チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ANNIE/アニー

ウィル・グラック監督作「ANNIE/アニー」("Annie" : 2014)[BD]

ハーレムで育った里子の少女とマンハッタンの大富豪の男が、偶然の出会いを経て、共に暮らし始め、互いの人生を大きく変化させていく様を描くミュージカル・コメディ・ドラマ作品。

10歳の少女アニーは、ニューヨークのハーレムにある里親ハニガンのアパートで、里子姉妹のミア、ペッパー、イザベラ、テシーらと共同生活を送る。かつて華やかな世界を夢見たものの落ちぶれ、窮状を嘆くばかりのハニガンは性悪な女で、里子達に厳しく当たり散らす事もしばしばだが、アニーはそれにもめげず、養子に迎えられる日を切望する皆を励ます。アニーは、その昔、生き別れとなった両親が迎えに来るという約束を信じて、毎週金曜日の夜をレストラン「ドマーニ」の前で両親を待ちながら過ごす。

その頃、大手携帯会社社長のスタックスは、市長選へ立候補しており、選挙対策に雇ったガイの助言を得ながら、支持率アップを企て、市民へのアピールに励む日々を送る。秘書のグレースはスタックスの立候補に消極的だが、会社にとってプラスになると考えるスタックスは意気込む。

ある日、定期検査の為に市職員がハニガンのアパートに訪れる。里子達は職員が落とした書類から里親・里子に関する情報を目にし、アニーはそこに記された社会保障番号から両親の所在が掴めるのでは無いかと考え、出自の記録を照会すべく役所を訪ねる。しかし、記録には里親制度に出された事以外の情報が無い事を知り、アニーは落胆する。

帰り道、アニーは野良犬が悪ガキ達に苛められている現場に遭遇し、犬を助けるために追いかける。一方、スタックスの乗った車がエンストで立ち往生し、痺れを切らしたスタックスは一人で歩いて帰る事にする。その直後、スタックスは走ってきたアニーと接触し、車に轢かれそうになったアニーを咄嗟に助ける。アニーは礼を告げて立ち去る。

アニーが帰宅すると、ハニガンは面倒を見るのに嫌気が差したという理由を告げ、里親を止めてアニーをグループホームに送ると言い渡す。一方、スタックスがアニーを助けた瞬間が市民に撮影されており、その動画がネットにアップされるやいなや、支持率が上昇し始める。ガイはこれを利用すべきだと提案し、アニーをランチに招いて写真を撮り、更なる支持率向上に繋げようと画策する。

翌日、グレースはハニガンのアパートを訪ね、アニーを連れ出すと、スタックス・ビルの最上階に位置するスタックスのペントハウスへ招く。早速スタックスは集めたマスコミに写真撮影を促すが、アニーにその真意を尋ねられ、市長選の為だと打ち明ける。アニーが一緒に暮らせば大統領になれると主張すると、ガイはそれに触発され、市長選までアニーの里親になる様にスタックスを説得する。

スタックスは早速アニーと共に役所に赴き、臨時後見人の申請を行う。アニーはハニガンに謝意を告げ、アパートを後にするが、ハニガンは幸せの味はすぐに消え、後味だけが残ると悪態をつく。

以後、スタックスはアニーと共に街を巡り、キャンペーン活動を行っていく。スタックスの目論見は市民に見透かされ、根強い反対はあるものの、支持率は徐々に上昇していく。撮影の一環で訪れた保健所で、アニーはかつて追いかけられていた犬を引き取り、サンディと名付けて飼う事にする。

やがて庶民派の現職候補に支持率が肉迫する。貧しいながらも人に囲まれ生きてきたアニーと、大富豪でありながら孤独を好むスタックスは異質な関係だったが、共に暮らす内にスタックスは天真爛漫なアニーに感化されていく。アニーはスタックスのボディガードのナッシュを通じ、両親に関する過去の通話記録の調査を依頼する。

スタックスが出資する映画の公開記念パーティが開催され、アニーは里子4人を招いて参加する。パーティが終わり、4人を送り届けると、アニーはグレースと共にドマーニの前で両親を待つ。支持率が頭打ちとなり、アニー効果が限界に達したと判断したガイは、別の策を講じるべきだとスタックスに進言する。

ある日、スタックスはアニーを連れ出し、ヘリに乗って基地局のチェックに同行させる。スタックスはがむしゃらに働く事が成功の秘訣であり、誰であろうと強く望むなら努力するだけだと説く。アニーは96丁目から北、すなわちアップタウンとダウンタウンとの格差を訴え、アップタウンが自分にとってのニューヨークだと主張する。スタックスはアップタウンが会社がこれまで力を入れて来なかった地域だと認識する。

スタックスの提供する美術館でイベントが催される事になり、アニーはスタックス、グレースらと共にドレスアップして出席する。スタックスはニューヨークの未来の象徴だと称して、アニーにスピーチを促す。アニーはスタックスがくれた大きなチャンスに感謝し、歌い上げる。その後、原稿を読む様に促されたアニーは当惑し、会場から逃げ出す。理由を問い質すスタックスに、アニーは涙ながらに字が読めない事を打ち明ける。

一方、ガイはナッシュがアニーから両親探しを頼まれている事を知り、支持率回復へ向けた妙案を思い付く。ガイはハニガンの元を訪ね、事情を伝えると、即席両親を仕立て上げ、投票直前にアニーと再会させる事で、支持率を急上昇させる計画を明かし、高額な報酬と引き換えに、ハニガンに協力を依頼する。

スタックスはアニーの不遇を慮り、自分にできる事をしてやろうと決意する。グレースはスタックスのアニーへの思いやりを理解する。アニーはイベントでの失敗の責任を感じて、スタックスの元を去ろうとする。スタックスがアニーを止めると、アニーは読み書きできない事が恥ずかしくて、これまで悟られないようにしてきた事を明かす。スタックスは誰にも隠し事があると告げ、父親の働いていた高架線の下にアニーを連れて行く。スタックスは自身が12歳の時に、働き詰めだった父親が亡くなり、顔すら覚えていない父に近づこうと、人を拒絶し、懸命に働いてきた事を打ち明ける。アニーは今は自分が傍にいると告げ、スタックスは感極まる。一方、ガイはハニガンがオーディションを行い、公然と即席両親探しをしている事に呆れ、手を切る。

アニーと過ごす内に情が芽生えたスタックスは、アニーを養女に迎える意向をグレースに伝える。アニーは文字を習い始める。その時、ガイがアニーの両親が名乗り出てきた事を報告する。ガイは、両親がアニーとの約束の事を把握しており、更にDNA鑑定も一致した事を明かし、アニーと両親はドマーニで再会する運びとなる。

マスコミが集う中、アニーはドマーニで両親と再会する。両親は生活の苦しさでアニーを手放したものの、責任を感じてきたと訴え、アニーは納得する。付き添いに訪れたハニガンは、スタックスからハニガンに励まされてきたというアニーの言葉を聞き、騙している事の自責の念に耐え切れなくなる。役所の書類にハニガンとスタックスが署名すると、正式に親子の復縁が認められる。ハニガンは、ガイから鑑定が金に物を言わせて行われ、選挙が終わり次第、アニーが里親制度に逆戻りだと聞き、警察の通報を迫るが、逆に報復を示唆される。ハニガンは心を入れ替え、里子達に協力を頼む。

アニーは両親に帯同し、ブラジルに発つ事になり、スタックスとの別れ際に自作のメッセージカードを手渡す。アニーはスタックス、グレースと別れると、両親の車に乗り込み、出発する。その直後、ハニガンは里子達を連れて、スタックスの元を訪ね、両親が偽物だと明かす。スタックスはガイをクビにし、皆をヘリに乗せ、車の追跡に向かう。一方、アニーは両親の言動から偽物だと悟り、事情を問い質すと、スタックスが用済みとなったアニーを捨てたと聞かされる。アニーは車外に助けを求め、その様子がSNSで拡散すると、スタックス達は車の位置を掴む。

警察が車を追い詰め、ヘリも到着する。スタックスはアニーの誤解を説こうと試み、心から詫びると、その場で選挙戦からの撤退を表明し、家族であるアニーを一番大事にしたい意向を伝える。アニーはスタックスにグレースへの思いを伝える様に促し、仲を取り持つ。それから程なくして、スタックスは識字センターを開設する。

 

 

これは劇場で観てきたので二回目の鑑賞。この齢までアニーの原作を一度も観た事が無く、内容自体もほとんど知らなかったから、リメイクとなる本作は新鮮だった。王道のシンデレラストーリーの様な話ではあるが、アニーはハーレム育ちにも関わらず、底抜けに明るい天真爛漫な子で、思いの外、悲壮感は無かった。ハーレムと言えば、映画「プレシャス」の様な貧困でにっちもさっちもいかない窮状をどうしても想起してしまう。本作はコメディだから、そんなニューヨークのリアルな暗部を描いても仕方が無いのかも知れないが、その分、アニーが文字が読めないと告白するシーンの不遇さにおいて、インパクトが欠ける様に感じた。どちらかと言えば、ストーリーより綺羅びやかなニューヨークの映像美や、キャスト達の歌唱を堪能するべき作品なのかも知れない。ジェイミー・フォックスは歌手としても通じるくらい歌が上手い。ローズ・バーンも上手いと思った。キャメロン・ディアスはどうなのかネイティブじゃないと良く分からないが、顔芸は素晴らしかった(笑)

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