ出す。ウィルはディディエの運転する車に乗って撮影を始める。その直後、ディディエが運転を誤った為に、ウィルはタールが溜まった槽に投げ出され、更に廃材が落下する。ディディエ達は一目散に逃げ出す。そこへリーが戻ってきてウィルを救い出す。リーは自分の事は何と言っても良いが、いつも傍にいてくれる兄の悪口は言う事は許さず、ウィルは裏切り者であり、自分には兄しかいないのだと泣きながら訴える。ウィルがカメラを返す為にその場を離れた途端、設備が倒壊し、リーを直撃する。リーは大怪我を負って病院に搬送される。

ジョシュアはプリマス・ブレザレンからの最後の警告として、ウィルが改心しなければ一家を破門する意向をメアリーに伝える。ウィルは全てが自分のせいだと悲嘆する。メアリーはウィルを抱き締め、悲しみを分かち合う。ジェスはリーが置いていった小包をウィルに手渡す。程なく、ディディエは交換留学を終えて帰国する。ウィルは入院中のリーを見舞い、謝罪するが、リーは口を噤む。リーは壊れたカメラをローレンスに返す。後日、ジョシュアは改心が見られないウィルの様子を見て、もっと厳しく躾けるようメアリーに促すが、メアリーはそれに反発し、破門を受け入れる。一方、ローレンスは無事だったテープを倉庫で再生し、リーがウィルに訴えた言葉からいかに自分を慕っているかを知る。そこへウィルがやってきて腕時計を返すと、カメラの修理を依頼する。

リーは退院すると、警察官に救急車で「愛のイエントル」が公開中の映画館に連れて行かれる。リーが着座すると、本編前に「ランボウの息子」と題された短編映画が特別に上映される。それはこれまでウィルとリーで撮った素材から編集されており、終盤にローレンスが悪のカカシ役で登場する。カカシはランボウの息子に倒されると、最期の頼みと称して、「心配している、一人にして悪かった、唯一の家族だと、そう弟に伝えてくれ」と告げる。リーはそれを見て感涙する。ウィルとリーが血の絆を結んだシーンで映画が幕を閉じると、観客は万雷の拍手で称賛する。そこへウィルが現れ、松葉杖をつくリーを連れて帰る。リーは人生最高の日だと告げる。

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