チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

グランド・セントラル

レベッカ・ズロトヴスキ監督作「グランド・セントラル」("Grand Central" : 2013)[DVD]

原発作業員として働き始めた青年が、先輩作業員の婚約者と逢瀬を重ねる一方で、被爆による健康被害の不安に苛まれながら、業務を続ける様を描く恋愛ドラマ作品。

 

リヨン出身の青年ギャリーは、これといった学歴や資格などを所持していない事から、工事現場や飲食店などで働いてきたが、人里離れたローヌ川沿いに位置する、フランス電力の原子力発電所内での作業員の仕事に、高給に惹かれて応募する。ギャリーは他の応募者と共に原発を訪ねると、簡単な面談に臨み、作業内容が停止期間に伴う点検の短期労働であり、講習を受ける事で放射線管理区域内で働ける事を知る。ギャリーは同世代のチェルノ、イザックと共に作業員用のキャンプ場を訪ね、ベテラン作業員のジル、トニらのグループの宿舎を借りる。ジルとトニは原発内での作業が極限状態で危険物を扱う仕事であり、常に線量との戦いだと説く。

翌日、ギャリーはジルに金を借りに行くが不在だった為に、隣の宿舎のトニに代わりに借りる。ギャリーは一旦リヨンに戻ると、日頃から面倒をかけている妹に原発で働く事を報せる。妹は体を壊して家族に迷惑をかける事になると非難する。間もなく、キャンプ場の面々が一堂に会して宴会を開く。ギャリーはジルから仕事の概要について教わる。トニの婚約者キャロルは、突然ギャリーに口づけし、それを線量がもたらす影響に擬える。

ギャリーはチェルノ、イザックら共々、身体検査に合格し、放射線業務従事者として正式に採用され、日々の被爆線量を記録する従事者手帳を受け取る。間もなく、ギャリー達は最初の勤務に臨み、ジルから業務の段取りを教わる。ギャリーは現場に出ると、比較的高線量な炉心上部で作業を行うトニを観察する。その後、ギャリーは放射能で汚染された衣服などを収めたコンテナを運ぶ作業に従事し、キャロルが管理区域外のランドリーで働いている事を知る。ギャリー達はその日の勤務を恙なく終える。

給料を得たギャリー達は、早速チェルノの友人から中古車を買う。同時にチェルノは、現場で盗んだ線量計などの備品を売りさばく。キャンプ場への帰り道、ギャリー達はキャロルと同僚ジェラルディンを見つけ、乗せていく。その直後、ギャリーとキャロルは川沿いの茂みでセックスする。後日、ギャリーは作業を続けて得た給料から、トニに借りた金の一部を返しに行き、応対したキャロルにそれを渡す。その際、ギャリーはキャロルがトニに不満を抱いていると察知する。その後、ギャロルは日々の作業に精勤する一方で、度々キャロルとキャンプ場を抜け出し、逢瀬を重ねる。やがて、トニはキャロルの不審な行動に気付き、ギャリーとの関係を疑い始める。

ある時、ギャリーはトニの作業の補助を担当する。トニは誤って防護服の酸素チューブを踏み外してしまい、窒息状態に陥る。ギャリーは咄嗟に自らの手袋を外して、トニの防護服に空気穴を開け、窮地を救う。ギャリーはトニに感謝され、同僚らに英雄視されるが、通常より高い線量を浴びた事で総線量の上限に近づいてしまう。医師はギャリーに、それ以上線量が増えたら今期の作業は終了であり、事実上の失業になると説く。

ギャリーは原発に留まりたい一心で、現場に向かう直前に線量計を隠してから作業に臨む。その一方、ギャリーはキャロルと逢瀬を重ねる。数週間後、妊娠の兆候を感じたキャロルは、医師の診察を受け、七週目だと知らされる。トニは子供が作れない体であり、ギャリーの子供だと確信したキャロルは、直ちに妊娠をギャリーに報せる。ギャリーはそれを喜ぶ。キャロルは知人の老婦にギャリーを夫と紹介し、ギャリーもその気になる。

間もなく、原発内で不慮の事故が起き、ジェラルディンは上限を超える線量を被爆して、退職を余儀なくされる。キャロルはそれを悲しみ、一緒に出ていく意向を示すが、ジェラルディンはそれを拒み、トニとの結婚式に備えて、作りかけのドレスを着て、見せて欲しいと請う。キャロルはそれに応じ、ジェラルディンを喜ばせる。その直後、作業員達の派遣元の上司モラルがキャンプ場にやってきて、ジルの不手際を責める。トニは自分達が非番の時に起きたのだと反論する。モラリはジルに教育を徹底するよう命じる。ジルはモラリから頼まれた労働者を自分がかき集めたのだと反駁する。一方、チェルノはギャリーにキャロルとの密会について問い質し、トニやジルに知られたらクビだと誂う。ギャリーはチェルノの備品持ち出しについて反駁すると、ナイフを突きつけて密会について誰にも知らせぬよう脅す。

キャロルはトニに妊娠を打ち明け、それがトニの為であり、こんなはずでは無かったと弁解すると、トニと結婚する意向を示す。それを受け、トニはキャロルを一生守ると誓う。その夜、ギャリーは二人が宿舎で愛を確かめ合う様子を目の当たりにする。

ギャリーはその後も線量計を外して作業を続ける。ある時、ギャリーは不注意で運んでいたコンテナをひっくり返してしまい、中に入っていた汚染物を傍にいたジルの背中と、自らの脚にかけてしまう。ジルは直ちに除染するが、線量の上限を超えた事で退職を余儀なくされる。宿舎に戻ったジルは励ますトニに対し、妻とは離婚しており、子供には会わせてもらえず、帰る場所もないと嘆息する。

被爆の不安に駆られたギャリーは、キャロルに原発を離れて一緒に暮らす事を提案する。キャロルはそれを拒むと、涙ながらにトニと結婚する意向を伝える。間もなく、ギャリーはモラルに呼び出され、線量について自己申告より測定結果の方が30倍も高い理由を質される。ギャリーは線量計を隠していた事を明かすと、最後まで働きたいと訴えるが、モラルは作業の終了を命じる。その夜、ギャリーはトニに残りの金を返し、帰り際にキャロルとすれ違う。

間もなく、トニとキャロルは結婚し、ジルやジェラルディンら仲間内で祝宴を開く。キャロルは物憂げに過ごす。その夜、ギャリーはキャロルを宿舎から強引に連れ出そうとする。トニはそれを制止する。ギャリーはキャロルが宿しているのは自分の子であり、原発は終わっていると詰る。トニは激昂し、ギャリーを完膚なきまでに痛めつける。

翌日、ギャリーは無断で原発内の作業現場に紛れ込んだ後に吐血し、他の作業員に帰るよう命じられる。キャロルは原発から去ろうとするギャリーを追いかける。その時、原発から危険を知らせるサイレンが鳴り始める。キャロルは恐れを訴えると、ギャリーに近寄り、抱き締める。

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