チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

X-ファイル 2016 (3)

クリス・カーター製作「X-ファイル 2016 (3)」("The X-Files season 10" : 2016)[DVD]

14年の年月を経てXファイル課に復帰したモルダーとスカリーが、再び超常現象を示唆する難事件に挑む様を描くSFサスペンス作品。

 

第5話「バビロン」(5 : Babylon)

テキサス州南西部の美術館で、爆弾ベストを身につけたアラブ人二人が自爆テロを起こし、9名が死亡する。モルダーとスカリーがオフィスで神と預言について論じ合っていると、捜査官のミラーとアインシュタインがやってくる。ミラーはモルダーと同じく超常現象の類に情熱を注ぐ男である一方、アインシュタインはスカリーと同じく医師と科学者の素養を持ち合わせ、超常現象には懐疑的で、相方のミラーに批判的な立場の女である。自爆テロ実行犯の一人が致命傷を負いながらも植物状態で生存している事から、ミラーは降霊術の類で意識不明のその犯人と交信し、次のテロ計画と首謀者に関する情報を聞き出せないかと考えている事を明かす。ミラーは相談できる専門家に心当たりがあれば教えて欲しいと二人に求め、アインシュタインと共に現場に赴くべく空港へ向かう。アインシュタインは降霊術では答えが出ないと説くと共に、Xファイル、とりわけモルダーの事を軽侮し、スカリーに同情を寄せる。その後、スカリーは密かにミラーに連絡し、犯人と意思疎通できる可能性を説くと、テキサスで会う意向を伝える。一方、モルダーはアインシュタインに連絡し、交信できる方法がある事を明かすと、アインシュタインを再びオフィスに呼び寄せる。

モルダーは人の思考や信念に重さを伴う実体があるという説について明かし、それを信じるかどうかアインシュタインに尋ねるが、アインシュタインはそれを否定する。モルダーは言葉が人を動かすと説くも、アインシュタインは言葉は引き金になれど殺しはしないと反論する。モルダーは生死の境にいる犯人から重要な情報を引き出す為に、物質世界の常識から脱却すべきだと主張する。一方、スカリーはミラーとテキサスで落ち合うと、霊媒師では無く、科学の力で犯人と意思疎通を図る意向を示し、先に母が昏睡に陥り、亡くなった際にその方法を思いつかなかった事を悔やむ。

モルダーはマジックマッシュルームを投与する事で、肉体から解放され、心の奥の真実が見えるという説を開陳すると、自らがそれを用いて犯人の頭の中を覗く意向をアインシュタインに示す。モルダーはスカリーが母を亡くしたばかりである事から巻き込みたくは無く、それ故、医師のアインシュタインに依頼した事を明かすが、アインシュタインは呆れ果て、テキサスへと発つ。

スカリーはミラーと共に犯人の病室を訪ねると、実験段階の新たな手法と称して、犯人に質問した際の脳波計の反応から、イエス・ノーを判別する試みについて明かす。そこに国土安全保障省の職員と称する二人の男が現れ、スカリー達に手を引く様に命じる。ミラーは男達が犯人の命を狙いに来たと悟り、追い返す。程なく、病院に到着したアインシュタインは、ミラーがスカリーと病室にいる事を訝る。アインシュタインは対抗心からモルダーに連絡すると、提案に応じる意向を示し、モルダーをテキサスに呼び寄せる。

アインシュタインは空港でモルダーを迎えると、薬物のカプセルを手渡す。一方、スカリーとミラーは尋問の準備に取り掛かる。そこにFBI捜査官ブレムが現れ、病院にテロ予告があった事を明かし、爆弾処理班が到着するまで病棟から退避する様に命じる。スカリー達は止む無く一旦病室を離れる。その隙を見計らって病棟ナースが生命維持装置を止め、秘密裏に犯人を殺そうとする。そこへモルダーとアインシュタインが現れ、ナースは企てを中止する。アインシュタインは避難の前に調査を行うと説き、ナースを部屋から連れ出す。モルダーは早速、犯人の傍で薬品を飲み、交信に臨む。ところが、アインシュタインが僅かに目を離した隙に、モルダーはトリップして病院を抜け出す。モルダーはその足で地元のクラブへ繰り出し、夢と現の合間でダンスに興じるが、やがて異世界に移行すると、黒いローブを来た者達の中で、女に抱かれた犯人を見つける。モルダーは瀕死の犯人が何かを呟いている事に気付き、それを確かめる為に傍に近寄る。

翌日、スカリーとミラーは犯人への尋問を始める。一方、病室で目覚めたモルダーは、駆け付けたスキナーに無謀な試みで失態を演じた事を咎められる。アインシュタインはモルダーに渡したのが偽薬だった事を明かすと、効果があったと主張するモルダーに暗示に過ぎないと指摘する。モルダーは夢の中で犯人が何かを囁くのを聞いたものの、アラビア語で分からなかったと明かす。スキナーは呆れ、モルダーにDCに戻る様に命じる。モルダーは病院の出入り口で入場を制止されている女を見て、それが夢の中に現れた女であり、犯人の母親だと悟る。モルダーはその女ヌーラを犯人シラーズの病室へ招く。

ヌーラがシラーズに語りかけると、シラーズの脳波計が顕著な反応を示す。ヌーラはシラーズを人殺しに育てた覚えは無く、優しい子であり、罪の無い人達の顔を見て、思い留まったのだろうと説き、祈りを捧げたら夢の中でシラーズがそう言っていた事を明かす。間もなくシラーズは心停止を起こし、絶命する。モルダーは夢でこの場面を見て、シラーズの囁く声を聞いたのだと主張すると、その言葉を再現する。アラビア語を解するミラーの助力を得て、その言葉が、病院から程近い場所にあるバビロン・ホテルを指している事が判明すると、特殊部隊が直ちにホテルに突入し、自爆テロ決行寸前の男達を取り押さえる。空港にて、アインシュタインはミラーの手柄を讃えると共に、モルダーの主張した、言葉や思考に重さがあり、人に突飛な行動を起こさせるという、現実の本質を学んだ事を明かす。

後日、モルダーは自宅で首元に不可解な病変を確認する。そこへスカリーがやってくる。モルダーはなぜ偽薬が効いたのか図りかねる。スカリーはそれがモルダーだからだと指摘する。二人は無条件の深い愛と、何も生む事のない絶対的な憎しみという、人間の本質の両極のバランスをいかに取るべきかが、現代の大きな課題だという点で見解を同じくする。モルダーは、神が傲慢さの罰としてバベルの塔から人間を払い落とし、共通言語を奪った後に、その教訓は忘れ去られて怒りだけが今も残っている事について、神が何を伝えようとしているのか、疑義を呈す。スカリーは若者達を自爆テロに走らせる、預言の言葉の強い力こそが偽薬の効果、すなわち暗示の力であり、憎悪を無くす為には原点に戻って共通の言語を見つけるしかなく、それこそが神の意志だと主張する。モルダーは不在の神の意志を確かめる方法について問う。スカリーは言葉は要らず、預言者達がそうした様に、心を開いて耳を澄ますのだと説く。モルダーがそれに倣うと、神が吹き鳴らすラッパに似た音を聞く。

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第6話「闘争 Part.2」(6 : My Struggle II)

ある朝、出勤したスカリーはオフィスにモルダーがいない事を知る。期せずして、6週間ぶりに放送を再開したオマリーは、番組内容を捻じ曲げようとする圧力の存在を明かすと、隠された衝撃的な真実と称し、全国民の体に異星人のDNAが植え付けられている事を伝える。スカリーはネットでその放送を目にするや否や、オマリーから連絡を受け、モルダーの自宅へ呼び出される。屋内は酷く荒らされており、オマリーは新たな脅威について伝えに来たら、ドアが開いており、この有様だった事を明かす。オマリーは異星人のDNAには確かな根拠があり、検査の結果、自分のDNAにも異常が見つかったと主張する。

その後もモルダーの消息は掴めず、スカリーはスキナーとアインシュタインにオマリーの告発について伝える。アインシュタインはSFの世界だと笑い飛ばすが、スカリーはどんな可能性もすぐに除外すべきでは無いと諭し、アインシュタインを悲しみの聖母病院へ招く。二人が病院へ到着するや否や、若者に腕に生じた奇妙な病変について訴えられ、スカリーはナースに対応を指示する。

スカリーは検査の為にアインシュタインから採血すると、自らも6週間前に検査した結果、遺伝子に説明の付かない異常な塩基配列が見つかった事を明かし、それが明らかに異星人由来の物だと説く。アインシュタインはDNA操作という突拍子も無い話に疑義を呈す。スカリーは子供の頃に受けた天然痘の予防接種に何かが混入されていてもおかしくは無いと説き、その目的が分からずとも可能性があれば検査すべきだと諭す。そこへミラーがモルダー捜索の協力に駆け付け、オマリーの放送を見せる。その中でオマリーは、専門家を招いた上で、遺伝子操作で免疫が働かなくなり、各種の感染症が大流行すると警告する。

スカリーは先程、病変を訴えた若者がその兆候だと悟る。その若者が軍関係者だと判明すると、スカリーはその病変が炭疽症であり、イラク赴任前に摂取した炭疽菌ワクチンに免疫機能が作用せず、発症したのだと指摘する。アインシュタインは憶測の域だと主張するが、スカリーは今後、地球規模の集団感染が始まる事を危惧する。一方、ミラーはオフィスのモルダーの端末内にある携帯電話追跡サービス・アプリから、モルダーがサウスカロライナ州スパルタンバーグ付近を走行している事を突き止め、直ちに急行する。

病院に病変を呈す患者が多数訪れ始める。スカリーは免疫を遮断する目的でDNAに何かが混入されているのだと悟るが、その方法も引き金も分からず、困惑する。アインシュタインは免疫の遮断には複雑な過程を要する事から、加えるより何かを取り除くはずだと主張する。その時、スカリーは10年前に突然FBIを辞めた元Xファイル課の捜査官レイエスから連絡を受ける。

スカリーは事情を説明するというレイエスと二人きりで再会する。レイエスは、全身に重度の火傷を負い、顔の一部を失いながらも、生きながらえた煙草男に病室へ呼ばれ、取引を強要された事を明かす。煙草男は、50年代に異星人から学んだDNA操作技術を用いて、選ばれた者だけを残して人類を皆殺しにする計画が、2012年から始動している事を明かすと、レイエスに命を救うのと引き換えに協力する様に脅した。レイエスは止む無くそれに応じたのだった。レイエスはその計画を止める事はできないが、スカリーは誘拐と実験を経験した、選ばれた者であり、助かるのだと説き、煙草男がモルダーと取引する為に手下を送った事を明かす。

モルダーは自宅に侵入したその刺客を格闘の末に撃退し、雇い主が煙草男だと聞き出すと、スカリー達との連絡を断ち、悪化する病変に苦しみながらも車を走らせ、スパルタンバーグの煙草男の隠れ家に訪れる。 モルダーは煙草男に銃を突き付け、取引を拒む。煙草男は昔からモルダーが自分の意のままだと説くと、世界の崩壊はもう誰にも止められず、異星人が予見していた人類の自滅を少し早めただけだと主張する。煙草男はモルダーに仲間に加わり、一緒に新しい世界を作る様に提案するが、モルダーはそれを拒否する。煙草男はモルダーが既に深刻な病に冒されている事を指摘し、まだ間に合うと諭す。モルダーは症状の悪化に伴い、その場に倒れこむ。煙草男は義顔を取り外し、削げ落ちた顔をモルダーに見せる。

全米の病院やシェルターが各種感染症の患者で溢れかえり、大混乱を来たす。オマリーは放送にて、空からアルミニウムが散布され、それを引き金に遺伝子が反応するだと警告し、主要メディアが伝えない事を批判する。スカリーはこれまでの考え方が誤っていた事に気付き、全国民が天然痘ワクチン経由で組み込まれたのは通称スパルタ・ウィルスであり、自分の体内の異星人のDNAはそれを救う為のものだと確信する。スカリーは早速ワクチンを作るべく、自分の唾液を元にしてDNAをPCRで増幅する様にアインシュタインに依頼する。

程なく、DNAの増幅が終わると、そこにはかつて存在した異星人由来のDNAが見当たらず、スカリーは困惑する。一方、事態は欧州その他各国にも広がりを見せる。病院では患者の他、医師やナースにも感染が広がり、対処に窮していく。オマリーは病変に冒されながらも、電磁波が引き金になるという新たな報告を伝え、可能な限り、放送を続行する意向を示す。

ミラーはモルダーの居場所を探り当て、助けに駆け付ける。煙草男は計画が周到であり、無駄だと説くが、ミラーはモルダーを連れ出す。一方、アインシュタインは唾液ではサンプルが少ない為に異星人のDNAが見つからなかったのだと悟ると、スカリーから採血し、大量の細胞を元にPCRで増幅をやり直す。しかし、アインシュタインもまた病変に冒される。増幅したDNAの中に異星人のDNAが見つかると、スカリーはアインシュタインを休ませ、ワクチンの生成を始める。

ミラーはスカリーに連絡し、モルダーを救出した事を明かすと、ガス欠前に落ち合う事を確認する。スカリーはワクチン入りの点滴を作成すると、アインシュタインに医師達と共に同じ点滴を大量に作成する様に依頼し、モルダー達の元へ向かう。街は感染者の群れでパニックに陥り、オマリーは通信回線の遮断とインフラの壊滅で、放送の終わりを覚悟する。スカリーはオマリーにワクチンの存在を伝え、オマリーは病院へ行く様に市民に訴えかける。

大渋滞に阻まれたスカリーは車を乗り捨て、点滴を携えてミラーの車に辿り着く。スカリーはモルダーの容体が予想以上に悪い事から、点滴では治療が無理であり、幹細胞が必要だと判断するが、その為には居場所の分からぬウィリアムを見つけ出す必要があり、途方に暮れる。その時、上空に異星人の宇宙船が現れる。多くの市民が見守る中、宇宙船はスカリー達を光で照らす。

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