チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ハクソー・リッジ

メル・ギブソン監督作「ハクソー・リッジ」("Hacksaw Ridge" : 2016)[BD]

太平洋戦争の最中、良心的兵役拒否者の衛生兵として米国陸軍に入隊した青年が、派遣された沖縄の激戦地ハクソー・リッジで、銃を所持せず負傷兵の救出に奮闘する様を描く戦争伝記ドラマ作品。

 

1944年、第二次世界大戦真っ只中の米国。敬虔なクリスチャンの青年デズモンド・ドスは、退役軍人の父トーマス、母バーサ、弟ハロルドと共にヴァージニア州ブルーリッジ山脈の麓の田舎町で暮らしていた。戦時の忌々しい記憶に苛まれるトーマスは酒に溺れ、家族に暴力を振るう事もしばしばだった。バーサは虐げられながらも、トーマスの暴力は自分自身を嫌うが故であり、本当の姿では無いとデズモンドに説くのだった。デズモンドは幼い頃にハロルドと喧嘩し、ハロルドをブロックで殴りつけ、危うく大怪我をさせそうになった際に、殺人より重い罪は無いという戒律を強く自覚し、強固な信仰心を抱くに至り、今日に至っていた。

デズモンドは医者を志望するも、家計が苦しくて叶わず、軍需工場で働き、兵役を免除されながら、教会の手伝いに精を出す。ある日、デズモンドは教会の前で車に轢かれて脚に重傷を負った少年を助け出し、応急処置を施すと、搬送先の病院まで同行する。デズモンドはそこで献血係として働く看護師ドロシーに魅了され、献血を申し出る。デズモンドはドロシーとの結婚を決意し、翌日、再び病院を訪ね、ドロシーに好意を伝える。その後、デズモンドはドロシーを映画に誘い、見終わった後に突然キスをする。驚いたドロシーは咄嗟に平手打ちを浴びせ、聞いてからキスすべきだと窘める。一方、ハロルドは両親の意向を無視して軍に入隊すると、工場勤めでは国に貢献できないと説き、理解を求める。トーマスは共に戦った僚友達がいかに無残に死んでいったかを語り、悲嘆する。

デズモンドはドロシーを森に誘い、岩場の上で初めてキスをする。程なく、デズモンドは衛生兵として入隊する事を決意し、それをドロシーに伝える。ドロシーは反発し、プロポーズしないつもりなのかと問い質す。デズモンドはその場で直ちにプロポーズし、ドロシーは快諾する。デズモンドは入隊後の最初の休暇に結婚する事を約束する。デズモンドをも軍に送る事に反対するトーマスは、戦死した僚友の墓にデズモンドを招くと、息子の墓参りは御免だと嘆く。デズモンドは皆が戦っているのだと説き、理解を求める。トーマスは祈る事しかできないデズモンドに人殺しは無理だと詰る。デズモンドは衛生兵にならなれると訴えるが、トーマスはデズモンドの信念は戦争には通用しないと諭す。

デズモンドは入隊の日を迎える。ドロシーは自らの写真を挟んだ聖書を託し、デズモンドを送り出す。デズモンドはフォートジャクソン基地で陸軍志願兵のスミティ、ハリウッド、ティーチらと合流すると、指導教官ハウエル軍曹の下で、厳しい訓練に臨む。デズモンドは目を見張る実力を発揮し、一目置かれる存在となる。性悪なスミティはデズモンドに敵意を露わにする。ライフルを用いた演習の際、デズモンドはCO(良心的兵役拒否者)として志願していると主張し、与えられたM1を所持する事を拒否する。師団を率いるグローヴァー大尉はデズモンドを呼び出すと、人殺しこそが戦争だと説き、命令に従わねば除隊させると警告する。その後もデズモンドはライフルの演習への参加を拒む。スミティはデズモンドを臆病者だと詰って殴ると、聖書を奪い取って自分を殴るよう挑発するが、デズモンドはそれを拒む。

正気を疑われたデズモンドは、ステルザー大佐の面談を受け、自らの主張を繰り返して理解を求める。ステルザーはデズモンドが正常であり、除隊にはできない旨をグローヴァーに伝えると、他の訓練はなんでもやらせるよう促す。グローヴァーはデズモンドをきつい雑務専門に付かせ、音を上げさせて追い払おうと企てる。また、ハウエルはデズモンドのとばっちりで部隊に厳しい訓練を課し、デズモンドが疎まれるよう仕向ける。ある夜、デズモンドは就寝時に宿舎で数名の同僚からリンチを受ける。それを眺めていたスミティは、デズモンドに除隊するよう促す。翌朝、ハウエルは傷だらけのデズモンドを気遣い、改めて除隊を促すが、デズモンドは頑なにそれを拒む。ハウエルはデズモンドの心情を汲み、誰に殴られたのか問い質すが、デズモンドは殴られていないと答える。

部隊は初めての休暇を迎える。デズモンドはライフルの訓練を受けていない事を理由に、中隊長から休暇の申請が却下される。デズモンドは頑なにライフルの所持命令を拒否し、軍法会議にかけられる運びとなる。ドロシーは結婚の準備を済ませ、親族らと教会でデズモンドの帰りを待ち続ける。デズモンドは基地内で勾留される。グローヴァーはデズモンドの信念は日本兵には通用しないと説くと、仲間が攻撃されたらどうするのか尋ねる。デズモンドは命懸けで守ると答える。グローヴァーはデズモンドの将来を慮り、罪を認めて情状酌量を得て、家に帰るよう促すと、ドロシーを呼んで説得を任せる。ドロシーは銃を持つだけで撃つ必要はなく、プライドが邪魔してできないだけだと説く。デズモンドは信念を曲げてしまえば生きてはいけず、またドロシーをも失望させてしまうのだと答える。ドロシーはデズモンドの揺るぎない信念に理解を示す。ドロシーはデズモンドの両親に電話をかけ、有罪を認めれば不名誉除隊になり、また争ったとしても刑務所行きになり、どうにもならないとの見通しを伝える。それを受け、トーマスは第一次世界大戦で部下として仕えた、戦争軍務司令官マスグローヴ准将の元を訪ねる。

デズモンドは軍法会議に出廷すると、司法取引には応じず、無罪を主張する。その後の審判で、デズモンドは命令拒否について認めると、真珠湾攻撃に衝撃を受け、殺さずに助ける衛生兵として軍に志願するに至った経緯などについて主張する。判決直前、トーマスが准将からの手紙を届けにやってくる。それには、『COの権利は議会法で認められており、いかなる場合も行使でき、武器を取る命令の拒否もそれに含まれる』と記されており、中隊長による訴えは直ちに取り下げられ、デズモンドは訓練の継続を認められる。デズモンドはドロシーと喜びを分かち合う。デズモンドはドロシーと契りを交わし、必ず帰ってくると誓う。

1945年5月、グローヴァー率いる歩兵師団は沖縄に派遣され、壊滅に追いやられた先発師団の惨状を目の当たりにする。部隊は制圧した家屋で休息を取り、そこで先発隊の衛生兵シェクターら二人が合流する。シェクターはハクソーリッジの攻略に6回失敗し、部隊が壊滅した事を明かすと、絶対に諦めない日本兵に対する恐怖を吐露する。

間もなく、部隊はハクソーリッジ下に到達する。まず、戦艦から崖の上に砲撃が実施される。その後、部隊は崖を登り、攻略を開始する。日本軍は無数の死体が散らばる戦場へ米軍を誘い込み、奇襲攻撃で迎え撃つ。米軍部隊は怯まず応戦するが、壕に潜む日本兵の猛攻に苦戦を強いられる。デズモンドはスミティに危ういところを救われると、戦火の中を縦横無尽に駆け巡り、負傷者の救助に尽力する。米軍部隊は敵の攻撃拠点の壕を撃破すると、一気呵成に攻め込み、敵を退ける。

夜、米軍部隊は塹壕に隠れ、交代で見張りを行いながら野宿する。デズモンドは負傷者の救助を一段落すると、スミティと同じ穴に隠れる。デズモンドは日本兵に見つかって殺される悪夢を見て飛び起きる。デズモンドは、酒で父の性格が変わってしまった事、遂には父が拳銃を振り回し、母に暴力を振るうのを見て矢も盾もたまらず、拳銃を奪って父に突きつけ、心で撃った事、その時に二度と銃に触らないと神に誓った事を明かす。スミティは両親に捨てられ、人を憎む性格になった事を明かす。二人は初めて心を通わせる。

翌朝、地下に掘られた通路に潜んでいた無数の日本軍部隊が一斉に銃剣突撃を始める。米軍部隊は劣勢に立たされ、後退を余儀なくされる。グローヴァーは無線で戦艦に援護射撃を要請した後、部隊に撤退を命じる。その最中、スミティは敵の銃撃を浴びて致命傷を受ける。間もなく、戦艦からの砲撃が開始される。デズモンドはスミティを担いで崖まで運び、降ろそうとするが、スミティが既に絶命した事を知って茫然自失する。部隊が崖を降りても尚、デズモンドはその場に留まり続け、自分が何をすべきか神に問いかける。その時、デズモンドは爆炎の向こうから助けを求める仲間の声を聞き、探しに向かう。

グローヴァーは僅かに残った32人を連れて拠点キャンプへと退却する。デズモンドは生存者を見つけると、応急処置を施した後、一人また一人とロープで崖から降ろしていく。崖下で待機する見張りの兵士らはそれに気付き、負傷兵をキャンプに搬送する。グローヴァーはキャンプに着くと直ちに砲撃の中止を要請する。砲撃が止むと、日本兵達は生き残りの米兵の捜索を始める。デズモンドは死体に紛れるなどしてやり過ごすが、敵に見つかり、地下通路に逃げ混む。デズモンドはそこで重傷を負った日本兵を見つけ、慈悲で手当を施す。夜になり、地下通路から出たデズモンドは再び生存者の捜索を始め、「もう一人助けさせて欲しい」と願いながら休む事無く救助に奔走する。一方、キャンプには次々と負傷兵が運び込まれる。

翌朝、デズモンドは負傷して身動きの取れないハウエルとハリウッドを発見する。デズモンドは傷の重いハリウッドをまず救助し、崖から降ろす。間もなく、グローヴァーは崖から負傷兵が運び込まれているとの報せを受け、医療テントに駆けつける。治療を受けたハリウッドは、デズモンドが一人で崖から救助を続けていると伝える。一方、デズモンドは狙撃手が待ち構える中、ハウエルの元に戻ると、ライフルと布で即製のソリを作り、歩けないハウエルを引きずって崖へ疾走する。ハウエルは後方の敵に銃撃で応戦する。デズモンドはハウエルを崖から降ろした後で、敵に追い詰められ、スミティの亡骸と共に崖を一気に降りる。そこへ駆けつけたグローヴァー率いる部隊は、援護射撃で崖の上の敵を退ける。デズモンドは仲間達に尊敬の眼差しで迎えられる。グローヴァーは直ちにデズモンドをキャンプに搬送させる。グローヴァーは、テントで治療を受けたデズモンドに自らの非を認め、許しを請うと、明日ハクソーリッジに戻る意向を示し、安息日でありながらデズモンドが部隊に欠かせないと訴える。

翌日、デズモンドは部隊が崖を登る前に神に祈りを捧げ、部隊はそれを静かに待つ。部隊は再び攻略を開始し、崖の上では再び日米両軍による激しい猛攻が繰り広げられる。日本軍は投降する様に見せかけて奇襲を仕掛ける。デズモンドはグローヴァーを庇って手榴弾を蹴り上げた際に、脚に重傷を負い、担架で運び出される。デズモンドは聖書を失くした事に気付き、ティーチに取ってきてもらう。間もなく、日本軍の指揮官が切腹し、米軍はハクソー・リッジの戦いに勝利する。デズモンドは聖書を胸に抱え、担架で崖を降りる。

75人の負傷兵を救ったデズモンド・ドスは、COでは初めて軍人最高の栄養たる名誉勲章を授与され、ドロシーが1991年に亡くなるまで仲睦まじく暮らした。デズモンドはその後も全てを神に捧げて慎ましく生き、2006年3月に87歳で死去した。

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