中川淳一郎著「縁の切り方 絆と孤独を考える」(2014)
「絆と孤独を考える」という副題通り、人間関係というのはしばしば煩わしく、人生を大いに狂わせうるモノだから、縁を維持するかどうかは良く見極めましょうという主旨の一冊。著者の人間に対する諦観が全編に漂い、なかなかネガチブな内容に終始しているのだが、それらは全て著者自身の体験に基づく訓戒なのである。
自分に取って不要な人間なら容赦なく縁を切ろう。その時はブチ切れたって良い。かつての親友でさえ、時代が変わり、立場が変われば、付き合い方も変わってくるのだ。一時の別れが今生の別れとなる事を恐れずに、現在の自分に取って本当に必要な人間関係を見定め、それさえ維持できていればヨシ。そういうある意味限りなくドライな生き方の指南書なのである。
ネットニュース編集者という、普通のリーマン稼業とは異なる立場だからこそのスタンスではあるだろうが、人間関係の棚卸し及びリセットという観点は大いに参考になると思う。尤も、僕は友人知人の類がゼロのコミュ障なワケだが・・・。著者のアメリカでの学生時代のハナシなんかは特に面白かった。アメリカでも田舎町だとジャップはジャップなんだなぁ。