チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ミッシング ID

ジョン・シングルトン監督作「ミッシング ID」("Abduction" : 2011)[BD]

高校生が自分の両親が本物ではない事を知るや、殺し屋とCIAに追われる事になり、出生の真実に迫るべく奔走する様を描くアクション・スリラー作品。

 

ピッツバーグの住宅街で両親ケヴィン、マーラと共に暮らす高校生のネイサン。やや気性の荒いネイサンは過去にトラブルを起こした事もあり、定期的に分析医ベネットのカウンセリングを受けている。一方、ケヴィンはネイサンに自制を促す為にしばしば肉体的なトレーニングを促している。ネイサンは予てから自分が両親とは他人の様な感覚を抱いている事と、更に、ある部屋で女が男に襲撃を受けて殺される様子をベッドの下で目撃するという夢を何度も見ている事をベネットに相談する。ベネットは思春期特有の状態だと説き、心配しない様にネイサンを諭す。

ネイサンは向かいの家に暮らすクラスメイトで幼馴染のカレンに密かに想いを寄せているが、それを伝えられずにいる。ある日、ネイサンは社会学の授業でカレンとペアを組んでレポートを書くことになり、数年ぶりにカレンを自宅に招く。二人は全米の失踪人に関する調査を始めると、失踪児童の写真を掲載しているサイトを発見する。ネイサンはその中に自分と特徴の良く似ている子供がいる事に気付く。その後、ネイサンはその子が着ているTシャツと同一の物を自宅で発見し、両親が本当の親では無い可能性を疑い始める。ネイサンはその事をカレンに打ち明けると、サイトの運営者に事情を問い合わせるべく、オンラインチャットで連絡を試みる。しかし、そのサイトは謎の組織が仕掛けた罠であり、ニューヨークで受付を騙って応対した男はネイサンの通信経路をトレースし、PCをハッキングする事で、ネイサンの顔写真を撮影すると、それをロンドンにいるボスのコズロフに送信する。ネイサンは相手に不審感を抱くと、やり取りを中断する。

その後、ネイサンは自分が何者なのか疑念を抱き、出生当時の記録を探り始める。翌日、ネイサンは親友のギリーに相談し、両親と一緒に写った家族写真が全く残っていない事を指摘される。ネイサンは帰宅すると、マーラに真実を問い質す。マーラは複雑な事情があると告げ、夫妻で揃って説明をする為にケヴィンを呼びに行く。その時、自宅にコズロフの放った二人の刺客が現れ、マーラに襲いかかる。マーラは応戦するが、射殺される。ネイサンから連絡を受け、やってきたカレンはその様子を目撃し、身を隠す。騒ぎを聞きつけ、駆け付けたネイサンは屋外へ逃走を図る。異変を察知して駆け付けたケヴィンは、刺客の一人を殺し、ネイサンに逃げる様に命じるが、その直後に射殺される。ネイサンはカレンが来る事を思い出し、自宅に戻ると、刺客を撃退してカレンを救出する。ネイサンが刺客に何者か問い質すと、刺客は爆弾を仕掛けた事を打ち明ける。ネイサン達は爆発直前の爆弾を発見すると、プールに逃げ込む。その直後、屋敷は爆発し、全壊する。ネイサンは負傷したカレンを病院へ連れて行く。一方その頃、コズロフが米国へ入国する。

ネイサンは院内から911に通報してこれまでの経緯を伝えるが、電話はCIAのバートンと繋がる。バートンは誰とも接触せず、病院に留まり、CIAの迎えを待つ様にネイサンに命じるが、ネイサンは不審感を抱き、電話を切る。コズロフ一派はその通話を傍受し、病院に急行する。カレンの治療を待つネイサンの前にベネットが現れ、本当の父親の存在を明かすと、ネイサンの逃走の支援を始める。病院にCIAとコズロフ一派が到着すると、ネイサンはベネットの誘導で追跡を巧みに躱し、車で脱出する。

ベネットは自らがマーラやケヴィンと同様のネイサンの保護者だと明かすと、本当の父親マーティンが上司バートンを疑っている事を伝え、バートンを信用せぬ様に命じる。ベネットは味方がマーティンとラズムスだけである事と、バージニア州アーリントンにある非常時の隠れ家の住所を伝え、鍵を手渡すと、そこで接触を待つ様に命じる。ベネットはネイサンとカレンを車から飛び降りさせると、追手を引き付けるべく走り去る。二人は森に逃げ込み、一夜を明かす。

CIAでは、元セルビア情報部員で現・情報ブローカーのコズロフが、10日前にマーティンに奪取された暗号化されたリストを取り返そうと画策しており、そのリストには過去に国家機密を売却していた政治家や情報部員の25人の名前が載っている事が判明する。バートンはCIAで最高クラスの秘密工作員であるマーティンが、ネイサンを絶対に保護する事、コズロフはネイサンとリストの交換を図るであろう事、ベネットが逃走を支援している事を勘案し、事態の収拾に向けて動き始める。

ネイサン達はヒッチハイクで、ベネットに教えられたアパートの一室へ辿り着く。ネイサンは室内で拳銃と逃走用の資金、車の鍵と携帯、更に夢の中に現れた母親ローナの写真を見つけ、そこがマーティンの部屋だと悟る。カレンが無事を伝える為に室内の電話で自宅に連絡すると、CIAのバートンに繋がる。バートンはCIAの他に、危険な人物が二人を追っており、逃げられないと伝える。

ネイサン達はガレージで車を発見すると、ローナの写真に記された住所へ向かう。程なく、二人は霊園に辿り着く。ネイサンはそこでローナの墓を発見し、途方に暮れる。二人は墓に手向けてあった花束の送り主を従業員から聞き出し、それがネブラスカ州オマハにいるラズムスだと判明する。二人はラズムスを訪ねるべく、偽造IDの作成を得意とするギリーに依頼し、オマハ行きの列車のチケットを取る。CIA、コズロフ共にラズムスが検索された事をトレースし、ネイサン達がオマハへ向かう事を感知する。コズロフは列車に刺客を送り込む。

列車が出発すると、食事を取りに行く為に個室から出たカレンを、刺客が捕らえる。刺客はカレンから部屋を聞き出すと、個室に拘束する。ネイサンはカレンの帰りが遅い事を心配し、車内に探しに向かい、刺客と入れ違いになる。戻ったネイサンは刺客と遭遇し、締め出そうとするが、力で圧倒され格闘戦となる。ネイサンは苦戦の末に刺客を倒し、窓を割って車外へ放り出す。拘束を解いたカレンとネイサンが合流すると、程なく列車が緊急停車し、二人はその隙に脱出して森へ逃げ込む。ネイサンはケヴィンとのトレーニングがこの時の為の準備だったと悟る。

森の中を進んだ先で、ネイサン達はバートンが率いる部隊に発見され、確保される。バートンは二人にダイナーで食事を取らせると、ネイサンの素性について明らかにする。ネイサンは、マーティンとローナを訓練したのがベネットである事、ローナが死に、子供を育てる状態に無かったマーティンを慮り、バートンがネイサンの保護を申し出て、マーティンに仕事を続けさせた事を知る。バートンはネイサンが情報を通貨とする洗練された戦争に巻き込まれている事を説き、コズロフがマーティンに盗まれたデータを追っている事を明かす。ネイサンはマーティンの携帯に転送されたデータがそれだと察知する。その時、コズロフ一派が店を警護する部隊を排除し、ネイサン達に急襲をかける。ネイサンとカレンは、バートン達が応戦している隙を見計らって、店から車で逃げ出す。

ネイサンは狙われる原因であるリストを所持している事をカレンに明かし、ベネットに指摘された様にバートンは信用できず、CIAには渡さない意向を伝える。その時、列車の刺客から奪った携帯にコズロフから連絡が来る。コズロフは二人の会話を盗聴していた事を明かし、リストを手渡さなければネイサンの友人とカレンの両親を皆殺しにすると脅す。ネイサンは受け渡し場所に公共の場所を指定する。一方、CIAはコズロフを支援する拠点を突き止め、急襲をかけて制圧する。バートンはネイサンがコズロフと接触を図ろうとしている事を知る。ネイサンは再びギリーに支援を要請し、大リーグのスタジアムVIP席を確保する。

ネイサンがスタジアム入りすると、携帯にマーティンから連絡が入る。マーティンはこれまでのネイサンの対応ぶりを評価しながらも、リストを渡せば殺されると告げ、自分がスタジアムに到着するのを待つ様に命じる。ネイサンは自らケリを付ける意向を伝える。

ネイサンは湧き上がる観客の中でコズロフとVIP席で対面すると、予め座席下に忍ばせておいた銃で身を守ろうと企てる。コズロフはかつてマーティンの居所を吐かせるべく、ローナを手に掛け、その時、ベッドの下の確認を怠り、ネイサンを見過ごした事を明かす。ネイサンは夢で見た犯人の顔とコズロフが符合する。ネイサンは不意を突かれてコズロフに銃を奪われ、リストを要求されると、その場から逃走する。コズロフの追跡を躱しながら、ネイサンはマーティンから再び連絡を受け、駐車場にコズロフを誘き出す様に命じられる。ネイサンはマーティンを信じて、指定の場所までコズロフを誘導し、追い詰められる。その時、遠方の建物からマーティンがコズロフを狙撃し、射殺する。

そこにバートンが駆け付け、ネイサンの身柄と携帯を確保する。バートンは同行した上司にリストの回収を報告すると、解読した後に届けると告げる。しかし、上司は、バートンがリストから真っ先に自分の名を消す為に解読を主張すると、マーティンから連絡を受けており、バートンを連行する。その時、携帯にマーティンから連絡があり、ネイサンが応じる。マーティンは危険に晒した事を詫び、これまでどおり遠くから見守っていると約束する。ネイサンは直接会って話がしたいと請うが、マーティンはこの仕事に危険が伴う事を説き、「父親」ではあるが「父さん」にはなれない事の理解を求める。ネイサンは前方にマーティンらしき姿を目撃するが、途端に見失う。

ネイサンとカレンの前にベネットが現れる。ベネットは高校卒業まで自分と暮らす様にネイサンに提案し、ネイサンは応じる。その後、無人のスタジアムでネイサンとカレンは愛を確かめ合う。

 

 

失踪児童の謎に迫る様な社会派寄りのスリラーを期待したのだが、予想以上薄いストーリーだったなぁ。青年がCIA&殺し屋の追手から逃れながら、自らの出生の謎を探るべく奔走するのは良いとして、その逃避行の最中、好意を寄せる幼馴染と恋仲になっていく展開がヌルい。結局ラブストーリーかよと。テイラー・ロートナーとリリー・コリンズが主役だから、本来はおっさんが見る様な作品じゃなくてデートムービーなんだろうな。シガニー・ウィーバーミカエル・ニクヴィストといった渋目のキャストが出演しているから画的には見応えがあるが、役どころとしてはパッとしなかった。CIAもプロの殺し屋も素人の高校生に翻弄されすぎだし、両親もあっさり死にすぎじゃないか?もっとガチ感が欲しい。

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