チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

フランク・オズ監督作「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」("Little Shop of Horrors" : 1986)[BD]

花屋で働く冴えない青年が、ひょんな事から餌に生き血を求める植物を飼育する事になり、殺人を犯してまでその成長を促し、破滅に向かっていく様を描くミュージカル・ホラー・コメディ作品。

 

ニューヨーク、ダウンタウン。孤児院育ちのシーモアは、スラム街スキッド・ロウで花屋を営むムシュニクに貰われて以来、地下室に住み込みでこき使われる日々を送っているが、花は売れず、店は年中閑古鳥が鳴いている。不器用で冴えないシーモアは人生に諦観し、いつの日かスキッド・ロウを抜け出して自由に暮らす事を夢見る一方、可憐な同僚オードリーに密かに好意を寄せる。花屋の向かいのアパートに暮らすオードリーは、サディストの歯科医オリンと交際しており、日常的に暴力を振るわれていながら別れられずにいる。オードリーもまた、シーモアと結婚して家庭を築き、幸せに暮らしたいと密かに夢見ている。シーモアと対照的に、革ジャンを着てバイクを乗り回すオリンは、患者に苦痛を与える事に喜びを見出す嗜虐性に満ちている。

ある日の夕方、ムシュニクは客が来ない事に痺れを切らし、廃業を決意する。オードリーはシーモアに、最近育て始めた奇妙な植物をムシュニクに見せるよう促す。シーモアは地下室から、オードリーⅡと名付けたハエトリグサに似たその植物を持ってくる。ムシュニクは早速オードリーⅡを店の窓際に飾り、宣伝にしようと目論む。その途端、それに惹かれた男性客がやってくる。シーモアはその植物を入手した経緯を明かす。先週、シーモアは珍種を求めて花問屋街を訪ね、中国人が営む店を通りかかったが、目ぼしい植物が見つけられなかった為に帰ろうとした。その矢先に、突然の皆既日食が起きた。別世界から来るような不思議な音が轟いた後、日食が終わると、シーモアは店の前に無かったはずのその植物を見つけ、店主から買い受けたのだった。話を聞き終えると、男性客はバラを100ドル分も買っていく。その後も次々に客が来店して花を買っていき、ムシュニクは俄然気を良くする。閉店後、オードリーはオリンとデートに出かける。その直後、オードリーⅡは萎れる。ムシュニクはシーモアにオードリーⅡを元気にさせるよう命じて食事に出かける。シーモアは手を尽くすもオードリーⅡを元気にさせられず、途方に暮れる。そんな折、シーモアは誤ってバラの棘を指に刺し、出血する。オードリーⅡはその血を欲する様な素振りを見せ、更にシーモアが近づけた指に食らいつこうとする。シーモアはやむを得ず、指の血を数滴与えてその場を後にする。オードリーⅡは血を満足気に飲み干すなり、成長して一回り大きくなる。

シーモアは地元ラジオ局の番組にゲスト出演してオードリーⅡを紹介し、店を宣伝する。その後もシーモアはオードリーⅡに指を吸わせて血を与え続ける。店は更に大繁盛し、オードリーⅡはますます大きく育つ。オードリーは一躍人気者になりながらも浮かない様子のシーモアに、自信を持って望みを高く持つよう励ます。閉店後、オリンが店にオードリーを迎えにやってくる。オードリーはオリンをシーモアに紹介し、デートに出かける。シーモアはオードリーの交際相手がオリンの様な男と知り、オードリーⅡの前で嘆息する。オードリーⅡは再び萎れるなり、突然喋り始める。当惑するシーモアに対し、オードリーⅡは空腹を訴え、生き血をたっぷり飲ませるよう要求し、そうすれば大きく育ち、なんでもできる様になると説く。シーモアは殺人を躊躇うが、オードリーⅡはシーモアのコンプレックスを刺激し、願いを実現してやると唆す。その時、オードリーがオリンと共に帰宅する。シーモアはオードリーがオリンから虐げられている様子を観て義憤に駆られ、オリンの殺害を決意する。

翌日、シーモアは拳銃を携え、患者としてオリンのクリニックを訪ねる。オリンは治療の前に、いつもそうしている様にボンベで麻酔ガスを吸入してハイになる。シーモアはオリンに拳銃を突きつけるが、オリンはそれを見て笑い転げている内に、誤ってボトルの調整弁を壊してしまい、その場で中毒死する。夜、シーモアはオリンの死体をクリニックから店に運び込む。オードリーⅡは死体を切り刻むようシーモアに命じる。シーモアは店の裏で斧を使って死体をバラバラにする。たまたま店に戻ってきたムシュニクは、その様子を目撃して狼狽え、立ち去る。シーモアはバラバラにした死体をオードリーⅡに与える。

翌朝、オードリーの元に警察が聴取にやってくる。朝まで寝付けなかったシーモアはオードリーに何事か尋ねる。オードリーはオリンが何者かに誘拐された事を伝えると、心でそれを望んでいた事を明かして自分を咎め、狼狽する。シーモアはオードリーに好意を伝えて励ます。オードリーは自分の様な汚れた女にはオリンの様な男が似合いだと卑下しながらも、シーモアの熱意に応えて口づけを交わす。シーモアが店に戻ると、待っていたムシュニクは昨夜の一部始終を見ていた事を明かし、拳銃を突きつけて警察へ連行する意向を示す。しかし、店の入口の前にやってくると、ムシュニクは息子の様なシーモアを警察に突き出す事を翻意し、誰にも口外しない変わりに街から出ていくよう命じる。ムシュニクは自らがオーブリーⅡを預かる意向を示し、シーモアに秘密の手入れ法を教えるよう命じる。その背後でオーブリーⅡは大口を開けて待つ。ムシュニクはそれに驚き、オーブリーⅡの口の中を覗き込んだ矢先に丸呑みにされる。

その後、シーモアは天才園芸家と持て囃され、講演、雑誌取材、番組出演の依頼が次々に舞い込む様になる。その一方で、オードリーⅡはますます大きくなり、シーモアは餌を与える必要に迫られて途方に暮れる。シーモアはそんな事情を知る由もないオードリーにプロポーズすると、金が入り次第、植物を捨てて一緒に街を出ようと提案する。オードリーは快諾する。夜、シーモアは荷造りを終えると、オードリーⅡの前をこっそり通り抜けて店を出ようと企てる。オードリーⅡは空腹を訴える。シーモアは罪を犯す事を拒むが、オードリーⅡに肉を食わせるよう要求され、やむを得ず肉の調達に出かける。

オードリーⅡはその間に店の外へ出ようと試みるもまだ敵わないと悟り、レジの小銭を使ってオードリーに電話をかける。電話を受けたオードリーはオードリーⅡが喋っていると知って驚き、店にやってくる。オードリーⅡはオリンとムシュニクを餌食にした事を明かすと、オードリーを蔦で捕らえて齧り付き、丸呑みにしようとする。そこへ戻ってきたシーモアは、オードリーを口から引きずり出すと、店の外へ逃れる。シーモアは自分が二人をオードリーⅡに食べさせた事を認める。オードリーはそれに理解を示すと、自分が死んだら同じ様にオードリーⅡに食べさせるよう望み、そうすればオードリーⅡの一部となってシーモアと永遠に一緒ににいられると説く。間もなく、オードリーはシーモアの腕の中で息絶える。シーモアはオードリーの意を汲み、その亡骸をオードリーⅡに与えると、向かいのビルの屋上へ駆け上がり、身を投げようとする。そこに販売契約業者と称する男が現れ、オードリーⅡから切り取って成長させた挿し木を見せると、それを国中の花屋に卸売し、世界中に展開させる意向を示し、シーモアに契約を提案する。シーモアは直ちに店に戻ると、オードリーⅡの目的が仲間を増やして地球を乗っ取る事だと喝破する。オードリーⅡはそれを認め、根で鉢を割って自由に動き回れるまでに成長すると、自らが宇宙から地球を征服する為にやってきたモンスターだと説く。シーモアは拳銃を持ち出し、オードリーⅡを銃撃する。オードリーⅡはそれを弾き返すと、シーモアから拳銃を奪って反撃する。シーモアは逃げ惑う内にオードリーⅡの蔦で制圧される。オードリーⅡは蔦を張り巡らせて店を破壊すると、シーモアを掴み上げて丸呑みにする。

その後、オードリーⅡは米国全土で販売され、大勢の国民がそれを買い求める。やがて数十メートルにまで巨大化した無数のオードリーⅡがそこかしこの都市に出現し、破壊と殺戮を始める。人類は存亡を賭けた戦いを強いられる。

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