チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

サスペリアPART2

ダリオ・アルジェント監督作「サスペリアPART2」("Profondo Rosso" : 1975)[DVD]

テレパシストの殺害を目撃したピアニストが、犯人に狙われながらも、真相を解明すべく奔走する様を描くサスペンス作品。

精神病理学教授にして超心理学の権威ジョルダーニが主催する超心理学会で、テレパシストのヘルガによるテレパシーの公開実験が行われる。ヘルガはテレパシーで会場の客の所持品を言い当てた後、会場から強い殺意を感じ取り、その者が既に殺人を犯し、また殺すつもりであると告げる。ヘルガは更に屋敷で子供の歌が聞こえ、血まみれの惨劇が起きた事を伝えた後、永遠にみな忘れるように告げる。その時、何者かが会場を後にする。学会の終わった後、ヘルガは頭に針が刺さる様な痛みを感じたと訴え、更に残酷な声を聞き、子供が一緒にいるという、奇妙な光景だったと打ち明ける。ヘルガはジョルダーニの研究材料となる様に文章に纏め、翌日渡すと約束する。ヘルガは犯人を知っている事を明かし、会場に邪悪な殺意が残っていると恐れを抱く。

その夜、アパートの自室で、ヘルガはどこからともなく流れてくる子供の歌を聞く。その直後に来訪者があり、ヘルガがドアを開けると、その人物は突然包丁でヘルガに襲いかかり、ヘルガの書いた原稿を奪う。その頃、ジャズ・ピアニストのマークは、バーの前で呑んだくれる親友のピアニスト、カルロと遭遇する。カルロはマークとの境遇の差を嘆く。そこへ突然、女の悲鳴が聞こえてくる。その場でカルロと別れたマークは、自宅アパートの階下の部屋で、窓越しに救いを求めるヘルガを発見する。マークはヘルガの部屋に急行するが、既にヘルガは死んでおり、アパートから茶のコートを着た男が立ち去るのを目撃する。

マークは通報で駆けつけた刑事の聴取を受ける。その時、マークは屋内に無数に飾られた絵が、入ってきた時と変化した様な違和感を覚える。そこへ特ダネを追う新聞記者のジャンナが現れ、第一発見者のマークに取材を申し入れる。署に連行され、聴取を終えた後、マークは再びアパート前でカルロと出会う。尚も呑んだくれるカルロに、マークは男を見なかったかと尋ねると、絵が変化した事についても触れ、奇妙な顔が描いてあった事だけ覚えていると伝える。カルロは記憶の混同だと諭す。

翌日、マークはジャンナと共にヘルガの葬儀に立ち会う。ジャンナと意気投合したマークは、絵の変化について話し、ジャンナはマークに取材の協力を要請する。2人はジョルダーニの元へ訪れると、学会でのヘルガと会場の様子を尋ねる。ジョルダーニは何者かが席を立った事を伝える。

マークがカルロの家を訪ねると、応対した母親はカルロが不在だと告げ、行き先がリッチの家だと明かす。マークはその足でリッチの元を訪ね、酔い潰れたカルロを発見する。カルロが自らアル中でゲイだと告白すると、マークは飲み過ぎを窘める。リッチはカルロがいつも以上に酒を飲んでおり、様子がおかしいと指摘すると、眠っている間に魘されていたと明かす。マークはカルロを連れ出すと、事件の夜について改めて尋ねる。カルロは事件にこだわる理由を問い、犯人を刺激しないように諭す。マークはこの事件になぜか惹かれ、更に犯人が挑戦している気がすると打ち明ける。カルロは負けたら命を落とすとマークに釘を刺す。

その夜、ピアノで作業中のマークの部屋に男が侵入し、子供の歌をテープで聞かせる。マークは男の侵入を察知して警戒するが、犯人がマークに接近する直前、ジャンナから電話が入り、マークは咄嗟に助けを求める。犯人は壁越しに「私からは逃げられない」と告げ、殺意を露わにして去る。その直後、マークはアパートから茶のコートを着た男が立ち去るのを目撃する。

翌日、マークは犯人が聞かせた子供の歌のレコードを購入し、ジョルダーニの元へ持参する。ジョルダーニは犯人が精神分裂症で、発作的に殺人を犯していると推理し、過去のトラウマが蘇り、記憶と共に犯行に及ぶのだと説く。透視研究者のバルディは子供の歌に意味があると主張し、ヘルガが屋敷についても言及していた事に触れ、昔読んだ「現代の幽霊伝説」という本に、古い屋敷から子供の歌が聞こえてくるという記述があり、惨劇の可能性が示唆されていた事を伝える。

マークは図書館でその本を発見し、該当する記述のページ横に付された屋敷の写真を破り取る。しかし、屋敷に関する手掛かりは無く、マークは本の著者アマンダに会うことにする。その直後、アマンダ宅に男が侵入し、子供の歌を聞かせた後、アマンダに襲いかかり、浴室の熱湯で窒息させる。男が去った後、アマンダは鏡にダイイングメッセージを残して、絶命する。しかし、窓から風が入り、文字は消える。

その夜、マークはアマンダ宅で死体を発見する。そこへジャンナが駆け付ける。マークはこのままでは犯人に仕立てあげられてしまう事を危惧し、屋敷を見つける必要があるとジャンナに訴えるが、犯人に動きが察知されている事を不安視する。

翌日、マークは屋敷の写真に写っている植物の種を知り、業者を尋ね回って、売った先を調べる。更にジョルダーニと会い、アマンダが指を伸ばして鏡にかざしていた事の意味を問う。マークは植物を手掛かりに屋敷を発見すると、売り主のロディの元を訪ねる。ロディは家主の作家から購入したが、幽霊が出ると噂が立ち、長く空き家のままだと明かす。一方、アマンダ宅を訪ねたジョルダーニは、浴室で隠れたダイイングメッセージの存在を察知し、湯気で浮かび上がらせる。

マークはロディの許可を得て、打ち捨てられた屋敷の中に入り、手掛かりを探す。その最中、物音で人の気配を感じる。マークは屋内の剥げ落ちた壁面の下に隠された絵を発見し、それが殺人の様子を描いた落書きだと知る。その夜、ジョルダーニの自宅に男が侵入し、ジョルダーニは惨殺される。ジャンナからジョルダーニの死を聞いたマークは、犯人に行動を読まれている事に不安を覚え、ジャンナにスペインへの逃避を提案する。ジャンナは快諾し、準備を始める。その直後、マークは屋敷の写真に写っている窓が、実際には無かった事に気付く。マークはジャンナにメモを残し、再び屋敷に戻る。

マークは壁に覆われた窓を掘り起こすと、屋内に埋め込まれた隠し部屋を発見する。マークが部屋の内部にミイラ化した死体を発見した直後、何者かに背後から襲われ、気を失う。目覚めたマークは、炎上する屋敷を目の当たりにし、メモで駆けつけたジャンナに救出された事を知る。マークはジャンナと共にロディの元を訪ね、娘オルガの部屋に屋敷の落書きと同じ絵を発見する。マークが絵についてオルガに問い質すと、オルガは学校の資料室で見つけて描いたと打ち明ける。

マークとジャンナは夜の学校に忍び込み、資料室で元になった絵を探す。その最中、物音を察知したジャンナは警察に通報しに向かう。マークは絵を発見するが、立ち去る何者かの影を見て、ジャンナの身を案じる。探しに向かった先で、マークはナイフで腹部を刺されたジャンナを発見する。絵の署名から犯人が分かったマークが呼びかけると、そこへカルロが現れ、マークに銃を向ける。カルロは関わらぬ様に釘を刺したと告げ、引き金を引こうとするが、そこへ警察が駆け付け、カルロは逃走する。動転したカルロは路上でゴミ収集車に接触し、引きずられ、その挙句、走行してきた車に頭部を轢かれて即死する。

その後、ジャンナが一命を取り留めた事が分かり、マークは安堵する。事件は解決したかの様に思われたが、マークはカルロにはヘルガ殺害が不可能だと気付き、再びヘルガの部屋に侵入する。マークは事件当日に覚えた違和感が、絵では無く、鏡に映った犯人を見ていたからだと気付く。その直後、茶のコートを着たカルロの母親が現れる。母親はカルロが自分を庇っただけだと告げる。その昔、母親は病んだ自分を病院に無理やり入れようとした夫を殺し、その現場を少年だったカルロが目撃していたのであった。母親の襲撃を受け、マークは負傷し追い詰められるが、母親の首にかけたペンダントがエレベーターに巻き込まれ、マークの目の前で母親の頭部は切断される。



 

40年前の名作サスペンスを今更ながらに鑑賞。もちろん存在は知っていたが、なかなか手が伸びなかったところ、発掘良品になっており、丁度良い機会だった。PART2と謳いながら、実際にはサスペリアの続編では無く、サスペリアのヒットにあやかってこんな邦題にしたらしい。というか、正確にはこちらの方が先に制作・公開された作品なのだから、日本の配給会社はなんともいい加減な仕事をするものだ。中身に関してはリマスターされている?せいか、DVDなのに予想以上に画質が良いのに驚いた。もちろん古さは感じるのだが、監督ならではのユニークな演出の数々には目を見張るモノがあるし、殺人シーンなどのここ一番で流れる派手派手な音楽が小気味よくて痛快だった。真犯人はカルロかな、ひょっとしてジャンナもあり得るのかな~って考えてたら、カルロの母だったから意表を突かれた。こういう見せ方も面白い。次の機会にサスペリアを観よう。

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