チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

孤独死のリアル

結城康博著「孤独死のリアル」(2014)

孤独死のリアル (講談社現代新書)

孤独死のリアル (講談社現代新書)

 

現在お一人様、もしくはそうでなくとも、将来的にお一人様確実な人にとっては、必読の一冊かも知れない。僕は本書を読んで、自分が将来生き長らえてしまった時の事を、改めて深々と考えさせられた。そして、恐ろしくなった。

マンションやアパートの大家や管理人は、孤独死されると物件の価値を毀損する可能性が高いから、自ずとお一人様の入居を敬遠或いは忌避するのだそうだ。すなわち、独身で更に高齢者が部屋を探そうと思っても、借りられる物件が極めて限定されるのだ。こんな事は世間的には常識なのかも知れないが、僕はそこまで深刻に考えた事が無かった。お一人様を覚悟するなら、がむしゃらに働いて、安価なマンションでも購入するしか無いのだろう。その上で、地域コミュニティに積極的に参加し、繋がりを確保しておくべきなのだろう。これは自分の為だけじゃなく、社会の為でもある。そう考えると、僕の様に独身ぼっちで社会にコミットしない引きこもりは、どれもできておらず、孤独死確実だ。最悪の場合、死後数ヶ月間発見されない可能性もあるから、僕自身がどうのこうの言う前に、社会的に有害だ。今はまだ安穏としていても、これから先、僕はその重圧に耐えられるだろうか。

本書は他に、孤独死で亡くなった遺体はどう発見され、どう弔われるのか。孤独死を防ぐ為に、そして孤独死を早期に発見する為に、社会が取り組むべき課題は何か。まさに孤独死のリアルを痛感する内容が盛りだくさんだ。著者は介護職から研究職に転身した異才の人で、現場で得た知見を、介護や医療、そして孤独死の問題に関する研究に活用している。こういう人の声に、もっと社会は耳を傾けて欲しい。

しかし、本音を言えば、やはり安楽死制度が必要だと思うんだよなぁ。僕の様な人間って明らかに社会的損失、お荷物なんだよね。