チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

僕と世界の方程式

モーガン・マシューズ監督作「僕と世界の方程式」("X+Y" : 2014)[DVD]

優れた数学の才能を有する自閉症の少年が、国際数学オリンピックの英国代表に選出され、台湾で行われる合宿の経験を通じて、困難を乗り越え、成長していく様を描くドラマ作品。

 

英国に住むマイケルとその妻ジュリーは、9歳の息子ネイサンが数字や図形に対する強いこだわりを示すなど、同年代の子と明らかに違っている事から、医師の診断を仰ぎ、ネイサンは自閉症スペクトラムだと判明する。マイケルはネイサンに対し、他の子と違っていても特別な才能があり、たとえ分かり合えなくても愛し合うのをやめてはいけないと諭すなどし、障害を個性だと認め、育むよう努める。ネイサンはマイケルを最大の理解者として慕う。ある朝、ネイサンは通学の為にマイケルの運転する車の助手席に乗るが、出発して間もなく、事故に遭い、マイケルは即死する。それ以後、ネイサンは強い喪失感に苛まれると共に、助手席に乗れなくなる。ジュリーはマイケルの分までネイサンに愛情を注ごうと努力するが、ネイサンは頭が悪いという理由でジュリーを軽んじる。程なく、ネイサンは数学に興味が深すぎる余り、小学校では対応できないと判断され、かつて国際数学オリンピックに出場した高校教師で、多発性硬化症を患うハンフリーズの元で特別授業を受ける運びとなる。ネイサンはそれを機に国際数学オリンピックに強く興味を抱き始める。

ジュリーは神経質で心を開こうとしないネイサンとの関係に苦労しながらも、女手一つでネイサンを育て上げる。ネイサンはハンフリーズの指導を受け続け、高校に進学するが、人付き合いに苦慮する。程なく、ネイサンはオリンピック選抜試験を受験する。その後、ネイサンはハンフリーズにオリンピックで失敗した理由を尋ねる。ネイサンは病気を発症して情熱を失ったのだと答えると、ネイサンは自分とは違うと説き、数学を楽しむ様に促す。一週間後、ハンフリーズはネイサンの家に試験の結果を持参する。ネイサンは選抜メンバーに合格し、台湾で行われる二週間の合宿に参加する事が決まる。ジュリーとハンフリーズは祝杯を上げる。ネイサンは二人の関係に興味を抱く。ジュリーはそれを知ると、孤独を感じており、話し相手が欲しいのだと説く。

ネイサンはかつてハンフリーズとオリンピックに参加した、監督リチャードが率いる英国選抜の個性的な面々と共に、台湾へと出発する。リチャードは代表になれるのは六人だけであり、人数を減らす為の合宿だと説くと、ケンブリッジ大学で開催される今年の大会において、最強の中国を退けてメダルを獲得するよう、選抜メンバー達に檄を飛ばす。ネイサンは選抜メンバー達の能力の高さを知って気後れする。

台風が迫る中、一行は台湾の合宿会場に到着すると、監督デンが率いる中国チームの面々と対面する。両国は二人一組のペアを組む事になり、ネイサンの相手はデンの姪チャンに決まる。人懐こい性格のチャンは寡黙で不器用なネイサンに親身に接する。ネイサンは覚えたての中国語を披露し、チャンの配慮に応える。ネイサンは下宿先で、自己主張が激しく、多弁なルークと相部屋になる。ネイサンはジュリーからの着信を拒否し、ハンフリーズに連絡すると、皆が自分より優秀な事への戸惑いを吐露する。ハンフリーズは自然体を心掛けるようネイサンを励ます。

英国チームと中国チームの合同演習が続く。リチャードは引っ込み思案のネイサンに発破をかけると、ハンフリーズが病気でオリンピックを断念したというは言い訳で、本当は逃げたのだと明かし、ハンフリーズを軽侮する。一方、薬に依存して身持ちを崩すハンフリーズは、医師に薬の増量を請う。医師はそれを拒むと、ハンフリーズにグループセッションへ参加して病の苦しみを分かち合うよう促し、人生を諦めないよう諭す。ネイサンからの連絡を心待ちにするジュリーは居ても立ってもいられず、ネイサンに少しでも近づこうと、ハンフリーズを招いて数学を基礎から教わり始める。

ネイサンは台湾での暮らしに少しずつ順応し始める。ネイサンは英国メンバーのレベッカからピアノを教わる。レベッカはネイサンが見様見真似で上手に弾ける事に驚くと同時に、ネイサンに特別な感情を抱く。一方、ジュリーは数学の勉強でハンフリーズを招く内に親交を深め、成り行きに任せてキスをする。ハンフリーズはジュリーを失望させるのを恐れ、深い関係になるのを拒む。程なく、ハンフリーズは堕落した生活を改める事を決意し、グループセッションに参加して、病の進行に対する恐怖を率直に打ち明ける。

ある時、ルークは英国メンバーのリーダー格のアイザックから、独りよがりで社交性ゼロだと詰られ、疎外され、孤立する。ネイサンはルークもまた自閉症だと知る。ネイサンとチャンは放課後に街に出て一緒に過ごす事で、互いに好意を寄せ合っていく。チャンは中国では成功が家族の為にあり、自分はデンの為に結果を出さねばならないのだと説き、選抜入りがコネだと噂されている事を明かす。

代表選出試験の日を迎え、各国選抜メンバー達は本選と同じ形式で試験に挑む。ネイサンは不調に終わり、落選を覚悟する。アイザックレベッカら五人が好成績で代表入りを決める一方、ネイサンはルークと六番目の枠を争った結果、僅差で選出される。チャンもまた中国の代表入りを決める。

帰国前日、ルークは食事中に悪態を付き、アイザックらに変人扱いされ、露骨に蔑まれる。その夜、ネイサンはルークが腕を針で引っ掻いて自傷する様を目の当たりにする。ルークはネイサンが自閉症だと見抜くと、自らも両親に特別だと育てられた事を明かし、才能が無ければただの変人であり、無意味だと卑下する。翌日、リチャードは帰国直前にネイサンに対して、その才能を評価しながらも、予測不能で不安定な点を心配している事を明かし、チャンに現を抜かさずにオリンピックに集中するよう釘を刺す。

ネイサンはホームステイを希望するチャンを連れて帰宅する。ジュリーとハンフリーズはネイサンの列車のオモチャを使って、代表への選出を祝う。ネイサンはマイケルとの思い出のオモチャを無断で使った事に不快感を示し、部屋に閉じこもる。ジュリーはネイサンのチャンに対する好意を知ると、自らのネイサンに対する好意を伝え、理解を求める。ネイサンは自分の部屋にマットレスを持ち込み、チャンと一緒に寝るが、夜中に起き出して愛の方程式についてネットで調べる。

翌日、ネイサンとチャンはジュリーと一緒に会場のケンブリッジ大学を訪ねる。ハンフリーズは試験の監視員を担う。各国代表チームが一堂に会し、自己紹介する。その夜、チャンは宿舎のネイサンの部屋を訪ねると、ネイサンにキスをする。ネイサンは戸惑いながらも、それに応じる。二人は寄り添って眠りに就く。翌朝、デンが部屋に押し入り、二人の様子を見るや、チャンを厳しく叱り飛ばし、失望を伝える。チャンは代表を去り、帰国する意向をネイサンに示す。

競技直前、レベッカは自らがデンに告げ口した事をネイサンに打ち明ける。ネイサンは動揺を抑えきれぬまま、競技に臨むが、問題に集中できず、マイケルやジュリー、チャンの記憶が脳裏を駆け巡る。ネイサンは衝動的に会場から飛び出す。ハンフリーズはネイサンの心情を慮り、追いかけようとするリチャードを足止めする。程なく、ジュリーはほど近い場所にあるレストランでネイサンを見つける。ネイサンはチャンが自分に好意を示しており、自分もまたチャンと一緒にいると特別な感情を抱く事を明かす。ジュリーは愛のなんたるかを説き、好きになった相手が気持ちを伝えてくれなければ不公平に感じ、自らの価値が減った様な感じになるものだと諭す。ネイサンはマイケルとなら理解し合えたと説く。ジュリーはマイケルと自分とで何が違うのか尋ねる。ネイサンはマイケルがポテトを鼻に詰めるなどして、笑わせてくれた事を明かす。ジュリーはそれに倣って皿の上のポテトを鼻に詰めて笑って見せる。ネイサンは微笑んだ後で、マイケルがもう戻らない事への辛さを吐露し、涙する。ジュリーもそれに理解を示し、二人は悲しみを分かち合って抱き合う。ジュリーは駅までチャンを連れ戻しに行くよう促す。ネイサンは事故以来、初めて助手席に座ると、ジュリーがギアに掛けた左手に自らの右手を添える。

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