チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

恋するブロンド・キャスター

スティーヴン・ブリル監督作「恋するブロンド・キャスター」("Walk of Shame" : 2014)[DVD]

無一文での朝帰りを余儀なくされたキャスターの女が、騒動に見舞われながらも、本番までに局に戻るべく奮闘する様を描くコメディ作品。

ロサンゼルスのテレビ局KZLA6の報道番組でキャスターを務めるメーガン・マイルズは、更なるステップアップを志向し、全米ネットのCNBのアンカーの採用面接に挑む。メーガンはCNBの幹部達に意気込みを伝えると共に、いかに自分が適任かを主張する。

二週間後、メーガンは本番直前に、自らのプロデューサーであるダンがCNBから得た情報として、ウェンディ・チャンと競っており、アンカーの候補者が今日決まる事を知る。歓喜するメーガンは帰宅すると、婚約者のカイルが荷物を運び出して去っていった事を知り、酷く落胆する。そこへ親友のローズとデニースが、メーガンのアンカー就任の前祝いをする為にやって来る。メーガンがカイルにフラれた事を二人に伝えると、ダンから連絡が入り、候補者がチャンに決まった事が伝えられる。ローズは号泣するメーガンを励ます為に、クラブで破目を外して遊ぶように誘う。メーガンは派手な服を持っておらず、デニースの着ている黄色のドレスを借りる事になる。

メーガン達はクラブに繰り出すと、男グループと出会って皆で盛り上がる。メーガンは泥酔して踊りまくった後、一人でトイレに向かうが、誤って裏口から外に出てしまい、店内に戻れなくなる。そこに帰宅前のバーテンのゴードンが通りがかり、メーガンを助け出す。本業が恋愛小説家だと自称するゴードンは、酔っているメーガンの代わりに車を運転し、自宅へ招く。二人は意気投合すると、酒を飲んで盛り上がり、一夜を共にする。

夜更けに目を覚ましたメーガンは、酔いが抜けて正気に戻り、帰宅しようとするが、携帯を見つけられず、部屋の電話から留守電を聞く。ダンからのメッセージで、チャンがTwitterに投降した画像に問題が発覚した為に候補から外され、メーガンが候補者になった事と、幹部が明日の生放送の現場に見学に訪れ、メーガンの仕事ぶりを見て、最終決断する事が伝えられる。

メーガンは再びドレスを着ると、車のキーのみを持って、黙って部屋から抜け出す。アパートの外に出たメーガンは、車がレッカーされた事を知って呆然とするが、停車中のタクシーに無理を言って、保管場所へ向かってもらう。ところが、メーガンはその身なりから運転手に売春婦と誤解され、ストリップクラブに連れて行かれてしまう。運転手は料金を要求するが、メーガンは車の中に財布があり、保管場所に行かないと払えないと告げ、理解を求める。運転手は憤慨し、通報をしない代わりにラップダンスを踊る様に要求する。メーガンは応じる素振りを見せて、隙を突いて逃走する。

娼婦の屯する通りに迷い込んだメーガンを、パトカーでパトロール中の警察官デイヴとウォルターが発見する。メーガンはドレスのせいで売春婦と見做され、警告を受けると、誤解を解こうと弁明するが、二人には聞く耳を持ってもらえず、次に通りに現れたら逮捕すると宣告される。

夜明けが近づき、スラムを彷徨うメーガンはドラッグの売人スクリラと遭遇し、電話を借りようと哀願する。そこにパトカーが接近すると、スクリラは逃走し、メーガンはその後を追ってアジトに入り込む。仲間のハルクは、メーガンのドレスがマーク・ジェイコブスの物だと見抜き、潜入捜査官だと疑うが、もう一人の仲間プーキーはメーガンがキャスターだと察知する。メーガンは事情を伝えると、電話を借りたいだけだと哀願し、携帯を借りる。しかし、メーガンは番号を思い出せず、自分の携帯に助けを請うメールを送ると、已む無くカイルに電話をかけ、迎えに来る様に頼み込むが、カイルが他の女と一緒にいる事を知って憤慨する。その時、ライバルの白人グループがアジトを急襲し、メーガンは三人に逃される。メーガンは別れ際にプーキーから友人の証と称して、コカインを半ば強引に手渡される。

騒動の通報を受けた警察署長は、沈静化していた抗争の原因に黄色い服の女が関与している事を疑い、デイヴ達に逮捕を命じる。一方、目覚めたゴードンはメーガンの携帯を発見し、メールからメーガンが助けを求めている事を知る。

日が昇ると、メーガンは人目を避けながらも、電話をかける金を都合しようと苦慮する。ゴードンはメーガンのアドレスからローズに連絡すると、メーガンがトラブルに巻き込まれた可能性を主張し、自宅へ呼ぶ。メーガンはドラッグの売人にコカインを売って、電話代を工面しようと図るが、シマ荒らしだと誤解されてしまい、バスに飛び乗る。メーガンはバスの運転手や客に、バス代も払えない売春婦だと誤解され、たちまち追い出される。その一報もまた警察に伝わる。局ではダン達が、メーガンが出勤しない事を心配し始める。

メーガンは礼拝所に辿り着くと、教師にバス代を借りたいと哀願するが、女人禁制であった為に誘惑していると誤解され、ヘイトクライムと通報される。ローズ、デニースと合流したゴードンは、メーガンと一夜を共にした事を打ち明ける。局にCNBの幹部が到着すると、ダンはメーガンが取材に出ていると偽り、本番までの時間稼ぎを図る。

メーガンは公衆電話からフリーダイヤルでダンに連絡しようと図るが、交換にメーガンだと信用されず、不振に終わる。デニースはメーガンが車の鍵を持って行った事を知ると、自らがCMのオーディションに参加したキーテクティブで位置を特定できる事を伝える。

メーガンは子供の自転車を盗み、保管場所へ向かう。一方、ローズ達は車に乗り、キーテクティブでメーガンの追跡を開始する。デイヴ達は自転車を盗まれた子供から、犯人が黄色い服の女だと聞き出す。メーガンはパトカーの接近を察知すると、最寄りの店舗に逃げ込むが、そこが性感マッサージ店だと知る。メーガンは已む無くスタッフに成り済ますが、対応した客が夜中に乗ったタクシーの運転手だと知り、慌てて逃亡を図る。デイヴ達は運転手から黄色い服の女が逃亡した事を伝えられる。

メーガンは走り着いた先で、高速道路を隔てた向こう側に保管場所を発見する。工事による規制の時間帯で車の通行が無い為、メーガンは徒歩で渡り切ろうとするが、そこにデイヴ達が駆けつけ、呼び止める。丁度その時、規制が解除され、車が押し寄せると、メーガンはその隙を見計らって道路を渡り切る。

保管場所で車を見つけたメーガンは、鍵を見せて管理人に車の引き渡しを請うが、保管料を払うまで渡せないと一点張りの為、レッカー車に隠れて構内に無断で侵入する。ところが、車は車上荒しに遭っており、財布が盗まれている事が判明すると、メーガンは車で強引に脱走を試みるが、管理人にゲートを閉じられ、停車させられる。そこにゴードン達が駆け付け、メーガンを救出する。メーガン達は局に急行するが、渋滞にハマってしまう。メーガンはダンに連絡すると、ヘリでレポート中のスティーヴに要請し、ゴードンと共に局へ連れて行ってもらう。

メーガンは本番直前に局に到着すると、身なりを繕うのもそこそこにスタジオ入りする。本番が始まると、メーガンは黄色い服を着た売春婦が、次々に騒動を起こしたニュースについて読む事になるが、嘘を読むわけにはいかないと主張し、自分がそのお尋ね者だと打ち明ける。メーガンは人の目を気にするのは止めたと告げ、恥ずべきは服装だけで売春婦呼ばわりし、差別した者達だと指摘する。メーガンは自分は完璧な人間では無く、アンカーは真実を伝えるべき存在だと主張すると、カイルに絶縁を告げ、ローズ、デニース、ゴードン、そしてスクリラ達に感謝の意を伝えて、番組を途中で降りて、スタジオを後にする。CNBの幹部達は、「黄色い服の女」が潜入取材シリーズの斬新なアイデアだと指摘し、一緒にリアリティ番組を作る事をメーガンに提案する。メーガンは回答を保留し、ゴードンと共に帰路に就く。

 

 

予告編を見て面白そうだとは思っていたが、予想を上回る痛快コメディだった。アラホー女に昇進のチャンスが巡ってくるも、折り悪く財布も携帯も無い無一文の状態で朝帰りする事になり、車に戻ろうとあれやこれやと手を尽くすのだが、どれも上手く行かないどころか、派手な格好をしているせいで売春婦と誤解され、警察に追い回されてしまうという不遇ぶり。主役のメーガンを演じるエリザベス・バンクスのワンマンショーが繰り広げられるワケだが、彼女が徹底したヨゴレっぷりを披露していて、爆笑させられっぱなしだった。こんなに美人なのにここまでやるかという体の張りっぷりで、そこにハリウッド女優としての胆力を感じずにはいられなかった。くだらないと言ってしまえなくだらないストーリーなのだが、バンクスの一挙手一投足がとにかくシンプルに笑わせてくれる作品で、コメディとしては屈指の面白さだ。思い出すだけで吹き出してしまう。彼女はプロデューサーや監督業でも頭角を現していて、今後ますます期待できる女優だろうな。BD化したら購入するんだがなぁ。こんなにオモシロ作品なのに、巷の評価も低いし、世の中分からんもんだなぁ。

f:id:horohhoo:20151226212147j:plain

f:id:horohhoo:20151226212151j:plain

f:id:horohhoo:20151226212153j:plain

f:id:horohhoo:20151226212200j:plain

f:id:horohhoo:20151226212203j:plain

f:id:horohhoo:20151226212207j:plain

f:id:horohhoo:20151226212210j:plain

f:id:horohhoo:20151226212213j:plain

f:id:horohhoo:20151226212216j:plain

f:id:horohhoo:20151226212221j:plain

f:id:horohhoo:20151226212225j:plain