ジョシュ・フォーブス監督作「アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界」("Contracted: Phase II" : 2015)[DVD]
ゾンビ化する奇病に感染していた女とセックスした男が、女と同じ様な症状の発現に見舞われながらも、感染源の男を捜す為に奔走する様を描くホラー作品。
奇病への感染から三日目、運転中に完全にゾンビと化したサマンサは衝突事故を起こし、助けにきた母を咬み殺した直後に、現場に駆け付けた警官に射殺される。
翌日、サマンサがゾンビ化する直前にセックスしたライリーは、HIV感染を恐れ、姉ブレンダの夫で医師のジェームスに特急の検査を依頼する。その際、ライリーはセックスの際に生じた背中の引っかき傷に付着したサマンサの爪を見つける。間もなく、ライリーは事件を捜査する刑事ヤングに警察署へ呼ばれ、聴取を受ける。ヤングは死んだアリスとサマンサとの関係を尋ねる。ライリーはアリスとは家族ぐるみの付き合いだった事を明かすも、サマンサによってゾンビ化したアリスを自分が包丁で刺し殺した事と、サマンサとセックスした事は伏せ、サマンサは友達の一人に過ぎないと嘘をつく。ヤングはパーティ会場に不審な人物がいなかったか尋ねる。ライリーは指名手配中の男BJを見かけた事を明かすも、サマンサがBJに車に連れ込まれて犯されるのを見た事を伏せる。ヤングはサマンサ、サマンサの母、アリス、ニッキーが死亡した以外に三名が行方不明になっており、関連を調査している事を明かす。署を出たライリーは、車に「おしゃべり」と記されたメモを見つける。その直後、ライリーはブレンダから連絡を受け、翌日催されるアリスの追悼式への出席を促される。ライリーは祖母マージーと暮らす自宅へ戻る。マージーは親友を亡くしたライリーの心情を慮って、自分が飲んでいたグラスの酒を勧め、ライリーはそれを一口飲む。マージーは夫を亡くした後の悲しみに耐え、娘と孫ライリーの為に生きると決めて正解だったと説く。ライリーはヤングに連絡し、パーティで見たBJの車のナンバーを伝える。それを元に、警察は直ちにBJの車の捜索を始める。一方、BJは娼婦を襲って、薬品を注射する。
翌日、ライリーは体の異変を自覚すると共に、背中の引っかき傷が壊死を始めている事に気付く。間もなく、インターンの看護師ハーパーが、マージーの検診にやってくる。ハーパーはマージーの口元にヘルペス状の発疹ができている事を指摘する。ライリーはジェームスから連絡を受け、HIV検査が陰性だったと知って安堵する。ジェームスはサマンサの検視の結果、壊死性の性病を患っていたという話を伝える。ハーパーはアリスの追悼式に同伴する意向を示す。日中、ライリーはオフィスで薬物中毒を患う女のカウンセリングに応じる。女は酷く具合の悪そうな様子で訪れると、皮膚の下に何かがいると訴えて錯乱し、腕の傷痕をえぐり始める。
夜、ライリーはハーパーを連れてアリスの追悼式が催されるブレンダの家を訪ねる。妊娠中のブレンダとジェームスは二人を歓迎する。式の途中、ライリーは激しい耳鳴りと鼻からの出血に襲われ、手洗いに駆け込んだ直後に激しく吐血する。ブレンダはライリーの鼻から滴下した血が混じったスープを、そうと気付かずに口にする。式の後、ライリーは気を取り直してハーパーとバーへ行く。ハーパーは談笑の後、ライリーにキスをして手洗いに向かう。その直後、ライリーは発作に見舞われて倒れる。そこにBJが現れ、ライリーを店の外へ連れ出す。BJは意識が朦朧とするライリーに対し、自分の疫病をサマンサを介してライリーに感染させた事を明かすと、ライリーがどこまで耐えられるか、大事な者達を守り抜けるか試されており、再び会う事になるなどと説き、立ち去る。一方、ヤングはナンバーを元にBJの住所を探し当て、家に一人で侵入する。ヤングは異様な屋内を捜索する内に地下室へ辿り着き、壁に描かれた「我は終焉」の血文字と、犠牲者の女達に加えてライリーを盗撮した写真の数々を見つける。そこへ室内に吊り下げられていたゾンビ化した女が現れ、ヤングに襲いかかる。ヤングは女を射殺するが、大量の返り血を浴びる。
翌日、ライリーは自宅で目を覚ました矢先に吐血し、不調を理由に仕事を休む。その直後、ライリーは血尿、目の充血、皮膚の下を蠢く無数の虫、背中の傷周辺の壊死の進行を確認し、動転する。ニュースでは、原因不明の奇病の患者が病院で隔離されており、またBJの家で腐乱死体が数体発見された事が報じられる。ライリーはマージーの感染に気付かずに外出すると、ブレンダの家を訪ねる。ジェームスはライリーの酷い顔を見るなり、病院に行くよう促す。ライリーはそれを拒むと、アリスの死の原因となったBJに追われている事を明かし、鍵を閉めて外出しないよう命じる。一方、ヤングの元に国土安全保障省・化学生物兵器防衛部のダルトンがやってくる。ダルトンはBJから送られてきたというテープを聞かせる。その中でBJは、人類が絶滅させるべきバクテリアであり、社会は天の怒りをもって浄化されねばならないなどと説き、自らを死であり、病であり、終焉だと称する。ダルトンはBJと一年前から接触をもっており、当初は戯言と軽んじていたものの、やがて増長して反社会的な脅迫をする様になり、遂には国家の脅威となった事を明かすと、致死率100%の疫病の拡散を阻止すべく、ヤングに協力を求める。その際、ダルトンはBJを殺さぬよう釘を刺す。
症状の進行に苛まれるライリーは、雑貨店で諸々の道具を買い求めた後、トイレで皮膚の下に蠢く虫を摘出する。ライリーはマージーと連絡が取れない為に、ヤングに連絡して自宅の確認を依頼する。その後、ライリーはハーパーが通う学校に押しかける。ライリーはハーパーが感染している事に気付き、同行を求める。ハーパーは感染を認めず、同行を拒むが、その矢先に吐血する。ライリーはハーパーを強引に連れ出す。ライリーはサマンサがBJに犯されているのを見ながら何もできなかった事、車のナンバーを警察に証言して恨まれている事を明かすと、ハーパーの家族らも危険だと説く。ハーパーはライリーとのキスが感染の原因だと気付き、ライリーを責める。ライリーはBJに症状が出ていないのは薬を持っているからだと確信し、捜し出す意向を示す。一方、ヤングは警官を率いてライリーの家を訪ね、襲い掛かってきたゾンビ化したマージーを射殺する。
ライリーはハーパーの家で虫を摘出した際の傷の手当を受ける。ライリーはヤングから連絡を受け、マージーの死を知ると同時に、BJについて知っている事を話すよう求められる。間もなく、ハーパーは目の痛みを訴え、左眼球が外れて悲嘆する。ライリーはブレンダの留守電に別れのメッセージを残すと、ハーパーを連れてゼインの家を訪ねる。ライリーはゼインからショットガンを提供してもらうと、BJを道連れにする意向を示し、ゼインがBJをどうやってパーティに呼んだのか問い質す。そこへヤングが特殊部隊と共に突入し、ライリーとハーパーを拘束した後、病院に搬送させる。ハーパーは病院に着いて間もなく死亡し、搬出時の遺体袋の中でゾンビ化する。
ヤングは病室にライリーを訪ねると、ハーパーの死と、感染が数十人規模で広がっている事を伝え、BJについて話すよう求める。ライリーはもう手遅れだと説く。その頃、BJは医師を装って病院に侵入する。間もなく、ヤングは体の異変を自覚し、病室を離れる。BJはその隙に病室に忍び込むと、ライリーに次の段階に進むと告げた後、持ち込んだ機銃と、胴体に巻きつけた爆弾を露わにする。そこへ戻ってきたヤングは、BJに銃を構える。BJは起爆スイッチを手に掛けながら病室を出ると、周囲の全員に動くと終わりだと脅す。その時、エレベーターで無防備な警官が上がってくる。BJは虚を突いて機銃を掃射し、周囲の者達を皆殺しにする。BJは深傷を追ったヤングにとどめを刺そうとする。ライリーはBJに背後から襲いかかり、押し倒して吐血を浴びせる。BJはヤングの落とした拳銃でライリーを退けると、銃口をヤングに向ける。完全にゾンビ化したライリーは、BJの首を噛みちぎって倒す。ヤングはライリーの頭を撃ち抜いて殺す。
一方、ジェームスは帰宅するなり、ゾンビ化したブレンダの胎内の子が蠢く様を目の当たりにする。一命を取り留めたBJは隔離された何処かの病室に収容される。そこにBJと同じく、指にアバドン(滅ぼす者)のタトゥーを入れた医師が現れ、BJにもうすぐだと告げる。